淵に立つ(通常版)[DVD]

監督 : 深田晃司 
出演 : 浅野忠信 
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988021145916

感想・レビュー・書評

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  • 白か赤か
    善い人なのか悪い人なのか、どちらである、どちらにも見える
    浅野忠信の色の無さが、なんだかすごい

    相手のことを何も知らない
    人は本心を隠して時には偽って、自分の一部だけ表面に見せて生活をしているという、人にとって普通のことが、
    なんとも形容がしがたい恐怖と緊張になる

    なにげない純粋な善意が全て上滑りしてしまうのが、救いがなくてツラかった

  • スタートから、もう嫌な予感しかしない。
    楽しいシーンなんて1つもない。
    どんよりした雰囲気がへばりついてくるようで、嫌な気持ちになるのにもう見届けるしかない。そんな感じ。
    浅野忠信の気味の悪さは抜群だが、筒井真理子の静かな狂気がズキズキ響く。
    事件から8年経った後の夫婦の1つ1つの言動に始終どきっとさせられて、張り詰めた緊張感にもうこの家に普通の空気は戻ることはないのだと実感させられる。

    登場人物が皆関わっているようで初めから誰とも関わっていない、まるで分厚いガラスの壁の箱の中に入ったまま過ごしてるようでその独りよがりの世界が小さな業を増やしていく。
    普通の感覚持つ大半の人間が罪を持ったらなんらかの形で罰を受けなければ心がずっとうしろめさという十字架のせいでどんどんと蝕まれていくのだろう。
    ならばいっそ罪を罪とも思わないほどの人間のほうが幸せなのではないか。
    そう一瞬思っていまう自分に少しゾッとした。
    もっと語りたいけど語りたくない、深層心理が抉られてしまいそうになる不気味さで押しつぶされそうになる。

    エンディングの始めにかかるオルガンの音が不気味で心が落ち着かないままだ。
    もう二度と観ないと思う。
    だけど観れてよかったとも思う。

  • 浅野さんの存在感、異物感に目がいきがちだけど、ほんとにやばい(おかしいとか、悪いとかでは片付けられない、なんかいやーな感じというか…)のはこのお父さんなのでは…と思いました。
    とくに、後半で、浅野さんが犯した過去の殺人事件には共犯者がいたらしいということを奥さんに問い詰められて、わりとあっさり
    俺は足を押さえていたんだ。あいつは首を絞めた。
    と白状するのですが、私の感覚からすると足を押さえる側のほうがなんか怖くて。もし、浅野さんとお父さんの関係が主従関係なら、命令されて足を押さえたという可能性も考えられるから恐怖は感じなかったと思う。でもあの二人からはそれは感じず。え、じゃあ何で足を押さえてたの…?
    そんな淡々と告白しないで…
    その後の告白も凄まじかったな。自分の罪(殺人に加担したにもかかわらず逮捕されなかった)が、娘が重い障害を負うことで清算された気がしたからホッとした、と言うのですよ。さらに、浅野さんとややいい感じになりつつあった奥さんに、お前もそうなんじゃないのか?と言うんですよね。浮気に対する罰だとお前も思ってるんだろう、と。何その都合のいい解釈。殺人に加担と浮気(これ、私はほぼ未遂だと思う。それにあんなに空気みたいな扱いされてたら浅野さんに心惹かれるのも致し方なしって感じするし)じゃ重みが違うだろ。あれでもう、奥さんは心ぽっきり、パーーンですよね。てか、娘…娘ほんと可哀想じゃ。最後まで親に振り回されているところがね。
    足を押さえてた
    っていう告白と、河原で浅野さんが豹変するところ、クライマックスに奥さんが見る浅野さんの幻影で、浅野さんが真っ赤なシャツを着てるところ、ゾッとした場面です。

  • 「悪気のある男」によって破壊された家庭が、徐々に平穏を取り戻すかに思えたところ、「悪気のない男」の出現によって、再び破壊される。

    この夫婦が被害者然として振る舞えればまだしも、二人とも後ろ暗い秘密を抱えており、無間地獄に陥っていく。

    古舘寛治、筒井真理子、浅野忠信、それぞれが気持ち悪い芝居をしていて、それはそれで素晴らしいですが、何とも心のざわつく映画でした。

    BS松竹東急にて。

  • 暗〜い映画だった。常に不穏な空気が流れていて。
    オルガン、工場、白いワイシャツに黒いスボン プロテスタント。
    ムショ帰りの八坂(浅野忠信)が住み着くのがもう不穏。
    何かが起きる、よくないことが。
    筒井真理子と浅野忠信、古舘寛治の演技の上手さ。
    新人だった太賀もさすがの存在感。
    八坂の河原でも”ちいせえな〜”の独白。これが本音。
    初めてみせた八坂の本性。ゾッとしたわ。
    でも”約束を守る”ことを信条としている八坂は共犯者の利雄のことは絶対言わない。
    人は殺せても約束は守る男。この矛盾。
    一番の被害者は八坂を慕ってた蛍じゃない。
    なんであんなことしたんだろ。
    利雄の偽善に対する報復。
    浮気の代償が蛍の半身不随だなんて大きすぎる。
    そしてラスト、なに、みんな死んじゃったの。(利雄以外)
    結局、八坂は見つけられないまま。
    これ小説は映画と違うラストらしいから読んでみようかな。

