スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • マインドフルネスを真剣に実践してみようと思うが、なかなか腑に落ちなかったり、続かなかったりで、はや数年…。

    この本は著者の若いころに教わった方法で話が進んでいくので、私にはわかりやすかった。

    マインドフルネスの利点を少し掴みかけているものの、科学的に簡潔に他人に説明するのはとても難しい。

    マインドフルネスの実践において、「納得」もしくは「信頼」というものが必要だと改めて感じる。

    利点を納得するか、もしくは教えてくれる人を信頼していないと、マインドフルネスはただの怪しいものと思われる。

    著者はある程度の年齢に達していたものの、素直だったこと、そして一目でルースのことを信頼してみたいと感じたからこそ、何日もルースのもとに通うことができたのだろう。

    とはいえ、マインドフルネスは一朝一夕では習得できず、私にはまだまだ難しい。

    この本を教本として鍛錬してみたいとは思う(^_^;)

  • 結構前からマインドフルネスに興味があって、会社でも何人かで集まってやっているのを見たことがあった。年始の空いた時間で珍しく仕事に関係なくこの本を読むことにした!
    悲しいストーリーが読み耐え難い部分が多かった、、3つのステップに分けてマインドフルネスの大切さと方法を説明してくれている。
    しばらくやってみようと思う。今のところ1分も集中できないけど。

  • マインドフルネスの本だが、著者自らの半生を紹介しながら物語形式に語られるのがとても染み込みやすかった。
    読後、大きな光が最後に吸い込まれるイメージがある。
    これまでのマインドフルネス本はすでにその境地に達した人が何か上から説教するような感じ、途中でスピリチュアル色が強くなってウヤムヤにする感じ、GoogleなどのIT企業で取り上げられていることが先行して紹介される形などで読んでいて違和感を受けていた。端的に言うと好きになれなかった。
    しかし、本書では著者自身が貧困と劣悪な家庭環境にいた少年時代のマインドフルネスとの出会いから少しずつ実践していく様子が丁寧に描かれている。その描写はまさにマインドフルネスを始めてうまくいかない人たちの姿、読者である自分の姿と重なる。
    序盤から中盤はじれったくなるくらいのゆっくりしたペースで進むが、後半、著者が傲慢になり、事故に遭い、富を得ていく辺りから一気にスピードアップしていく。そして破滅、方向転換。
    そう、人は1回すべてを失って見えるものがあることは確かなのだ。
    現在の著者がどういう立場にあるのかが種明かしのように語られて驚かされる。
    このことを宣伝文句として持ってこなかった著者と出版社の判断は控えめというよりも英断である。

  • 2023/03再読。

    前半のマジックを教わる部分がとても参考になり、心が軽くなって生きやすくなった。
    やはり思考に気を配るのは本当に大切。

    個人的には中盤~終盤は読まなくても良さそう。


    2021年12月17日

    物語の中に教訓が含まれています。
    ストーリー自体は子供時代や大人時代を行ったり来たり、たまにいきなり年月が過ぎたりしていてとても読みやすい、というわけではなかったです。

    一番は、前半1/4くらいに出てくるマジック。
    なりたい自分を浮かべたり、心を開いたり、特にマインドフルネスの部分が参考になりました。

    このお陰で、マインドフルネスをやってみようと思えるようになりました。

  • 素晴らしい本だった。
    少年の手術から物語はスタート。脳の手術は、とても大変なことがよくわかる。そして、この少年は助かったか。著者のドゥティ氏の希望なのか。わからないけれど、希望が持てるスタートだった。

    貧困家庭で育った著者は、アルコール中毒の父とうつ病の母をもち、辛い幼少期を過ごす。そんなある日、マジック店でルースという女性に出会い、魔法のマジックを教えてもらう。毎日毎日練習することで、だんだんと夢が叶い、脳外科医になる。経済的に裕福になるが、まさかの事態にまきこまれ、どん底の生活に。しかし、ルースのマジックを思い出し、続けることで、幸せな生活を取り戻したというお話。

    ・デール・カーネギーの『人を動かす』。人に好かれるための6原則。著者が今でも暗唱できるという。
    1 誠実な関心を寄せる  
    2 笑顔を忘れない  
    3 名前を覚える  
    4 聞き手にまわる  
    5 関心のありかを見抜く  
    6 心から褒める

    著者は、まずは体をリラックスさせる方法を学んだ。毎日1時間おこなうようにいわれる。簡単に聞こえるけど、じつはものすごく難しく、たくさん練習しないとできないらしい。

