WIRED VOL.26/特集「ワイアードTV:映像ビジネスの新時代」
- コンデナスト・ジャパン (2016年12月10日発売)
- Amazon.co.jp ・雑誌
- / ISBN・EAN: 4910153120172
感想・レビュー・書評
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新しい映像、新しい物語。バラクオバマの、AI時代の大統領の言葉から始まる。多くの人が心配しているのはシンギュラリティではなく、自分の仕事は機械にとられてしまうのか?である。テクノロジーをどう運用するのか、経済がインクルーシブであることをどう担保し、全ての人が収入を得られるようにするか、そのような社会においてアートや文化、老人を支援するとはどういう意味を持つか。オバマ大統領の深淵な、危機意識を感じる。
ビジュアルは次の世界へ。360度VRで難民支援を訴えるRYOT、ストリーミングでネットフリックスとアマゾンは攻防を繰り広げる。moment factoryは、カナダを拠点とするデジタルアートスタジオ。食神さまのレストランで日本で初めてデジタルアートを披露する。そのセンスは、感覚や想像をどう凌駕していくんだろう。体験型イベントは、都内にいながらハワイにいるとか、沖縄で雪合戦ができる可能性を秘めている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
伊藤穰一とオバマの対談。終わってしまった巻末のコラム。楽し悲しい一冊。
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テクノロジーと無縁の仕事というのは、ほとんど存在しないでしょう。いかなる業種でも、必ずどこかでなんらかの関わりがあります。もし、そうは思えないというものがあるとしたら、それは何百年間も革新が起きていない技術に依存しているというだけで、言い換えれば、何百年か前においては、テクノロジーの最前線の仕事だったと言えるかもしれません。だから、テクノロジーのフロンティアには明るい進化の道筋があるのです。
ところが、現状に安住している人たちは、目新しいものを傍観したり、自身に引き付けて考えようとせず、商品化されたものを消費するだけになってしまうことになるでしょう。
今号の特集は、『WIRED TV』。AR、VR、MRなどの映像技術の進化を取り上げています。
「自分には関係のない技術だ――」。私は早速、そう思ってしまいました。ところがWIREDは、これらの映像技術の発展を、いくつもの切り口で語っていきます。例えば、ストーリーテリング。こう関連付けた瞬間に、映像技術はたちまちマーケティングと結びつき、こうなるともはや、いかなる業種とも分かちがたいものになってしまいます。
知っているつもりのことについて、その世界に生きる人達がインタビューで語る情熱、苦悩が、本当の最前線を描き出し、それが新しい知見をもたらし、深みを与える。今号をきっかけに、初見で「興味がない」と思ってしまうような特集も読み逃すことがないよう、雑誌「WIRED」の定期購読を申し込みました。