怒り Blu-ray 豪華版

監督 : 李 相日 
出演 : 渡辺謙  森山未來  松山ケンイチ  綾野剛  広瀬すず  宮﨑あおい  妻夫木聡 
  • 東宝
4.00
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104106520

感想・レビュー・書評

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  • 八王子で夫婦が惨殺された。現場には血で書かれた「怒り」の文字が残され、犯人は山上という男だとすぐに判明するが1年以上も足取りが掴めない。そして、千葉、沖縄、東京で整形した山上ではないかと思われる男と関わる人たちの葛藤が描かれる。映画館でも観たんですが、久々にお家で観ました。やっぱり良い!キャストがとにかく全員素晴らしい。妻夫木くん観たさに観たけど、宮崎あおいと広瀬すずが熱演。そして、森山未來のイカれ具合も良かった。人を信じることの難しさと、優しさとは何か?など、深く考えさせられる作品。原作は読んでないのですが、観終わったあともずっと重たい物が残りますが、観てほしい映画のひとうです。

  • うーん、うーん、うーん、、、残念だ!という感想です。何が残念かと言いますと。この映画に、ピンと来ることができなかった自分が、残念です。そう。残念なのは、自分。という。そんな感想です。

    まずもって大前提を言いますと、吉田修一の小説「悪人」と、この映画の原作小説「怒り」は、どちらも大好きです。「悪人」と「怒り」と、どっちがより好き?と問われましたならば、断トツで「悪人」なんですけどね。

    で、その吉田修一原作小説、李相日監督作品の映画版の「悪人」も、めちゃくちゃ好きです。「小説の悪人と映画の悪人と、どっちが好き?」と問われましたならば「うーむ!難しい。映画版には映画版の良さがあり、原作小説には小説版の良さがあり、、、うーむ、、、バリ悩むけど、うーん、、、やっぱ小説版かな!」って言います。

    で、この、李相日監督の、映画版「怒り」も、そらもう期待したんですよ。そらもう。ガンガンに。そしたら。そしたら。「、、、え?あかん?え?なんで?なんでこんなに、、、グッと来ないの?俺の心にグッと来ないの!?」という、感じだった。もう、正直に言う。グッと来なかった!そこまで!何故か!とちょっと半ギレ。何故だ、、、何故なんだ、、、

    えーと、まず。凄く不思議なのですが、、、
    沖縄編なのですが。辰也が、田中さんの正体が、とんでもねえ裏切り者だと気づいて(山神一也だと気づいた訳ではない)、んで、辰也が、田中さん(山神)を、殺すやないですか。その場面シーンが、大幅に、、、変わってます、よね?

    確か、原作小説では、田中さんがまだ辰哉の実家の旅館で働いているときに、「俺、、、あんたの事、ホントに信じてたのに!」って、包丁で刺し殺すはずです、、、よね?あれ?そうだよな?小説版を読んだのは、結構昔なので、ちょっと違っていたら、マジごめんなさい。

    だから、その前の、田中さんが仕事先の旅館でブチ切れて本性露わにして、旅館中の物をガンガン破壊して逃げる場面、アレ、原作小説には、なかった、、、ですよね?

    あっこ、アレ、なんであんな場面を追加したん?って、思う。アレをやっちゃった時点で、もう、田中さんヤバい人、って、バレバレになっちゃいますやんか。小説版の、あの、田中さんが辰哉の実家の旅館でナイスガイな良い人キャラで働いているときに、辰哉が、離島の田中さんが寝泊まりしていた場所で、マジもんの田中さんのガチでヤバい本性を知ってしまう、というあの流れが、凄く良かったのに!

    「田中さんのガチでヤバい正体を知ったときは、田中さんはまだ素知らぬフリで、猫被って、辰哉の実家の旅館で働いている!」というあの衝撃感、恐怖感が、めちゃ良かったのに!

