一人交換日記 (ビッグコミックススペシャル) [Kindle]

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  • 小学館
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感想・レビュー・書評

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  • 真人間は一体何考えて生きてるのかちゃんと説明してほしい

  • 作中にめちゃくちゃ出てくるワード「さびしい」が、わたしが持っている、知っている「さびしい」という感情とは違うもののように思えてならない。こんなに追い詰められるほどさびしかった覚えはないし、親からの自立を目指して一人暮らしを始めたのに結局実家が恋しくて戻ってしまうというのもわたしにはその気持ちぜんぜんわからない。わからないけど、そういう人もいるんだなと思って読んだ。何をどうしていくのがこの人にとって最善なのかはわからないけど、こういう自分の私生活を晒け出す、自分の暗部を切り売りする形の創作活動を続けていくのなら、この人はきっと自身の病理は(無意識だろうと)手放さないのだろうなと思った。しんどいつらいむりと毎日苦しんでいたとしてもそれ自体がアイデンティティみたいになってしまっていて、これを手放したら手放したで自分じゃなくなってしまった感覚でどのみち苦しんでしまうのではと(見知らぬ人間からのひどい横槍だとは思うけど)思った。
    とりあえず、「さびしい」の強度は凄まじかったし、それをここまで絵にアウトプットできることはこの人の技術であって才能であると思った。

  • 「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」の人の二冊目。
    一人で交換日記ってどういうことなの…?って思ってたけど読んでからなるほどなぁって思った。交換日記と言われると首を傾げるけど、こうやって自分に語りかけながら日記を書く人も少なくないんじゃないかと思う。

    うつ病を患った事は無いけど前作のレズ風俗レポも今作の一人交換日記も心に刺さるところが多すぎて引き摺られて気持ちが憂鬱になる。永田カビさんが私の初のコミックエッセイだったけどエッセイって凄い。

    「自立とはなんでも一人でやることじゃないそうだ」「依存できる先を増やして、一つ一つの依存先への依存度が低い状態が自立していること」この辺すごく目からウロコだった。中でも外でも、自分の居場所を増やしていくことって大事なんだなぁ。
    自分と周囲の人を大切にしようと思える一冊だった。

  •  「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」が気に入ったので、追いかけてみた一冊。
     ネガティブの部分を煮詰めて濃縮した感じの救いのない描写は、読んでいてつらくなるレベル。
     前作では、煮詰まって煮詰まってぐるぐるを解消するために、「風俗」という救いがあったわけよね。
     今作でも、時折「救い」はなくもないけれど、ぐるぐるのほうがメインの描写になっている印象。
     や。著者が、ぐるぐるしていたからぐるぐる描写なんだろうけどね。
     一人交換日記という体で、一日を十数ページの4コマ風の漫画エッセイ的な描写で、自分から自分へのメッセージな感じ。
     次回作は、もう少し幸せ描写が読みたいので、著者には幸せになってほしいです。

  • 前作も読んだけど今作も分かりすぎてつらい(分からんところも勿論あるんだけど)

    スタート地点でやってることは割とめちゃくちゃな手順だったけど、そのめちゃくちゃな工程の踏み方が、なんだか分かるんだよなあ

    自分の感情や思考の幼さを再確認しては漫画に綺麗に落とし込んでいて、やっぱり上手いなあと

    小さな子供みたいだった精神年齢が少しずつ実年齢にアップデートされていく、成長を見守っている感じがした

  • 自己肯定感がないゆえに他者を心から愛せない苦しみ。母娘の共依存の苦しみ。「依存先を多数持ち、それぞれへの依存度が低く保たれているのが自立した大人」という記述が胸に響いた。

  • 【素直な人】
    前作も拝読させていただきました。”全ての家族は愛し合ってて家族は愛のある場所、という考えは、これ以上強固にならないでほしい”という言葉をパブリックに発信できる人は、果たしてどれだけいるだろう?私も同感だし、それに憧れた人でした。精一杯足掻いているリアルを公開してくれて、ありがとうございます。カビさんのものさしで”幸せ”になってほしいです。

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著者プロフィール

大阪府在住の漫画家。著作に「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」「現実逃避してたらボロボロになった話」(イースト・プレス)、「一人交換日記1、2」(小学館)、「迷走戦士・永田カビ」(双葉社)がある。

「2022年 『膵臓がこわれたら、少し生きやすくなりました。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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