    その後、医学部で心臓について勉強する。心臓は迷走神経を通じて延髄という脳幹の一部とつながっている。迷走神経には二つの部分がある。リラックスして呼吸をゆっくりすることで迷走神経を活性化させると、副交感神経系が刺激されて心拍数や血圧が下がる。迷走神経が緊張すると交感神経が刺激されて、たとえば怖いときや驚いたときにドキドキするのはそのせいだとわかった。このように、時折医学的な見地から解説が入ることが、ルースが教えてくれたことが科学的に意味あるものなのだと理解でき、とてもよかった。

    ルースのマジックを習い始めてから、筆者は両親のケンカ中に、「愛している」と声をかけることができた。それは、本当にすごい一歩だと思う。それで全てが変わったわけでないのだが、愛を伝えるということの大切さを学んだ。

    筆者はマントラを学ぶ。マントラとは、人に霊的な変容をもたらすとされる、祈りや瞑想などで唱えられる聖なる言葉。ここではなんでもよいとされ、ジムは友人のクリスと、ドアの取っ手が思い浮かび、「クリスの取っ手」という不思議なマントラを思いつく。しかし、これを自分に唱えると、確かに信じられないほど心が落ち着いたそうだ。私も試してみたが、効果を実感した。

    ルースは、傷や痛みにはすごい目的があるという。心は傷ついたときに開くものであり、痛みを通して人は成長する。難しい経験を通して大きくなるから、人生で出遭う困難はすべてありがたいと思わないといけない。問題がない人はかわいそうだとまで言い切る。マジックを体験できないからだそうだ。しかし、筆者はこれに対して疑問を抱く。すべてをもった幸せな人も、かわいそうだと思わなければいけないのか?と。私も同感。

    なんでも願いが叶う最後のマジックの前に、必ず心を開くマジックをしなければならないとルースはいう。自分が欲しいものが、自分やほかの人にとっていいものとは限らない。本当にほしいものを知らずに、ほしいと思い込んでいるものを手に入れたら、欲しくないものが手に入ってしまう。この言葉にぐっとくるものがあった。

    ルースのいうようにマジックの練習をしていたら、家賃の支払いが間に合わなくて追い出されると思っていたのに、なんとお金が舞い込んできた。信じられない。本当に叶ったと思った。

    筆者は毎朝毎晩、くる日もくる日も、何週間も何カ月も練習した。メディカルスクールにいくことを想像するのではなく、脳外科医になったときのことを想像していた。脳は、慣れ親しんだものを必ず選ぶ。未来の成功を思い描くことで、筆者はその姿を脳に慣れ親しませていった。

    警察体験実習に応募。自分は父さんとは違うという思いだった。しかし、補導されたのは父さんだった。ひどくショックだったと思う。

    毎朝毎晩、全身をリラックスさせ、心を落ち着け、人生で欲しいものと自分のなりたい姿を思い描いた。でも、心を開く練習はやらなかったそうだ。難しかったためだ。心を開く練習をしなかったから、この後のつらい出来事が起きてしまったのではないかという。

    あるとき「カリフォルニア大学アーバイン校」に申し込む女の子に出会う。そこで、願書をもらえるとは!セレンディピティだ。テストの点数はとても足りないと思ったが、その夜から毎晩、著者はベッドに座って合格通知を受け取る姿を思い浮かべた。そして、届いた白い封筒。ルースを信じていた。深呼吸をして開けると、合格通知だった。

    脳外科医の研修医になるが、3年もまてないという。この辺りから、筆者の欲のようなものを感じられる。一般外科の応募を取り下げ、脳外科医になったことを想像しながら過ごす。毎朝毎晩、心の目にその姿を映し出した。どんな結果になるかは心配していなかった。その結果か、スキャンダルがおき、応募は筆者だけになった。なんてこと!また実現した。

    部長からよく思われず、非難されるようなことがあっても、ルースを信じた。どんな態度をとっても、退職になることはなかった。

    瞑想をすることはなくなった。ルースから学ぶべきことはもうないと思った。そんなとき、交通事故にあう。生死をわけるような大事故だ。僕の脳は死ぬ。僕は死ぬ。こんなはずじゃなかったと思った。こんなふうに死ぬはずじゃなかった。臨死体験をして、筆者は無事に息を吹き返す。奇跡的だと思う。

