横浜駅SF【電子特典付き】 (カドカワBOOKS) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 世界観を楽しむSF。にやりとできるネタがあちこちに散りばめられていた。イコカシステム大好き。

  • 面白かったです。「自己増殖した横浜駅が本州を覆い尽くして、人々はSuicaを内蔵してエキナカで生きている」という解るようで全然解らない世界観が好き。
    冬戦争という世界大戦中に統合知性体というマザーコンピュータみたいのをJRの駅に搭載しよう、そこなら全部攻撃して破壊するにも時間を稼げるし、壊れても修復出来る機能も搭載して…としたら、横浜駅が暴走して本州を全て横浜駅に。
    主人公は駅外に住む人だけど、18きっぷを手にして横浜駅内へ行ってみることに。キセル同盟のリーダーを救うことと、“教授”からの指令で42番出口を目指して。
    その間に、JR北日本の工作員アンドロイドと出逢ったり。どうやら北海道と九州のJRは横浜駅の侵攻に抗っているようです。四国は微妙に侵食されて無法地帯に。
    JR北日本は“ユキエさん”という人が統合知性体の言語を解読して横浜駅自体の構造を破壊出来てるけど、JR福岡は軍事で横浜駅を攻撃してるのが修羅の国っぽくて笑いました。関門海峡狭いもんなぁ。。
    結果的に横浜駅を消滅させるコードを送信出来たのは凄いけど、ここまで浸透してる横浜駅が消滅したら日本はどうなるのかな…政府は横浜駅に追い詰められてとっくに無いし、エネルギーや産業?も横浜駅に頼り切ってたしなぁ。
    『永遠に工事が終わらない横浜駅』からここまで世界を膨らませた湯葉さん凄いです。横浜駅の工事は終わったみたいだけれど。
    全国版も読むのが楽しみです。

  • あとがきにある『BLAME!』のくだりでニヤリと。小ネタ満載でずっと楽しめました。

    説明主体の文体について色んな感想があるみたいですが、ハードSFや理系文書に慣れていれば気にならないと思います。

    私はaudibleで聴きましたが、カクヨムで今も読めるとのことで、興味のある方は一読されて気に入ったら購入などどうでしょうか。
    https://kakuyomu.jp/works/4852201425154905871

  • 残念なことに、自分に合わなかった。
    横浜駅が日本を覆い尽くす世界観なんて、絶対面白いじゃん……!
    と思ってたんですが、描写というか起きたこと、起きていることが単純に記載されるような感じがしてて、感情がついていかないというか…、なんだか読みにくかったです。登場人物たちの目的も分かりにくかったり、後半にならないと判明しなかったりで、これも読みにくさを助長していると思います…
    あくまで自分の中でですが。

  • ーーもし未来の日本が「マトリクス」のようにコンピュータに支配されてたら?
    という設定で妄想したら、実はボケ老人(教授)がアーキテクトで、主人公ヒロトがネオでした、という感じの話。

    コントロール不能な領域まで進化したコンピュータが暴走するとしたら、そのシステム内で最も人々のデータを貯めることができる横浜のような大都市が人間を取り込む最適解をどこよりも早く出して隣接する別システム(ローカルJR)を吸収して増殖する、なんてことは有り得そう。
    人々の生活に最も密着しているシステムを有する企業という意味ではGAFA(今はMeta)になるんだろうけど、日本人に楽しんでもらおうとすると「ブラタモリ」のように「丁寧にローカル展開するのが定石」とするなら、JRを舞台に選んだのは納得だ。ただ、路線図が馴染みありすぎるだけに、SF的「巨大建造物(システム支配によるディストピア)」の世界観に入り込むのに時間がかかった。wikiで登場人物の予習をしておくと読みやすいかも。

    あと「実際の滅亡は想像よりも遥かにしつこく、嫌らしく、粘っこい。」という「長い終末期」にフォーカスしたフレーズも刺さった。映画やドラマの尺を考えると「一発逆転勝利」そしてエンディング!!という流れは仕方ないのだろうけど、お約束(有名俳優は死なないなど)は興ざめでしかない。
    そうなんだ、現実の滅亡は長い時間をかけて苦しみをダラダラと増やし続けながらかすれ消えていくのだ。SFの醍醐味は、現実離れするほどに微細のリアリティ感に宿ると思う。

  • 「横浜駅が増殖する」という設定だけの出オチかと思ってたら、わりとガチだった。横文字より漢字が多い。
    よくあるディストピアSFの体を取りながら、膨大な固有名詞=地名で上書きされる様が新鮮だった。言葉の作りも良い。「JR統合知性体」とか。冒険小説でもあるので楽に読める反面、細かい設定も多いので、すこし頭に入りにくいところはある。

  • ギャグ狙いと思いきや、しっかりと腰の入ったSFで大満足。
    こういうのがいいんだよ。こういうのが。

  • カクヨムWeb小説コンテストSF部門大賞を受賞▲日本は<横浜駅>に支配されていた。エキナカを追放されたある男から、この「18きっぷ」で人類を解放してほしいと…▼鉄ちゃんが読んだら怒り出すのではないかと思うほどの鉄道軽視作品、リニアは別だが…。巻末の特別付録が始まりだそうだ。設定しだしたら止まらず書いてしまいました的でgjですね。本州であれば北から南まで、横浜駅徒歩〇分と言えそうなシュールさがツボ。水戸のアレは年々伸長しているのか南無…。作者紹介に生物学研究者とあり不覚にも笑ってしまった。失礼(2016年)

  • 独特の世界観があって、中々面白い。
    あとがきを読むと椎名さんのアドバードに影響を受けたと書いてあり、頷ける。漫画で読むとまた
    楽しいのかな?

  • 横浜駅SF【電子特典付き】 (カドカワBOOKS)[Kindle 版] 2021ブラックフライデー 導入部分で、ずっと前にSFマガジンで読んだ「梅田地下オデッセイ」を思い出した。梅田の地下街から出られなくなった話だったと思う。なんとなく検索してみたら、著者の堀晃氏が公開されていた。http://www.sf-homepage.com/ume/ume_s-j.html いい感じでストーリーが展開するが、なんだか流動荼毘なエンディングを迎えて、あとがきに進むと、続編が有ったのね。

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著者プロフィール

2016年、小説投稿サイト「カクヨム」に投稿した『横浜駅SF』が第1回カクヨムWeb小説コンテストSF部門大賞を受賞し、デビュー。著書に『重力アルケミック』『未来職安』『人間たちの話』『まず牛を球とします。』他。

「2022年 『SF作家の地球旅行記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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