永い言い訳 [DVD]

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監督 : 西川美和 
出演 : 本木雅弘  竹原ピストル  藤田健心  白鳥玉季  堀内敬子 
  • バンダイビジュアル (2017年4月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4934569647269

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永い言い訳 [DVD]の感想・レビュー・書評

  • 2016年 日本 124分
    監督:西川美和
    出演:本木雅弘/竹原ピストル/藤田健心/白鳥玉季/堀内敬子/池松壮亮/黒木華/山田真歩/深津絵里
    http://nagai-iiwake.com/

    売れっ子作家の衣笠幸夫(きぬがささちお)=モックンは、美容師の妻・夏子(深津絵里)にいつも髪を切ってもらっている。髪を切った翌日、学生時代からの親友ゆき(堀内敬子)と山形へ旅行に出かけた妻の乗ったバスが雪道で湖に転落、彼女らは亡くなるが、そのとき幸夫は妻の留守に乗じて愛人(黒木華)を部屋に連れ込んでいた。

    西川美和は、人気原作等に頼らずオリジナル脚本で商業的成功も可能な上に素晴らしい映画を撮れる数少ない監督だけれど、本作でもその力量は圧巻。冒頭の、髪を切りながらの夫婦の会話だけで、幸夫の高慢で自意識過剰なわりに卑屈で自己肯定感が低く他者に攻撃的な性格と、そこそこ売れっ子作家である幸夫の立場、自立しながらも献身的な妻の幸夫へのあしらい方、すでに冷え切っている夫婦関係、でもまるで我侭息子と母のような二人の関係をあますところなく描いていて凄い。

    とにかくこの幸夫のクズっぷりの表現エピソードが上手く、そしてそれを演じるモックンの上手さときたら!なまじイケメンで頭も良いだけにナルっぽく、でも外面だけはいいお調子者、しかし妻や編集者などにはネチネチとしつっこく嫌味や愚痴を言い、酔うと余計なことまで言ってしまう幸夫の性格が、好き嫌いは別にしてとにかくわかりやすく観客に伝わる。

    一方、夏子と一緒に亡くなった親友ゆきの夫・陽一は直情的で単細胞で声の大きいトラック運転手。およそスマートとは言い難い男ながら、妻に対する愛情いっぱい、妻の死にストレートに悲しみを表現する純情一途な男。普通なら絶対に友達にはならないこの陽一と幸夫、そして陽一の子供たち(小6男子と幼稚園女子)の世話を幸夫が引き受けたことで、奇妙な疑似家族が構成されてゆく。

    男としてかなりクズな感じの幸夫だけれど、思いがけず子供の相手は上手く、繊細な息子ちゃんとも、まだ頑是ない娘ちゃんとも、結構ちゃんと打ち解けられるし、ここだけ切り取るとかなり素敵なおじさんだ。その実、幸夫の無意識下には亡くなった妻に対する罪悪感のようなものがあり、若い担当編集者(池松壮亮)に指摘されたように、母を亡くした可哀想な子供たちに優しくすることで妻に対して贖罪する気持ちもあったのかもしれない。

    しかしそれだけでなく、もっと複雑な葛藤があったのだと思う。自分のような人間の遺伝子を残したくない、妻だって俺の子供を産みたくなかたはずだ、と頑強に言い張る幸夫が、接してみれば案外子煩悩だったというこの自己矛盾。妻の死を泣けなかったのは、彼女への愛が冷めきっていたからではなく、生前妻に感謝することをせず愛人まで作っていた自分に嘆く資格などないという気持ちが強かったのもあるだろうし、ただただ認めたくない、現実を認識できない彼の弱さもあったのだろう。陽一を励まし、子供たちを慰めながら、実は自家撞着をおこしていたのは幸夫自身のほうで、そしてテレビカメラの前でそれを噴出させてしまった場面よりも、家族のだんらんの場面で悪酔いしてしまった場面のほうは本当にハラハラした。

