キラーストレス 心と体をどう守るか (NHK出版新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 厚生労働省が発表した統計によると、
    躁うつ病にかかる患者は94年時では43.3万人、
    14年時では111.4万人と、
    20年で2.6倍になっています。
    認知件数が増えたというよりも、やはり社会環境の変化によって
    、絶対数が増えたと思います。
    日本社会は、ますます利便性を追求していますが、
    その歪みが、個人が受けるストレスとして、
    多くの日本人に精神疾患の増加として、現れています。

    ストレスで、うつ病になる。
    (ある見方では)うつ病は、慢性ストレス性精神疾患と言います。
    よって自分にふりかかるストレスが何なのか、見極め、そして
    日々の生活習慣を見直す必要があります。

    この著作では、まずストレスチェック(ライフイベントにおける)
    を行うように勧めています。
    このチェック表は、かなり使えると思いました。

    項目によって、ストレス指数が全然違います。
    不謹慎ですが、配偶者の死などは、感じるストレスの中で、
    最も高い部類に入っています。(また不謹慎な言い方ですが)これを知っていれば、
    似たような状況になった場合の対策を講じることができます。

    そして、ストレス対策として、
    コーピングや運動
    マインドフルネス
    を取り上げています。

    コーピングなら(一つの方法として)、自分にとって、
    気分が上がる行動をリストアップし、
    実際に行動して、10点満点で採点する。
    得点が高ければ、それは自分にとって、ストレスを軽減できる、
    行動となる。

    そして、そのリストを意識的に増やしていくようにする。
    自分のストレスを「観察」する習慣、そして、
    「対応」するという意志と行動を徹底的に行なう。

    ストレスキラーの背景にあるのは、
    もはや、誰も自分も守ってくれない、
    自分の身は自分で守らなければいけないという
    社会状況になっているからだと思います。

    職場などで発生するパワハラ(いじめ、いやがらせ)などは、
    増加し続けています。

    いついかなるストレスが来るかわからない。
    カラダの健康に気をつけて、
    バランスの良い食事を心がけるように、

    普段から精神の健康を保つために、いかにストレスと付き合うか、
    という、今の日本人の誰もが考えなければいけないことへの、
    対処療法が、分かり易く書かれています。

  • NHKスペシャルの 番組で見た事ある人も多いと思いますが
    私は見ていないので 読んでみました。

    ストレスというと
    嫌な事が 頭に浮かぶのですが
    どうやら 最近の研究では 
    ストレス=嫌な事 ばかりではないのですね。
    良い事もストレスになるようです。(例えば 結婚とか出産とか)

    ストレス=変化 という事のようです。

    この本の中(番組の中)では
    ストレスが 増えると キラーストレスが発生して
    死に至るという事を突き詰めていきました。

    ストレスは 受けた後 それを思い出したり 
    また 同じ事が起こるのではと想像したりする事によって ストレスを 何度も受ける形になってしまう。
    更に 何か起こるのではと 未来に備えて考えると
    それまた ストレスとして 脳に刺激が与えられてしまう。

    ストレスに 強い、弱いは 遺伝子の影響もあるようです。

    子供時代に受けた ストレスは大人になった時に ストレスに弱い人になる事もあるようです。

    ストレスが多いと 風邪をひきやすいとか。。。。

    悪い事ばかりではなく。。。
    緑茶には 気分改善作用があるので 緑茶を飲んでる人には うつ病の人が少ないそうです。 

    緑茶だけではなく  生活習慣や 食べ物を改善する事によって ストレスを軽減できるようです。

    そして ストレスが生じた時の リフレッシュの方法を沢山考えておけば ストレスを受けた時に すぐに対応できるので 良いそうです。

    普段から 色々物事を考えるのでは なく
    今を感じる事に 注意を払うと ストレスが軽減できるそうです。

    結局 ジーン・ウエブスター の 言葉につきますが。。。。
    「幸福になる 本当の秘訣 それは現在に生きる事 
    いつまでも過去の事を悔やんだり 未来を思いわずらったりしていないで
    今この瞬間から 最大限度の喜びをさがすこと」 
    (注:↑20年以上前の自分のメモなので多少違う言葉かもしれません)
    ですね~~
    今はこの事を科学的に解明できましたが
    昔の人って ちゃんと わかっていたんですね~~~
    すごいですね~~~

  • 本書の出だしだが、魚にもストレスがあることが、本書を読んで一番驚いたことだ。
    マインドフルネスについて、本書に記載されている実験の結果ではおどろくほどの短期間でストレス低減効果が認められるが、本書を読む前から日常に取り込んでいる感想として、本書のようなすごい効果はあまり実感できていない。
    ただ、何らかの大きな感情が動かされた瞬間に、今の自分の状況をふっと見下ろすのは(本当にストレスかかると息が浅くなるんだな、心拍数があがっているぞ、など)効果があると感じる。
    ストレス解消法を羅列するのは面白いかも。やってみたい。