    2016年 119分 日本映画チャンネル
    監督:脚本 深田晃司
    出演:浅野忠信 筒井真理子 古舘寛治 太賀 三浦貴大

  • 制作年:2016年
    監 督:深田晃司
    主 演:浅野忠信、筒井真理子、太賀、古舘寛治、三浦貴大、篠川桃音、真広佳奈
    時 間:119分
    音 声:日:ドルビーデジタル5.1ch


    郊外で小さな金属加工工場を営む鈴岡家は、夫・利雄、妻・章江、10歳の娘・蛍の三人家族。
    夫婦の間に業務連絡以外の会話はほとんどないものの、平穏な毎日を送るごく平凡な家族だ。
    そんな彼らの前にある日、利雄の旧い知人で、最近まで服役していた八坂草太郎が現れる。
    利雄は章江に断りなくその場で八坂を雇い入れ、自宅の空き部屋を提供。
    章江は突然の出来事に戸惑うが、敬虔なクリスチャンである章江の教会活動に参加し、蛍のオルガン練習にも喜んで付き合う礼儀正しい八坂に好意を抱くようになる。
    一方、八坂に負い目がある利雄は、家族の一員のように振る舞い、妻と親密な様子の八坂を見て見ぬ振りをするのだった。
    しかしある時、八坂は一家に残酷な爪痕を残し、姿を消す…。
    8年後。
    八坂の行方は知れず、利雄は興信所に調べさせているが、一向に手がかりはつかめないでいた。
    工場では古株の従業員・設楽篤が辞めることになり、代わりに山上孝司が新人として入ってくる。
    母を亡くして独り身の孝司は屈託のない人柄でたちまち夫婦の信頼を得る。
    だが皮肉な巡り合わせにより、八坂の消息をつかめそうになった時、利雄と章江は再び己の心の闇と対峙することになるのだった…。

  • アマゾンビデオ/日本/2016年/深田晃司監督/浅野忠信出演
    キッチリした丁寧なストーリー展開。礼儀正しい前科者が生活に入り込む。親子三人と彼の緊張感が漂う生活ぶりが興味深い。彼と奥さんは恋仲になるが、奥さんが最後には拒否する。それが原因なのか子どもが頭に怪我を負う。それまで丁寧な展開だったのがこの部分は描写がないので、違う解釈も可能としている。でもねぇ、そこをぼかして何か面白いところがあるのかなぁ。8年後に話がうつり、それまでぶっきら棒だった夫が人が変わったようにおしゃべりになっていたり、彼の息子が就職してきていたり、偶然落とした荷物の中から父親の写真がでてきたり、なんだか行き当りばったりに見える。きついことをいって、「ウソ。冗談」というシーンが2回もあるとシナリオも大丈夫なのかなと思う。最後飛び降り自殺というのも安易。死亡の確認を見せないのもなんだか。

  • 2018/5/16
    面白くはない。

  •  町工場を営む家族の元に夫の知り合いの男が住み込みで働きに来る。男は家族に溶け込むが、殺人の前科があり。。。

     演じる俳優達の雰囲気にただただ惹き込まれる。一人がすごいのではなく、みんなすごい。
     ただ、ストーリーがなぁ。。。なんか消化不良で終わるよなぁ。。。

  • 鑑賞後、非常にモヤモヤ感の残りました。そのモヤモヤ感は(まだ経験はしてませんが)残尿感みたいな、なんかスッキリとしないような、納得しきれないままに終わってしまった。

    浅野が起こした事件に古館が関わっている。その結果人を殺めて服役する。それがどんな事件だったのか説明のない。

    娘が頭から血を流し倒れている。父親の古館が見つける。そこに浅野が立ち尽くしている。浅野はそのまま消えてしまう。浅野が娘に何かをしたのか。たまたま、浅野がそこにいただけなのか。これも説明がない。

    途中途中で伏線と思われる場面はあるが、観た人が色々とこれはこうだと考える感じになっている。

    娘の事件から8年後に話は進んでいく。

    この映画には主に5人しか出てきません。(娘役が子供から大人に変わりますか゛)