    実は幸夫と同じく、母親が死んだときにある理由で泣けなかったと言う陽一の息子の言葉が、実は逆に幸夫を救ったのではないかと思う。クズでゲスで最低だけど、どこか滑稽で憎めない幸夫を演じたモックンはもちろんのこと、出番は僅かながら相変わらず抜群の透明感で本心を読ませないまま逝ってしまった夏子を演じた深津絵里の存在感が素晴らしかったです。子役ちゃんたちも可愛かった。

  • 集中して見入った。
    大切な人が亡くなって泣けるか涙が出ないか。

  • 小説は未読。
    この映画に神の視点は無く、主人公の幸夫が見た・聴いたことしか分からない。妻が死んでも泣けなかったって、そりゃそうだ。だって泣くには、何も知らなさ過ぎる。ただごっそりと滑り落ちた過去に対する不安感が全編に横たわっている。
    幸夫はクズ男の見本のような人間。周りのことは見ようとしないのに、世間の評価に怯えている。(幸夫の行動を見ていると、自己嫌悪も一種のナルシシズムだと実感する。)生活の舵を、妻が良い方向に取ってくれることにも気付かない。
    妻というシェルターに甘えて生きて、失くして、ポンと世間に放り出されて初めて、ほんとうの孤独の恐ろしさを感じる。先の人生の途方もない永さに尻込みする。
    そんなとき夜のタクシーで、自分と近しい孤独を抱える真平に、その家族に、次のシェルターを見いだす。同じように突然家族を失い、その一人分、家族という箍が緩んでいたので、そこにするりと入り込めた。ほんとうの家族のように。
    疑似家族に縋る幸夫の危うさは、薄氷を履むというには繊細すぎるけれど、泥濘の上のベニヤ板を歩いている感じ。落ちたらみっともなく泥まみれになるから、こわごわ歩いているような。それでも他者と触れ合い、世間という不特定多数ではない、「誰か」の中にいる自分を感じて、疑似家族に逃避以上の意味を感じていく。
    いつまでも妻の死を引きずる陽一を叱責するシーンがあるけれど、陽一がしゃんとして、一家がまとまって行くほど、紛れ込んだ幸夫が異分子だと突きつけられる。その事が、恐ろしくてたまらなくなり、自分から破滅的に飛び出してしまう。
    最後に真平と、事故を起こした陽一を迎えに行った帰路、真平は陽一のトラックに乗るけれど、幸夫は乗れない。辿る道は同じでも、ほんとうの意味では同じになれないことの象徴的なシーンだ。
    行き道には確かに居た一人分の空席を感じて、帰り道はきっと寂しい。その孤独を埋めるものが、物書きとしての自分だと思い出してペンをとる。今書かなくてはいけない、と。
    過去の墓標に妻と、陽一一家が笑う写真を掲げて、幸夫は物書きとして、自分の足で、破れかぶれでも生きていけるようになったのだと思う。

  • 普通の人間のちょっぴり見られたくない部分を抉るのがうまい西川監督らしく、妻の死という哀しいテーマなのに、少し滑稽で、きれいごとにしないところがリアリティがあって好きでした。

    自分の後ろめたさを隠すように妻に嫌味をい続けるとこや、妻を失うと自分のことが何もできないほどなのに、他人の家庭に一生懸命関わって自分の背負っているはずの十字架を少し軽くしてみたり、、後から色々なことに気がついてそれが手遅れだったり、、
    西川監督はとことん男の弱い部分とか、嫌らしい部分をまるで胸のなかをメスで切り分けるかのように描き出すので、男性は観ていて少しソワソワしてしまうかもしれない。

    人はみんな完璧に良い人にはなれなくて、小賢しかったり、ズルかったり、残酷だったりすることもあるけど、そんな自分の過去の行為に蓋が出来ないから、なんとなく他で良いことしたりして自分に対して言い訳をしているところがある。だから永い言い訳ってこの映画の幸雄くんだけじゃなくて、みんなにとっての言い訳の物語なのかな。少し自分もドキッとさせられました。

