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感想・レビュー・書評
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『老子』は二千数百年前、約100年の時間をかけ、思想を同じくする複数の人々の手が加わってできたものとされる。処世の知恵を説いたこの書は、哲学、政治、兵法など様々な問題について論じている。
『老子』は万物の根源に「道」なる存在を認め、そこから論を展開している。
道とは、次の2つの側面を含むもの。
①万物の根源に存在している普遍的な実体
②万物の存在を支配している根本的な原理
・上善は水の如し:逆らわない生き方
道のあり方に最も近いのが水。
水は相手に逆らわない「柔軟性」と、人の嫌がる低い所へと流れる「謙虚さ」を備えている。こうしたことを水から学べと『老子』は言う。
・相対的な価値観を捨てよ
道という、何ものにも依存しない「大いなるもの」の立場から人間の営みを眺めると、すべてのことは小さい。美と醜、高と低などの違いは相対的なものにすぎず、本質に違いはない。『老子』はこの相対的な価値観を捨てよと説く。
・足るを知れば辱められず:止足の戒め
地位や財産に執着しすぎると、身の破滅を招きかねない。『老子』はそう警告する。何事にも欲を張らず、足ることを心得ていれば、いつも安らかに暮らすことができる。
・「不争の徳」:人使いの名人は、常にへりくだる
自分から先に立たなければ、かえって人から立てられる。それが『老子』の処世哲学である。無私、無欲に徹し、相手の私心や私欲と上手に折り合いをつければ、自分を生かせる。
・最高の指導者
普段、部下からその存在を意識されることがない。負担に感じられることも、有難いと感じられることもないのが、理想的な指導者のあり方だと『老子』は言う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Audibleにて読了。これからの激動の変化が起こるであろう世界の中で老子の当たり障りのない中庸的な思想で生き残っていけるのか?ん〜疑問?って感じでした。多分私の修行が足りないのでしょう。10年後に読むと違った印象になりそうです。
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謙虚であることを重んじている。トランプ大統領にはない思想だなあ。西洋と東洋の考え方の違いは、意外と大きいかもしれない。