    父親役の古館寛治。最近ドラマなどでよく見かけます。脇が中心です。会社の上司とかご近所さんの世話役みたいな主人公と良く絡みながらもストーリ的には影響しない役が多いかと。不思議な存在感と見た目のインパクトがかなりあります。名前を知らない人でも顔を見ると、あ、この人だって思うと思います。

    娘に大きく関わる母親役の筒井真理子。この方も古館寛治同様に脇での存在感が目立ちます。娘の事件から8年後、10キロ近く太った姿を演じてます。

    『ANTIPORNO』ではW主演。その時は脱ぎっぷりに関心しましたが、すごい役者さんだと改めて思いました。

    主演の浅野忠信は一見好人物と思わせながらも底に潜む闇をチラリと見せる。その闇がモヤモヤ感に繋がっているのかもしれません。その浅野の存在感が古館、筒井を引き立たせているのかもしれません。

    映画のコピー 「あの男が現れるまで、私たちは家族だった。」これに尽きます。

  • もやもやするんだろうなと思って観たら本当にもやもやして終わった。最後まで救われない。10あるうちの3くらいしか言わない映画、俳優さんが余白埋めてくれる感じ。ザ映画。

  • 浅野忠信演じる八坂の
    異様なほど
    真っ白なワイシャツ
    真っ白なツナギ...
    先に起こる狂気を予感させる

    人にひそむ狂気は八坂だけではないと思う
    黙りこくる夫
    それを放置したような妻との
    愛のない関係だって...
    信仰心があるのに
    八坂の過去の罪に涙しつつ
    どこか 歓びのようなものを見いだして
    踏み入っていく妻の態度だって...
    人間って
    複雑な狂気を隠し持っているなと
    思わせられる

    いたたまれない
    救いようのない
    8年後からの後半半分は
    なくてもいいのかもと少し思う

    ホラー映画見てるより
    ある意味 怖かった
    見疲れた...


  • 201710
    重い暗い、見るのもなかなかしんどい。
    フランスとの合作らしい。そう思って見るとそんな感じもする。
    映画らしい映画。

  • 深田晃司監督•脚本、2016年作(日仏合作)。
    浅野忠信、筒井真理子、古舘寛治、太賀、篠川桃音、真広佳奈出演。

    <コメント>
    •よく考えて作られているけど、重くて暗い映画。
    •合作でフランスが絡んでいるからなのか、投げっぱなしで回収しない仕立て。
    •八坂、敏雄、章江それぞれに非があるかに見えて、決定的シーンは描写されていない(八坂が蛍に何をしたか、敏雄が共犯になった殺人は何なのか、章江はハグとキスをこえて何かしたか、溺れた3人は蘇生したのか)。自業自得的な受けとめ方をされたくはなかったのだろう。この「宙ぶらりん」な不安定さは上手い演出。
    •それにしても、敏雄、なぜ結婚なんかしたのか不明。メシのときに新聞読むな、家族と会話しろ、人を雇う前に家族に予告しろ、勝手に家に住まわせるな。
    •敏雄が共犯者だと知って発した章江の言葉…「最低」
    章江のいい人さを示している。関係を切るつもりなら冷静に事実を聞き出すところ。負の感情をこうして小出しにするから先に進めない。
    •そういうディテールまでよく作り込まれた映画ではある。
    •以上、評価できる映画だが、好き嫌いでいえばキライな映画。

    <あらすじ(ネタバレ)>
    町工場を営む利雄(古館)のもとに、人殺しでムショ帰りの古い友人八坂(浅野)が現われる。敏雄は妻の章江(筒井)や娘の蛍(篠川)に無断で自宅に住まわせ工場に雇い入れる。章江はドン引きするが、知的で丁寧、低姿勢、しかも蛍にオルガンを教えてくれる八坂に心を寄せる。八坂は自分が人殺しで刑務所に入っていたことを告げるも、かえって章江は好意を増し、家族での川遊びで2人きりになると抱擁しキス。自宅に戻っても八坂は求め続け、章江は八坂を突き飛ばし転倒させる。ある日、八坂はオルガンコンクールから帰った蛍を連れ出す。帰りの遅い娘を探しに出た夫婦は、橋脚の下で頭から血を流して倒れる蛍と立ちすくむ八坂を発見。
    八坂は行方不明、蛍は脳障害となる。8年後、章江は蛍(真広)の介護、敏雄は仕事に明け暮れていた。そこに孝司(太賀)という、素直で熱心な若者が雇われる。ある日彼が、生活を共にしたことはなかったものの、八坂の息子であることを明かす。敏雄は伏せておいたが章江もそれを知り、さらに敏雄が八坂の人殺しの共犯だったことも知る。
    雇っている興信所から八坂の所在を知らされ、孝司と家族3人はそこに向かうが人違い。帰りの車中、蛍とベンチに座る夢から涙にくれて覚めた章江は、蛍のほほにも涙を見つけ、敏雄らが飲み物を買いに行ってる隙に車から出て橋から2人で川に身を投げる。追って探していた敏雄らは、投身後すぐ救助しようとする。河原に横たわった3人を敏雄が蘇生し続けるところで幕。