    キャスティングかとてもよくて、特にとと姉ちゃんで青葉ちゃん役してた子役の子の演技が自然体のうまさで驚きました。

    子供の演出も含めて、今までの西川監督の映画の中でも是枝監督色の強い作品で、役者そのものの素材とか本質をしっかりと活かした脚本なので、勿論好き嫌いが、あると思いますが、個人的にはすごく好きな作品です。
    深津絵里さんを、美しく映していた映像が印象的で、特別に泣かせるシーンはないのに随所で涙が出ている自分に気がつきました。

  • なんでやろう涙が流れる。

  • 少し長く感じたので、退屈なところもあったなぁと思います。まぁそういうペースの映画だから仕方ないか。

  • 夫婦って。いるのが当たり前になるってコワイな。子供たちが可愛かった。
    面白かった。

  • 妻を亡くした悲しまない主人公の
    ずーと悲しい話。

    昔話や童話のような印象も。

    女性の登場回数は少ないし、
    結婚してない人や、同じような境遇を持ってないと、
    見ていてもつまらないかもしれないが、
    邦画の枠だけじゃなく、世界中に通じるデキだと思う。

    本木の出演作の中でも、ずば抜けた作品だし、
    やっぱり西川監督は、旨い。

  • 西川美和監督•脚本•原作、2016年作。本木雅弘、竹原ピストル、堀内敬子、深津絵里出演。

    <コメント>から
    •映像のディテールにこだわりがある映画。それがなかなかの演出。
    最初のシーン。夏子に髪を切ってもらった後、スマホで浮気相手からの連絡を確認する幸夫。
    夏子が部屋に戻るなり慌ててカウンターにスマホを置くが、ストラップが揺れて夏子は浮気相手と連絡していたことに気づく。

    「悪いけど、後片付けは、お願いね」

    直接には髪を切った後片付けのことだろうが、
    二人の関係を整理する決意も含まれ、ラストシーンの遺品整理に通じる。

    •離婚ではなく、事故死による別れ。話し合いや納得する間もない。しかも不可逆的な別れ。すべてが今さら遅い、を突きつけられる別れ。

    •ラスト近く、1人電車で幸夫が小説の走り書き。「人生は他者」と。
    自我だけで人との関係を保てないことだろうが、やや一面的な言い方。人との関係性は自我と相手方とのキャッチボールだろう。人生が他者になる生き方で面白いはずがない。コミュ障なのかと思う。自我に振り子が振り切れていた幸夫が、ニュートラルに戻す限りでの真理。

    •それにしても西川美和はいいね。男の心理に、深く広く、かつ細かくイマジネーションを働かせることができる人。そのエネルギー源はたぶん、内面に秘めた強いエロティシズムではないかと思う。

    <あらすじ(ネタバレ)>
    人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(本木)は、妻•夏子(深津)に悪態をつき、彼女が旅行に出ると不倫相手を家に呼ぶ。が、夏子は親友(堀内敬子)とともに旅先でバスが転落し、亡くなる。
    親友の夫・陽一(竹原)は大いに悲しみ、幸夫と接触、幸夫はその子供たちの世話を始め、他人のために生きることに幸せを感じ始めるが、所詮は他人。子の誕生会に呼ばれた幸夫は、学芸員の鏑木のつてで子らの世話ができる話に激昂し、子らの世話を止める。
    陽一の交通事故、子とのふれあいなどを通じて、本当に愛すべき人は誰だったのかを幸夫は知る。

  • 人生は他者だ。

  •  人生は他者だ、という言葉がストンとハマった。 誰かの存在が鋳型となり、自分は存在していて、同じように、自分もまた誰かにとっての鋳型の一部なのだ。 自分が鋳型でならなければならない人にとって、自分がそうなっていないとしたら、それは、その人にとんでもない空虚感を与えていることになる。 そのことに気付くまでの過程、気付いたからこそ訪れる深い後悔、そして同じく気付いたからこそ残る少しの救い、それらがオフビートなトーンながら優しく丁寧に描かれていて、心に響いた。