    なんであんなふうに、映画版は、田中さんの正体バレるまでの流れを変えてしまったのか?個人的には。マジですげえ残念でした。インパクトが。薄れ倒しちゃうやんか!という。

    あと、千葉編。槙親子の、娘の愛子。愛子が、高校時代に空手部の主将に惚れられてて、お姫様状態っつーか女王様状態になってたから起きてしまった、あの辛いエピソード。あれもなあ、、、なんとか入れて欲しかったなあ、、、難しいか。でも、あのエピソードこそ、「何故に今の愛子がこのような女性になってしまったか?」を理解するための、重要なエピソードだと、、、思うんですよねえ、、、映画の尺の関係で、この愛子の昔のエピソードを挿入するのは難しかった、とは思うんですけどね、、、でもそれでも、入れて欲しかったなあ~、なんとか。

    「悪人」の映画化の時は、原作者の吉田修一さん自身が、映画版の脚本にかかわっていましたよねえ(李監督と吉田さんの共同脚本)。でも、この「怒り」映画版の脚本は、李監督のみのクレジットです。ううむ、、、吉田さん。「怒り」映画版の方も、「悪人」映画版の時のように、共同脚本で参加して欲しかった、、、うう。

    あと、出演俳優。ホンマに豪華です。このメンツを集めたのは、マジで素晴らしい。が。が。が。ホンマに残念な事なのですが、自分にとっては、この映画はそこまでピンとこなかったので、、、「船頭多くして船山に上る」という印象に、なってしまいましたね。ホンマに残念。ハリウッドで言うならば「オーシャンズ11」に匹敵するほどの、ホンマのドリームチーム俳優陣だったのになあ、、、

  • 夫婦殺人事件の犯人に似た3人を軸に進む物語。

    途中で映る防犯カメラの映像は、それぞれ3人に見えるようにしてあり、最後の最後まで誰が犯人なのかわからないまま進んでいく。
    いっそのこと、3人とも犯人でなければいいのにとも思った。

    見てると、痛々しく息苦しく生々しく。

    役者全員が演技がうまく、胸が締め付けられた。

  • レンタル
    ★4.5

  • 誰にも言えない悲しみと、ぶつけようのない切なさと後半は言いようのない苦しさでずっと涙が止まらなかった。

    この映画のタイトルでもある「怒り」についてはいろんな解釈があるけれど、相手を信じたいのに100%人を信じられない自分への怒り。そして逆に信じすぎてしまったことへの怒り。

    世間に蓋をされて社会の片隅に生きた人々のぶつけようのない怒りとか、そしてそれらを見てみないふりをしてきた偽善者な自分への怒りとか。沢山の目に見えない人間の怒りが今も私たちの周りに渦巻いていて、苦しくてやるせない世の中の実情が描かれている。

    一言でなんか言い表せない混沌とした怒りがこの作品全体ぶつけられていて、それを受け取った私は無性に叫びたくなった。

    吉田修一さんが描くのは社会の片隅に生きながら見てみないふりをされたマイノリティーの存在で、その人たちのことちゃんと私たちに見せようとするのが李相日監督。
    そして、それを見せられて身動き取れないようなショックを与えてくれるのが役者達の圧巻の演技なわけで、、
    特に今回は妻夫木聡さんの演技がとんでもなく良かった。彼を同性愛者だと信じるレベルで上手い。すごい!

    この作品は原作が上下巻あって、3つのストーリー分の重さがあるのにもかかわらず、ちゃんと脚本も破綻することなく、1つの作品としてまとめられ、非常に安定感のある脚本力と編集力もすごいと感じます。
    そして坂本龍一さんのオリジナルのオーケストラ音楽も素晴らしく、この作品をちゃんと大きなスクリーンで観れて良かった。

    人それぞれなので賛否両論あるのは仕方ないけれど、レビューの点数が低いからってもし観ないでいる人がいたらわたしはもったいないと思う。
    とっても苦しくなるし、綺麗事にできない作品だけど、一流たちがちゃんと一流として魂の仕事をしている作品だと私は思う。

  • 信じたいけど、信じ切れなかった後悔が、とても身につまされた。

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