破門 「疫病神」シリーズ (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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  • 疫病神シリーズ第5作にして、第151回直木賞受賞作。

    映画製作への出資金を持ち逃げされた、二蝶会幹部のヤクザ桑原保彦と建設コンサルタントの二宮啓之。失踪したプロデューサー・小清水隆夫を追い、桑原は邪魔なゴロツキを病院送りにするが、何と相手は本家筋・亥誠組の構成員だった。禁忌を犯した桑原は、組同士の込み合いとなった修羅場で、生き残りを賭けた大勝負に出るが…。

    二宮と桑原の丁々発止のやりとりを紡ぐ著者の筆さばきは匠と呼びたくなる。
    疫病神シリーズは、会話が主体。地の文でくどくど説明するのは野暮ってもんで。
    最小限に抑えられた描写の中、会話の疾走感からほのかに立ち昇る浮き世の無常に酔いしれる。
    円熟味さえ感じさせるこのシリーズ、まだまだ終われません。

  • 面白かったです。
    疾走感がある。

  • 映画製作への出資金を持ち逃げされたヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮は、資金回収のため、関西とマカオを奔走する。巨額の資金をめぐる争いはやがて組同士のトラブルに発展し、桑原にも絶体絶命の危機が!

    控えめに言って「最高」。極上のエンターテイメント小説といって差し支えないでしょう、これは。ただシリーズを重ねるごとに桑原さまの二宮に対する愛(エグさ)が大人しくなっていて少し寂しい

  • 大阪を舞台とした、ヤクザものハードボイルドの秀作。直木賞受賞。

    狂犬のような獰猛さと鋭い頭脳を合わせ持つ、コテコテのヤクザ桑原と、自称カタギの軟弱建設コンサルタント二宮の珍コンビは、ヤクザ同士のいざこざに巻き込まれるが、裏を読んで上手く立ち回り、何とかピンチを凌いでいく。

    事件に引きずり込まれ、出し子に使われ、人質に使われ、と踏んだり蹴ったりの二宮だが、内心罵りつつ桑原に終始付き従っていく。この二人の関係が絶妙だった。

    本作、「疫病神」シリーズの第5作ということを知らずに読んだが、十分楽しめた。

  • 黒川博行「破門」疫病神シリーズ第5弾。直木賞受賞作。 ヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮が映画製作の出資金を持ち逃げしたプロデューサーを追う。
    暴力団の本家と下部団体との関係など組織内部の軋轢の話が中心。
    かなりの長編だが、テンポのいい会話、マカオのカジノの様子など面白かった。
    (電子書籍 kindle)

  • 最近よまなくなったピカレスク系かな。シリーズものとは知らずに一気に読みました。ありですね。

  • 相変わらずのドラマ仕立て。
    スピード感のある展開。
    現実感のあるストーリー。
    そして、毎度のアッサリとしたエンディング。
    最後に初見がドンとか考えるのは外国の小説読み過ぎなのかしらん。

著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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