  • 是枝裕和監督との競作だろうか。「海よりもまだ深く」への批評として撮ったのだろうか。
    女性監督が撮ったという感じが始終漂っていた。というのは、すべての演出が「具体」から始まっているから。
    対して、「海よりもまだ深く」は、ある理想から始まり、具体を目指している感じがした。
    その点、本作は、「海よりも」よりも、決して解決には至らない人間心理の負の部分、きれいごとでは片付けられないところをを描けていると思った。
    また、本作品が持つ欲望として、本作はBLだ。

  • 「自分を大事に思ってくれる人を、簡単に手放しちゃいけない。
    みくびったり、おとしめたりしちゃいけない。
    そうしないと、ぼくみたいになる。
    ぼくみたいに、愛していいひとが、誰も居ない人生になる。
    簡単に、離れるわけないと思ってても、離れる時は、一瞬だ。そうでしょう?」

    というセリフがある。
    これとても良くわかります。
    大事に思ってくれている。
    自分も大事に思っている。
    からこそ、
    その人が離れていってしまう時のことを考えて
    その時、深く傷つくことが怖くて

    「あんなやつからは自分から離れてやったんだ」

    という予防線を張るために
    「みくびったり、おとしめたり」
    しようとする衝動にかられるんですよね。
    ほんと自分勝手でしょうがないけれど
    そういう風に思って”しまう”ことがある。
    けどそれは絶対してはいけないこと。
    その葛藤がすごくよく描かれていたなーと思います。
    ・簡単に手放してはいけない
    ・みくびってはいけない
    ・おとしめてはいけない
    本当に大切なことだと思う。

  • 西川美和の映画はディアドクター以来2回目かな。
    なるほどね。
    原作も読んだけど、映画になってちゃんと完成という感じかな。
    原作の感想でも書いたけど、やはり登場人物達がなんとも嫌いである。
    この嫌いな人たちを見事に良いキャスティングで作ってくれたなと。
    ただ、原作ほどの嫌いさはないかな。
    だいぶマイルドになってたか。
    ダメな人間達のダメなりの頑張りというか、踏ん張りというか、ダメな人たちがダメじゃなくなろうとするのではなく、ダメなままで踏ん張っていこうというかそんな感じが非常によくできていた。
    良い映画だったと思う。

  • 妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。

  • 私は西川美和監督作品が好きなんだと確信した。
    浮気をしていた間に事故死した妻。主人公は、小説家としてのプライドが高く、酒癖も悪い、最低な男で、悲しみや罪悪感にまっすぐ向き合うことができない。そんな彼が、何かを償うように(あるいは現実から逃げるために)、他人の子どもたちの世話をすることで心の安らぎを得てゆく様を描く。人間の心の奥の黒い部分、繊細な心の揺れが描かれた素晴らしい作品。
    コラージュのような撮り方だと思った。会話や出来事を脈絡なく撮しているようで、ひとつひとつが意味深。(あかりちゃんが死にかけの蝉を眺めているシーンがぱっと入ったりとか。)
    子どもたちが良い味を出している。特に真平くんが父親に反抗するシーンは演技も台詞もぐっとくるものがあった。
    大宮さん(お父さん)は一瞬怖い顔をしてからにこーっと笑ったりするのでちょっと怖かった。あれも意図的な演出なのでは。妻の死をまっすぐ悲しむことができる大宮さんと、幸夫は対照的に描かれている。
    ラストはあっけなく終わり、拍子抜けした感じもした。しかし後でよくよく意味を考えたら、あれは遺品整理の場面。妻に髪を切ってもらったハサミを眺める神妙な眼差しからは、妻を悼む気持ちが垣間見れる。ようやく妻の死と向き合えるようになった、という意味だろうか。

  • 2017/06/11
    衣笠のダメっぷりが、ちょっと愛おしかった。
    ダメダメだけど、愛してくれる人が必ずいる。
    そんな人を絶対に離しちゃダメだ。

  • 『永い言い訳』(西川 美和)

