フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書) [Kindle]

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  • NHK出版
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感想・レビュー・書評

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  • 具体的な症状は出ていないものの、いくつか身に覚えがある個所があり、改善しないと悪化するのではと身につまされる。最適化、シンプル化、ルーティン化の方向だけではだめで、いろんな観点で刺激を受けて脳の働きを維持しなくてはと決意した。

    ・「ボケの予備軍」としてのフリーズする脳
    ・不意に言葉に詰まる、物忘れをする
    ・「まぁいいや」が人をボケさせる
    ・パソコンにカスタマイズされる脳
    ・ネット依存と「思い出す力」の低下
    ・人の話が聞き取れない、頭に入らない
    ・血流の問題、脳を損傷している可能性
    ・クリエイティブな能力を失うとき
    ・「逃げたい心」が思考を止める

    新しい組み立てをしないという、条件反射ではない人間なれではの機能を使わないことによるフリーズ。加齢ではなく、新鮮さに触れているか。目の焦点を動かさなくなるのは危険。思い出さないからひらめかない。聞くべきことを聞き取る。ハードウェアとしての脳の健康。クリエイティブは雑多な経験から。意志を持ち、複数の環境に身を置く。

  • 思い当たることめちゃくちゃあった……

  • ブログに感想を書きました。

    https://budougumi0617.github.io/2021/09/24/review_frozen_brain/

  • インターネットやSNSが普及し、便利な環境になった今、その便利さが仇となり脳を使えなくしている。脳はボケるようにできている、年齢は関係ない。脳のバランスは感情と思考の相対関係で成り立っており、ちょっとした刺激で優位になる感情をいかに思考を使って癒すか。感情的になりすぎて「フリーズ」しやすくなっている脳を、頭を使って冷静にしてあげるテクニックは目から鱗。

  • ・8/26 読了.確かに筋肉と同じで脳も使わないと衰えていくのが最近実感できる.覚えることより忘れることの方が早いからまた読書を再開しないと.

  • お医者様が自分の経験と知識から「ボケ」の入口とその対策について書かれた本。
    患者のエピソードが豊富な一方で、一般向け新書だけに引用文献などはない。著者の主張やエピソードは一見説得力を持つように見えるが客観的根拠はほぼ書かれていない。

    一般向けの本なので根拠を書かなかっただけで、実は根拠があるかもしれないが、本書だけではそれは読み取れない。
    内容や主張そのものは興味ぶかかったのでそこが残念だった。

  • 書かれたのは古いのに、内容はものすごく新しく感じる。

    脳の使い方が偏っている面がある。本人も気づかないうちに「何か」をしなくなっていることがあるのです

    など、自分の頭の使い方が偏ってしまっていることを指摘されているような気がした。
    時々、美術館や動物園に行ってみたりして、違うものに触れるのがいいのだろう。もしくは趣味を増やすか。

  • 読了日 2020/12/11

    kindleの読み上げ機能+黙読で読了。
    参考文献のリストがあるとよかったな。
    面白い本だったので、著者の外にも文献が広がっているともっと説得性が出ると思う。


    目次
    はじめに──「ボケの予備軍」としてのフリーズする脳
    第一章 不意に言葉に詰まる、物忘れをする
     脳神経外科医としての経験から
     ボケに向かっていく悪循環
     普通の人たちがボケていく
     フリーズは脳からの危険信号
     私たちは何をしなくなっているのか
     人間を人間たらしめている前頭葉
     新しく組み立てている部分があるか
     「できていた自分」のイメージ
     管理職になって脳の使い方が変わった
     フェイントにかかりやすい人になる
     「後で部下に説明させます」ということの意味
     みんなが笑っているときに笑えなくなる

    第二章 「まあいいや」が人をボケさせる
     何を話しているのか分からなくなる
     酔っぱらいはなぜ「止まる」のか
     カーナビが代行している脳の仕事
     記憶を引き出しやすくする方法
     「お気に入りに追加」して終わりという習慣
     頑固になっている人は要注意
     できあがりすぎている環境は危ない
     脳機能の低下と加齢は必ずしも関係ない
     新鮮に感じることを持っているか

    第三章 パソコンにカスタマイズされる脳
     ボケ症状の患者さんが治っていくときには
     表現を豊かにすることの大切さ
     目を動かさないとボケてしまう
     一日中パソコンに向かっている仕事は危ない
     高速道路を走り続けている状態
     意識して目のフォーカス機能を使う
     立体感への対応が脳を動かす
     会話は脳の広い範囲を使う
     機械であることを求められている仕事
     パソコンにカスタマイズされる脳
     日本にいながら時差ボケを起こしている
     朝一時間歩くだけでも脳は活性化される
     音読は脳のバランスを整える

