- Amazon.co.jp ・電子書籍 (142ページ)
感想・レビュー・書評
-
又吉さんの作品を読んでみようと思ったきっかけは、又吉さんが書いた中村文則さんの「何もかも憂鬱な夜に」の解説を読んだ時だった。
「何もかも憂鬱な夜に」を読み終わった後に大好き過ぎて興奮してたけど、何がどう良かったかは言葉では表現出来ないモヤモヤな気持ちで、又吉さんの解説を読むと、僕の感じた細かいところまで淡々と文章に書けて、読んでものすごく気持ちよかった。スッキリしたし、共感してくれる人がいるとわかった時の嬉しさもあって、この時初めて又吉さんの文章を読んだから、じゃあ、あの火花は読む価値あるなとあの時思った次第だ。
実際に火花はとても素敵な作品だった。常に人間を観察して、思考して、時には角度を変えて見るとか、そうじゃないととても書けない作品だった。細かい表情や仕草を描写を使って人の心理を反映する書き方とか、とても初めて書くとは思えないくらい素晴らしかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
内在的論理を知るにはすごく良い。人がどのように考え行動するのか。この本を読んでいたら、ファンのナイナイ岡村も、ラジオでの失言は無かったと思う。
-
やっと 借りれました。
しかし 私にはあまりよくわからなかった。
人の心や お笑いの内容などが 丁寧に描かれていましたが その笑いの つぼが 私には はまらなかった。
そおいえば
過去の芥川賞作品の
「蹴りたい背中」「蛇とピアス」も
難解でした。
芥川さんの作品も私には難解です。
きっと 読み込む毎に 味わいが深くなるのでしょうね。
-
ずっと読みたいなあと思っていた又吉の火花、芸人として泥沼の生活もそこから這い上がる過程もその先の華々しい光も全て体感してきた又吉だからこそ書ける芸人の見る世界を、ここに全てぶつけてやる!という気迫が感じられる作品だった。
退屈だ、オチがよく分からない、面白くないと散々な素人意見も多くある。
しかしそもそもこれは純文学である。
ストーリーの起伏やどんでん返し、芸人を描いているからと言って爆笑させられるようなものを期待している人が多すぎたようだ。
これまで芥川賞の作品など読んでこなかった人達が、やれ芸人が小説を出した、やれ芸人が芥川賞を取ったと色眼鏡で読まないでほしい。
しかし本の帯が「300万人が笑って泣いた、アホで愛おしい青春物語、待望の映画化!」などと全く作品の良さをねじ曲げた誤解を与えるキャッチコピーを引っ提げてしまったのが大きな原因であるから100%無理解な読者が悪いというわけでもない。
泥臭く汗臭く笑いを求めて必死で生きる芸人のリアルな姿に心を打たれる。
またハーモニカ横丁など、東京の下町のノスタルジックな世界観に生活水準の低い生活を送る芸人達のリアルな姿を投影した美しい表現に惹き込まれた。
映画も見たがうまくその下町の風景やリアルな生活水準の高いとは言えない芸人の生活を再現していて全く作品と違和感を感じる点もなく映画化は批評も多いが失敗だとは思えない。
しかし小説での火花の私が好きなシーンのひとつで、徳永の汗と涙と唾の迸る怒涛の世界を覆す漫才に涙を流して拍手を送る神谷さんのシーンが映画になかったのが唯一残念であった。
又吉の太宰治を崇拝する作風と芸人として生きてきたからこそ描ける世界がこの作品に全てぶつけられている。
批評を飛ばすならむしろこれからではないだろうか。
芸人以外のモデルで又吉はどんな世界を描くのか。
今後の作家としての又吉の作品が楽しみである。 -
★3.5(3.50)2015年3月発行。5年前の芥川賞作品ということで、何度か読もうとしたが、なかなかお笑い芸人の世界にはついていけず、毛嫌いしていました。その後、著者は、オイコノミアや色んな番組に出演しお笑い芸人というよりは、ちょっとした文化人という感じでしたね。それもどうやら膨大な読書量に裏付けられていて、3000冊の本と2800枚のCDを持つという著者。凄いですね。この本自体は自伝のようであり・・・。井の頭公園が出てくるので、親しみを持って読めました。お笑い芸人の世界が垣間見ることができました。
-
いつか読みたいな・・・と思っていたら、電子書籍化されたので。
不器用だけど一生懸命?清々しいわけでも、抉られるわけでもないけど、もやもやする読了感。
人は、その一瞬一瞬、目や耳から入る情報を自分なりに解釈して、その時一番適切だと思った反応をする。なのに、器用だとか不器用だとか、その人らしいとかそうでないとか、いつの間にか、周りからもそして自分からも評価されて、その積み重ねで自分が出来上がってしまう。なぜだろう。なんて考えてみたり。 -
芸人で本書ける人のいいところが詰まった作品だと感じました。
-
読んだ本 火花 又吉直樹 20231129
この本が出た日、会社の先輩に「これから会議だから、10時に着で本屋行って火花買ってきてくれ。なくなると困るから10時着な」と言われ、いい年して使い走りした思い出があります。そんな時に限って違う先輩にこれどうなってんのなんて10時過ぎちゃって、全速力で本屋に行ったら山積みのまんま、ピラミッドの模型のようでした。浜松町の駅中の本屋に会社さぼって買いに来る奴なんか居るわけないだろう。大体そこまで欲しかったら予約するだろう。なんて思いながらピラミッドの頂点をレジに持っていきました。
そんな経緯が原因ではないんですが、なんとなく手に取ることなくきました。たまたまYOU TUBEで又吉の話を聞いてたら、なんか飾らない感じに好感を抱いて読んでみたくなったんです。
思ってた以上に読み易くて、なんかYOUTUBEの又吉の通り優しい感じがしましたね。なんか登場人物に残酷になり切れない。悲しみや報われなさを描きながらどん底には落とさない。初めての作品だからか、そういう作風なのか。また別のを読んでみよう。