    小説家衣笠幸夫は、バスの事故で妻夏子とその友人大宮ゆきを喪う。この事故がきっかけで大宮ゆきの夫である大宮陽一とその子供たち新平、灯(あかり)の生活に、身を投じることになって行く。
    自分では家族を持つことを避けてきた彼が、この家族との関わりの中で変化、成長していく(子どもの目を通して新しい世界が見えてくる)

    本木雅弘演じる衣笠幸夫は、どうしょうもない男だという印象をもたされるシーンが初めから続けて表現されていく。妻(深津絵里)にまるで子供のように、我を出す振舞いをし、彼女の死後には自分の世間的評価を気にしてエゴサーチをしまくる姿、出版社のメンバーとのお花見の席での暴言、きわめつけは大宮陽一の家で、今まで仲良く生活していた子供たちを前にして「子どもはいないほうが幸せかもしれない」と語る姿。こんな輩が人の心に響く小説など書けるはずがない。(出版社の社員が言っていた通りだ)

    たしかに、妻を喪った悲しみや、実は妻の愛が自分にはひとかけらも向けられていなかったという事実を突きつけられることは辛いことかもしれない。でもそれがそう言った彼の振舞いを助長していくことの「言い訳」にはならない。

    だが、この衣笠幸夫の振舞い表現を許してしまうほどに、ラストの彼の言葉が私の心を打った。
    大宮新平の父が地方で事故を起こしたというので、その父を迎えに向かう電車の中で、新平に語る言葉だ。この言葉は、幸夫自身の心から湧き上がってくる言葉だけど、父を蔑んだ目で見つめていた新平にとっても突き刺さる言葉だった。
    『自分を大事に思ってくれている人を手放しちゃいけない。
    見くびったり、貶めちゃいけない。
    そうしないと僕みたいになる、僕みたいに愛していいはずの人が誰もいない人生になる。
    簡単に離れるわけないと思っていたのに
    離れるときは一瞬だ。』

    このシーンの前に新平が父陽一に蔑みの言葉を投げつけるシーンがあるが、ここは自分の心がヒリヒリした。
    〜〜自分にも同じ経験があるからだ、学校で学ぶことがままならなかった父に向かって放たれた蔑みの言葉は、父に私の将来に期待していたものをまったく予想もしていなかった奇形の異物として映してしまったことだろう。「あぁなんてことをしてしまったんだ」〜〜

    それまでは、親子であっても普段一緒にいて面倒を見てやれない大宮一家、そこには交われない薄い壁が存在していて、心から叱ったり、感情を吐露したりすることができないでいたが、このとき初めて、陽一は親父になれた瞬間でもあった。




    最後に衣笠幸夫は何故ひとりトラックとは反対方向に歩いて、電車に乗ったのだろう。いろいろなことが想像される。
    衣笠幸夫(本木雅弘)
    夏子(深津絵里)
    大宮陽一(竹原ピストル)
    ゆき(堀内敬子)
    新平(藤田健心)
    灯(白鳥玉季)
    愛人 (黒木華)
    マネージャー(池松壮亮)
    2017/06/07

    竹原ピストル/藤田健心/白鳥玉季/堀内敬子
    池松壮亮/黒木 華/山田真歩
    松岡依都美/岩井秀人/康 すおん/戸次重幸/淵上泰史/ジジ・ぶぅ/小林勝也

  • 子役かわいすぎる

  • 邦画だからこそできる、繊細な心の描写とストーリーで、「泣く」といった単純な感情表現よりも、もっと複雑で苦しい幸雄の描写が生きた作品。

    妻が事故で死んだ時、彼は部屋で不倫の真っ最中だった。愛も冷めていて、ただ、突然20年連れ添った妻が居なくなり、戸惑う自分がいる。
    全く泣かず、それほど凹まず。作家のスキルを活かして葬式のスピーチはもっともらしく振る舞い、その後はネットでエゴサーチ。
    人間の汚いところ、弱いところを巧みに演出している。

