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感想・レビュー・書評
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世界観を楽しむSF。にやりとできるネタがあちこちに散りばめられていた。イコカシステム大好き。
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あとがきにある『BLAME!』のくだりでニヤリと。小ネタ満載でずっと楽しめました。
説明主体の文体について色んな感想があるみたいですが、ハードSFや理系文書に慣れていれば気にならないと思います。
私はaudibleで聴きましたが、カクヨムで今も読めるとのことで、興味のある方は一読されて気に入ったら購入などどうでしょうか。
https://kakuyomu.jp/works/4852201425154905871 -
ギャグ狙いと思いきや、しっかりと腰の入ったSFで大満足。
こういうのがいいんだよ。こういうのが。 -
そのタイトルのとおり横浜駅を舞台にしたSF。といってもそのままの横浜駅ではなく、横浜駅が自己増殖して本州の99%を飲み込んでしまうほどの大きさになっている。
冬戦争と呼ばれる西暦末期に発生した複数の戦争の影響で化石燃料が枯渇、その後数百年経ったあとの日本が舞台。エネルギーは主に地熱発電や太陽光、水力発電でまかなっている。しかし横浜駅はエネルギー問題をはじめ様々なものを自己完結させている。
そんな横浜駅と海を挟んで侵食をまぬがれた北海道や四国九州の各地のJR(Japan RailwaysではなくJapan Ruler)や、横浜駅内(エキナカ)に住む住人で構成されているレジスタンスが横浜駅から日本を取り戻そうと争っている。
エキナカやSuikaなどの単語はそのままの意味ではなく、別の意味で使われている。
例えばSuikaは横浜駅内に住む人の個人認証キーの役割をはたしていたり、18きっぷはそのSuikaの期間限定版。詳しくは巻末に載っている。
駅という身近で交通網として重要な役割を持ちそして無機物、それが増殖して日本を侵食したというすごい発想なのに緻密なディテール、それでいて読みやすい。唯一惜しいと思ったことは、この1冊でストーリー自体は完結しているが、この一冊ではその壮大な設定を生かしきれておらず、また登場人物の説明が不足していたり、回収されていない伏線などがあること。それは外伝にて掲載されているようなので、そちらに期待したい。