  • 魚もストレスでうつになる!え!?
    そりゃあ人間ならなおさらだわ。
    ストレスとは「変化」だそうです。だから、良いこともストレスになる。ストレスチェックのリストには、「結婚」「昇進」「個人的成功」「収入の増加」なんでのもある。そういうストレスが、積もり積もると命を脅かす「キラーストレス」になるのだそうです。

    普通のストレスが、キラーストレスになっていく過程と、キラーストレスがどのように体をむしばむのか、を科学的に明かしていく。
    ○「我慢するストレス」が続くと、ストレスホルモンのコルチゾールが、脳を破壊する。
    ○過去や未来についてあれこら考えを巡らせてしまい、脳の中で自らストレスを生み出してしまうマインド・ワンダリング(心の迷走)もも脳をむしばむ。スマホはマインド・ワンダリングを加速させるという。あ、今まさに…
    ○ストレスに強い脳弱い脳がどのようにつくららるのか。
    ○ストレスホルモンが免疫細胞のOFFスイッチを押す。
    ○ストレスによって、細菌が血管内に入り込みやすくなる。虫歯菌が脳の血管を破る!え!?
    などなど、恐ろしいです。

    ではその対策は?
    1.脳を変化させる運動と病を防ぐ食生活
    2.ストレスを観察し対処するコーピング
    3.瞑想などで「気づき」、現実に注意が向いた状態を作るマインドフルネス
    この三つを心がける。

    自分ではストレスと感じていない塵ストレスも定期的にほろってやらなければ、山となる。換気扇と一緒ですね。いつの間にかダメになる。
    コーピングリストは100項目あると良いというので作りました。
    普段の心がけ食事運動コーピング
    定期点検そして不具合発生時のマインドフルネス

    最近、「がんばらない〜」というのがよく目につくけど、そうじゃなくて「がんばっても大丈夫」を作らなきゃならないんじゃないかな?ストレスはなくならないし、がんばらなきゃいけない場面ってどうしても出てきませんか?ストレス耐性を作る過程で、がんばらない〜があってもいいと思うけど。

    終章には「ストレスから子どもを守る」がある。未来を担う人たちがストレスをうまくあしらう事ができるように、この章も大事です。

    3年前の記事を読んで、ストレスは「変化」という認識が結構役に立っている。コーピングリストをもう一度見直してみよう。

  • ストレスとは何か?
    それは変化であると言えるらしい。
    いいことでも、悪いことでも、大きな変化があったとき、人はストレスを感じる。
    だから、「結婚」「成功」もストレスになるのだ。
    そして、残念なことに「生きている限り、ストレスがない状態はあり得ない」という。

    この本には具体的なストレス対策が書かれていて、大変参考になる。
    コーピングやマインドフルネス、特にマインドフルネスはぜひとも、実践したい。

  • ストレスが命を奪うこともあるだろうな。常日頃からストレスを軽減する活動をすることが大切なのだな。マインドフルネスなどが日常的にできそうだな。

  • 文字通り、ストレスにどう対処するかを書いた一冊。

    実際のストレス対処法としてコーピングやマインドフルネスなどについても触れており、とても実践的だった。

  • ストレス・怖い、脳がここまで傷つくとか考えたこともなかったし、幼少期の経験が何十年も経ってから出てくるとは、これはまさに……。ストレス解消法を100以上、なんとか作り、自分を救わないと……。

  • NHKらしいんですが、読むとくらくなりますな。

  • ライフイベント ストレスチェックをすると、1233という数字が出た。 300点以上が評価の基準になっているけれど。やばいな。

    ここに書かれている”ストレスは「変化」である”とは、確かに。振り返るとこの一年は特にさまざまな変化があった。良いことも悪いことも、変化は何らかのプレッシャーになっている。対処法としてのコーピングと行動認知療法は、無意識にそれらしきことをしていた感がある。長らくそうやって対処してきた。しかし、今はそれでは対処しきれない場面も出てきていて、悩み中。マインドフルネスの方向へ向かうべきか。まずは風呂の中でやってみよう。

    ライフイベント ストレスチェック→
    http://www.nhk.or.jp/special/stress/01.html#check

    本自体は、体験談のようなものではなく、ストレス研究の事例を調べに研究者を尋ねる内容が多いため、少し中弛みしてしまった。ニュースで気になっていたJAXAのストレスチェックの被験者公募の話が出てきた部分は別として。

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著者プロフィール

戦時中、旧満州で密かに細菌兵器を開発し、実戦で使用した731部隊。731部隊はどのようにして生まれ、そして医学者たちはどう関与していったのか。新たに発掘された旧ソ連で行われたハバロフスク裁判の20時間を超える音声記録、元隊員の資料や当時の学術界の膨大な記録から、731部隊設立の謎に迫ったNHKスペシャル『731部隊の真実』(2017年8月13日放送)、BS1スペシャル『731部隊 人体実験はこうして拡大した/隊員たちの素顔』(2018年1月21日放送)は大きな反響を呼んだ。

「2023年 『NHKスペシャル 戦争の真実シリーズ3  731部隊の真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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