    第四章 ネット依存と「思い出す力」の低下
     インターネットと物忘れの関係
     ネットで調べた知識は忘れやすい
     ネットは「何でも答えてしまう奥さん」
     「知っている」ということの概念が変わった
     思い出せなければひらめかない
     ネット依存に陥っていくメカニズム
     「物をよくをなくす」「探し物が見つからない」
     「部屋の片づけ」は高次脳機能の訓練になる
     中高年のネット依存が増えている
     検索エンジンの特徴的な機能
     思い出す努力が「検索する」に代わっている
     ネットショッピングで同じものを買ってしまう
     ネット依存を克服する効果的な方法
     目標を持って人生を変えていく
     ラジオの効用を見直す

    第五章 人の話が聞き取れない、頭に入らない
     「カクテルパーティ効果」が使えない
     大切な情報は聞き分けなければ取れない
     物忘れではなく聞き取れていない場合
     一日中イヤホンをしている生活
     無意味に言葉を頭に入れようとしている
     脳の使い方に問題があることを自覚する
     読み書きは聞き取る力も鍛える
     母子や子どもたちの会話に聞き耳を立てる
     言語体系が違いすぎると聞き取れない
     転職が一般化している社会の問題
     優秀なビジネスマンの才能

    第六章 血流の問題、脳を損傷している可能性
     血流に問題があると脳機能が低下する
     ハードウェアとしての脳は大丈夫か
     口うるさい人がしゃべらなくなるとき
     加速度的に症状が進行していくときは危ない
     子どもの頃のケガが原因でてんかんに

    第七章 クリエイティブな能力を失うとき
     「仕事ができなくなった」「才能がなくなった」
     仕事が単純化されすぎている
     クリエイティブな能力は脳機能の総合力
     雑多なことをしていたからできていた
     企画書が資料の丸写しになってしまう
     アイデアはゴミの中から拾うもの
     なぜ「仕事は忙しい人に頼め」なのか
     大きく育った木はそれなりの地面を持っている
     細部にこだわって全体が見えなくなる
     「もういいよ」と言ってくれる上司
     脳の使い方を変える必要があるとき

    第八章 「逃げたい心」が思考を止める
     脳の中に「感情系」という動物を飼っている
     脳の問題はバランスで考える
     感情系の刺激を思考系の問題に置き換える
     ときには「まあいいや」と思うことも大切
     脳の成長、親と同居することの意義
     環境から逃げるとボケに向かってしまう
     活動はマルチにしておかなければいけない
     やる気も環境によってつくられている
     感情的な人は極端に走りやすい
     人がボケていくときの典型的なパターン
     「意志をもった歯車」でいることが大切
     現代人に不可欠な脳の自己管理

    あとがきに代えてーー脳の若さを保つには

  • 不安に感じてたことをまさに説明きてくれていた。日々、人間としての能力を劣化させないよう気をつけていきたい。


    以下引用

    カ ーナビの話が典型的ですが 、私たちは便利な道具を使いこなすことによって 、より高度な活動をするようになったというよりも 、今まで自分の脳を使ってやっていたことをやらなくなってしまった 。そういう面の方が大きいのではないかと私は感じています 。

  • 「脳はボケるように出来ている」。老齢化で脳味噌が壊れていくという話ではなく、スポーツの練習で体が覚えるように脳神経細胞は、省力化するのが性質で、それが災いとなり、脳がフリーズするというお話。
    脳については、池谷裕二さんの本でそれなりに知識を溜めていたが、現職の脳外科医による患者さんの実例を挙げての説明は、納得するとともに池谷さんから得た話を裏付ける一冊。
    経年変化で脳細胞が壊れるのではなく、年齢による生活スタイルの変化が脳を休憩させてしまいボケにつながるのだと考えると、最近のベストセラーである「LIFE SIFT」でいう寿命が延び、従来の人生設計が変化するという話も、この脳の扱い方が重要になるだろう。
    世の中を動かす絶対法則の一つはエントロピーで、それに抗う方法は唯一、先に自ら壊して新しいモノをつくる事だと考えているが、脳神経細胞を健康に保つのもまた、常に新たな事をやり続けることだと、改めて認識。
    インターネットで、誰もが簡単に検索、知識を得られると思っているかもしれないが、その便利さが効率化したがる脳を助長して、ボケにつながるという。文明の発達もエントロピーになっているという恐ろしい話でもある。

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著者プロフィール

1950年愛知県生まれ。日本大学大学院医学研究科卒業。埼玉県立小児医療センター脳神経外科医長などを経て、公益財団法人河野臨床医学研究所附属北品川クリニック・予防医学センター所長。医学博士。脳神経外科専門医として1992年、脳疾患後の脳機能回復をはかる「高次脳機能外来」を開設。著書に『フリーズする脳』『脳が冴える15の習慣』『脳が冴える勉強法』『脳を守る、たった1つの習慣』等。

「2020年 『「冴える脳」をつくる5つのステップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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