    筆者は脳外科医になった。しかし、離婚して独身。44歳で、1年以内に引退というところまで上り詰めた。しかし、ドットコムバブルの崩壊。筆者は数百万ドルの借金を背負い、事実上破産した。つらいときに、誰もそばにはいなかった。荷物をまとめていると、ルースの教えをメモしたノートが見つかる。久々に心のマジックをおこなうと、マジックショップへ帰ることを思いつく。これも運命なのだろうか。

    わたしたちの誰もが、人生の中で痛みを感じる状況を経験するの  
    それを「心の傷」って呼ぶのよ  
    それを無視するといつまでも治らない  
    でもときには、心に傷を負ったときこそ、心が開くものよ  
    心の傷がいちばんの成長のチャンスになるの  
    困難は魔法の贈り物

    「心はコンパスなの。いちばん大切な贈り物よ、ジム。もしいつか道に迷ったら心を開きなさい。そうすれば、正しい方向に導いてくれる」
    すごく印象的な言葉。

    弁護士から連絡があり、大金が戻ってくるチャンスがやってきた。しかし、筆者は心を開く瞑想をおこない、うまくいくと確信する。そして、予定通り大金を寄付した。なんてこと!大金持ちでなくても、脳外科医だ。食べていけると判断したのだ。なんて素晴らしいのだろう。

    富が幸せをもたらす方法は、たったひとつだとわかった。それは人に与えることだ。

    頭に思い描く前に気をつけなさいとルースが注意してくれたのは、このことだった。人は欲しいものをなんでも生み出すことができるけれど、生み出す価値のあるものが何かを教えてくれるのは心の知性だけだ。

    人生をよりよい方向に変えるには他者の人生を助けるしかない。

    地域医療センターの設立。同僚や友人に反対されながらも、知的なコミュニティーを離れて活動を始めることが素晴らしい。

    ルースの教えの何がそれほど強く響くのかを考え、その核心にあったのは心を開くことだと気がついた。意志を持って、優しく思いやりのある行動をすることだ。

    共感と思いやりは人間の健康にいいということが研究からわかった。

    手術の時、著者は目を閉じて呼吸に集中する。息を吸い、ゆっくりと吐く。頭を空っぽにして、恐れがそこにとどまれなくなるまで、呼吸を続ける。心を開かなければならないときもある。これは著者がこれまでに何度もやってきたルーティーンで、誰よりも得意なことだそうだ。緊張するとき、不安なときは、深呼吸すること、頭を空っぽにすること、心を開くことをやってみる価値があると思った。

    ダライ・ラマは、チベットとチベット人民の象徴たる地位にある方。著者は、ダライ・ラマをスタンフォード大学に呼び、講演してもらうという偉業も成し遂げた。すごい!ダライ・ラマが、寄付を申し出たと言うこともすごいと思う。

    著者は、ルースのマジックのおかげで勇気をもってリスクを取り、どんな結果になっても大丈夫だと安心できたという。リスクを取れる勇気、納得。

    本がなかなか書けなかったのは、自分の人生のつらく悲しい時代に引き戻されてしまうことがわかっていたから。その気持ち、よくわかる。

    「これは、本当に実話なのだろうか?」そう思った。しかし、著者のジム・ドゥティ博士は本当に実在している人の話だ。それに驚く。

    マインドフルネスとは、「余計な評価判断を手放して、あるがままの『いま』に注意を向けている状態であり、『いま』にしっかりと気づいている状態」をいう。ルースのマジックは、じつは、マインドフルネスを鍛錬する伝統的なワーク(瞑想法)。根拠があることに納得した。そして、それを筆者は実直に続けることで、夢を実現していった。

    しかし、方法を誤ってはいけない。他者への思いやりをもって、誠実に叶えたいことを選択しなければならないのだと思った。メッセージを送るときは、相手の立場に立とう。

    心に残った言葉
    ・過去をなかったことにしたいと願っても意味がないことや、自分にはどうしようもない恐ろしい未来を心配しても仕方がない。
    ・欲しいものが必ずしも自分にとっていちばんいいものとは限らない。
    ・幸せになりたければ、他人を幸せにするしかない。愛が欲しいなら愛を与えなければいけない。よろこびが欲しければ他人をよろこばせなければならない。ゆるしを得るにはゆるさなければならない。平和が欲しければ自分の周りに平和を生み出さなくてはならない。  自分の傷を癒やしたいなら、他人の傷を癒やせばいい。

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