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感想・レビュー・書評
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「言い知れない孤独」
残念ながら、おもしろかったな。
この作品が「おもしろい」って思えたことは、
自分もどっかで孤独なのかなと。
すみれは激情に駆られてミュウを愛した。
とっても理不尽で率直で孤独な愛。
でも、恋とか愛とかって制御できないから、
ときに独りよがりになることもある。
あと村上春樹の作品に性愛はたびたび出てきまして。
昔はいまいちピンとこなかったけど、最近はいやによく分かるようになった。
やれやれ、大人になったのか、それとも大人になりそびれてしまったのか。
関係ないけど、やれやれって使いたいよね。
まぁとにかく、ストーリーはもとより比喩表現とかリアリズムが最高に心愉しい作品なのは間違いない。
おすすめ。 -
ロシアで発禁になった小説の中に村上春樹のこの小説何あったので何故か気になって読んでみた。
村上春樹春樹の小説は軽快に読めるのと心を気持ち良く撫でてくれる感覚が好きで都合に応じて読んできたが、このタイトルは存在を知らなかった。
それにしても彼がロシア政府の気に障るような小説を書くとは信じられない。それは彼自身の姿からも、読んできた彼の作品からも、、、。
まぁ、結論から云うと、ロシアはタイトルと村上春樹何日本のいや世界でも有名な作家だからこの作品を発禁のリフトにあげたことが確認できた。
作品はいつもながら愉しく読めた『旅の道連れ』か。
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【我々の不完全な人生には、むだなことだっていくぶんは必要なのだ。もし不完全な人生からすべてのむだが消えてしまったら、それは不完全でさえなくなってしまう】(文中より引用)
22歳のすみれは17歳年上の女性ミュウに猛烈なまでの恋心を抱く。すみれに好意を寄せる「ぼく」は、その好意を直接に伝えることができない。ある日を境にすみれはミュウのもとで働くようになるが、ミュウはすみれに自身の秘密を話すようになり......。著者は、最近ではラジオも好調な村上春樹。
「あちら側とこちら側」など、村上春樹作品に通底するモチーフが散見されるなと改めて気付かされる読書になりました。シニカルだけど愛おしい会話の数々も魅力的ですし、後半の展開はどこか日本の怪談話を思わせるような趣がありました。
これぐらいの中編をまた書いてくれないかな☆5つ -
スプートニクのように人間っていうのは常に旅を続けて、その中で人と出会うというのは奇跡でそれは一瞬の出来事なのかなと思った。二度とすれ違うことは無いと思うと辛い。
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再読。文庫本にて。
空港とホテルで一気読み。
初回も読みやすかったけれど、2回目はそのつもりでいたからか、もっと入り込めたかも。
あちら側の世界、あるかもね。
あちら側の世界のワタシ、なにしているんだろう。 -
読み始めて、ついに村上春樹も女性を主人公にした小説を書いたのか、と思ったのだが、やはり一人称はいつもの「僕」なのだった。
が、純粋なラブストーリーであるという点で、村上作品の中では異色とも言えるかも。
これもいつもの「あちら側」と「こちら側」の話になるが、ミュウの観覧車の話はなかなか強烈な印象。
ファンタジックなギリシャの島での出来事から、主人公が担任するクラスの生徒の話に切り替り、急に現実感を帯びる落差がなかなか妙味。 -
スプートニクという言葉について…
ロシア語で(衛星)という意味。
この本では「旅の連れ」と訳されていた。素敵。
村上春樹氏の本は生々しい表現の抵抗感が拭えず、敬遠してきたのだが一冊くらい読んでみようと思って手に取った。
主な登場人物は、ぼくとミュウとすみれの3人で完結しており、内容はミステリ要素を含んでいる。
前半の比喩表現と性描写をさらっと流し読みすると、楽しく読みやすくなる。
それぞれの人物の話がバラバラな時系列で進むので話が飛びやすく、今は誰の話をしているのか分からなくなるので注意が必要だった。
人間関係のすれ違いを惑星と惑星の距離に例えているがとても分かりやすく納得できる。 -
本棚の中で一番、繰り返し読んでいる一冊。 仕事に疲れたとき、コーヒーを淹れてゆっくり休みたいとき、必ずスプートニクの恋人を開いて癒しの旅に出ます