    傲慢で偉そうに編集者に当たったり、モノを投げつけたり。
    いるよなあ、こういう人。
    でも、そんな一見最低の男である幸雄が、本当に根っからの悪いやつじゃなくて、彼なりの繊細さや優しさも持っている。
    人一倍繊細で、傷つきやすくて、自尊心も強い、感情表現が苦手な不器用な人間なだけなのだ。

    妻とともに亡くなった友人の一家で主夫として家事を手伝い、子供達とも仲良くなる。彼らの生活の中で支えになりながら、「人と交わること」で得られる温もりのようなものを思い出す。
    そんな行為を、マネジャーからは「子供達の面倒をみるのは最高の免罪符だ」とズバリ指摘を受ける。
    幸雄なりに妻の死は辛かったが、不倫もしていて最低な自分であるのもわかっていて、そんな状態を受け入れる、昇華するための罪滅ぼしなのだ。

    とはいえそんな自分が、実は妻に愛されていなかったことが分かるメールが見つかり、さらに家族にとっても「要らなくなるかもしれない」というシチュエーションが出てきた。急に不安になり、不器用になり、本音だが言ってはいけないことをぶつけてしまう幸雄。
    これまで素晴らしい関係を作ってきたのに、最後までどれだけ不器用なんだ…。

    自暴自棄に再びなった幸雄だが、家族の危機に再度呼び出され、そこで素直な本音を。
    「自分を大事にしてくれる人を大切にしないとダメだ。そうしないと、僕みたいに誰も愛せなくなってしまうんだ。」
    なんという、脆く、そして確信的な一言。彼の不器用さは、やはり、そういった免罪符の中で生まれてきていたのだ。

    最後は妻とのストーリーを本に書き、みんなと幸せになり、エンディング。本の中では「人生は他者」という一言。これも深い。
    不器用な幸雄が、人と関わり始めるような一歩目なのだろうか。

    憂だ感じや、感情表現がとつとつとしているところ、妙に男前なところ含めて、モッくんが最高にハマリ役だった。
    竹原ピストルさんや子役の2人も上手い。
    すごく、よい映画。

  • 幸夫のクズっぷりが凄まじいものの、翻って自分が共感できる部分が多々あり。

    クライマックスの電車内シーンは本当に素敵でした。

    人生の大事なものについて考えられる、素晴らしい映画。

  • 原作を読んでいてとにかく見たかった映画でしたが


    残念ながら、近くの映画館でやっていなくてDVD鑑賞になってしまいました。



    本木さん演じる衣笠のダメっぷりがいいですね。

    かっこいいし、かっこういい仕事もしているけど、人間的には全くダメという男。

    それが妻の死によって、めっきがはがれるようになっていき

    そのダメさが際立ってきる。もうその道程がたまらなく愛らしいです。



    出てくるキャストすべてが愛すべきキャラですが

    一番が竹原ピストルさんが演じる大宮。

    妻を失い、二人の子供を育てないといけないその現実を背負った

    悲しみと困惑、それを十分すぎるほど感じさせてくれます。

    実際に自分だったらと考えずにはいられない、胸が締め付けられる思いです。



    原作もよかったけど、映画もよかった。

    原作者と映画監督が一緒で同じ世界観で描かれているのがまたいいです。

    西川さん、最高です!

  • 主人公のモッくんの、
    相手の言いたそうなことを先回りして考えてしまう、人との向き合うのが下手なところが
    自分と重なって、見ながら自分の胸が痛かった

    主人公が人と向き合うことを知った時、見えてくるものがあるんだけど
    その答えははっきり描かないところが、西川美和だなと思う


    この前に見た、是枝監督の「海よりもまだ深く」の主人公とは真逆なタイプのダメ男で
    比較すると面白いんじゃないかと思った

  • 誰の立場も感情移入することができて、刺さる言葉がいくつもあって痛かった。

    かっこ悪く見える人物も憎めず、全体に暖かさを感じるもののわかりやすい結末はない。
    「続きは自分で考えなさいね」と言われてるような…人生ってそういうものかなというような。ゆっくり消化しようと思います。

  • どうして大切なものは気付いた時にはもう失ってしまうのだろうか

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