  • 本作の終部を見るかぎり、ものすごく残酷な結末だと思った。生き延びるべきではない人間が生き残ったらしいのだから。そこに本作の凄みがある。

  • 苦しかった。終わり方がこれまた苦しかった。どのように解釈したらいいんだろう。

  • HARMONIUM
    2016年 日本+フランス 119分
    監督:深田晃司
    出演:浅野忠信/筒井真理子/古舘寛治/太賀/三浦貴大/篠川桃音/真広佳奈
    http://fuchi-movie.com/

    郊外の町で小さな工場を営む利雄(古舘寛治)章江(筒井真理子)の夫婦と10歳の娘・蛍(篠川桃音)。章江は敬虔なクリスチャン(プロテスタント)で、夫には敬語で話し、食事の前には娘とともに必ず祈りを捧げ、教会のバザーの活動などにも積極的に参加している。ある日、利雄の前に、10数年前殺人事件を起こして服役、ようやく出所してきた旧友・八坂(浅野忠信)が現れる。過去のことを家族には明かさないまま、利雄は八坂を雇い自宅に居候させることにするが・・・。

    とにかく古舘寛治演じるお父さんがバカすぎてイライラする。寡黙とかっていうんじゃなくて、必要なことを必要なときに話さない卑怯な男だな、という印象がのっけからぬぐえず、最後までその印象はほぼ変わらず、むしろ最初はただマヌケなだけだけど、終盤さらに本人もクズだったことが発覚して最低。いや古舘寛治をディスっているのではありません、つまり上手いんですよ、そういう役なんです。八坂が前科者、ということを別にしても、ある日突然夫が初対面の友達を連れてきて「今日から彼ここに住むから」の一言で納得する妻などいないだろうし、ましてやまだ小学生とはいえ娘のいる家庭に胡散臭い男を同居させるなど、父親としてまともじゃない。どうやら利雄と八坂にはなんらかの過去の因縁があり(というよりこの場合、利雄側に借りがある)利雄は八坂を拒否できない事情があるにせよ、こんな悪魔のような男をうっかり家庭に引き込んだこの父親の罪は重い。

    一方、妻で母の章江を、クリスチャン設定にしたのは上手いなと。最初は八坂を警戒していた章江は、やがて謙虚で丁寧な彼の言動と、意外にも知的な会話、娘にオルガンを教えてやれる程度の教養に油断し、さらに夫が隠した前科を自ら章江に打ち明けた彼の誠実さを信じるようになり、そして敬虔なクリスチャンであるがゆえに「彼のような人にこそ神の救いは必要」と思うようになる。うんまあ偽善だし自己満足なんだけど、お人よしなんですね、私がこの人救えるかも、神よ見守りたまえ、みたいな気持ちになっちゃうのはすごくわかる。しかも夫との仲は冷え切ってるぽいし、娘も懐いてるぽいし、浅野忠信はこれみよがしに風呂あがりのギャランドゥみせびらかしてくるしで、章江はどんどん八坂に惹かれていってしまう。奥さーん、その男悪魔ですよー!

    結果、恐ろしい事件が起こり、八坂は姿を消す。後半はその事件の8年後。後悔と絶望の日々を送る夫婦の工場に雇われた若者・孝司くん(太賀)は実は・・・。

    すでに絶望の淵をふらふらになりながら歩いていた夫婦を、さらなるエッジの上に立たせる容赦ない追い打ち。もうほんと心の闇の崖っ淵。「淵に立つ」のタイトルが沁みる。夫婦の罪はどっちが重いとかじゃないのかもしれないけど、奥さんのほうはまあ未遂っちゃ未遂だし、やっぱり私は旦那が最低だと思う。罪の意識のありかたが、クリスチャンの奥さんと全く違うので腹立たしい。お前の罪はお前が償え(怒)

    筒井真理子の芝居はとにかくすごかった。テレビ等でも脇役でよくみる女優さんだけど、第三舞台の出身だったんですね。前半の明るくハキハキ活動的で、年齢のわりにスタイルもよくオシャレなお母さんの感じから、後半ではうってかわって、体型も服装もだらしなく、常に放心したような表情、執拗に手を洗い続け、それでいて本来の善良さはまだ失っていなくて、孝司くんの辛い生い立ちを聞かされるとやっぱりホロリとしてしまったり。自分で自分の頬を打つ場面、車の中で孝司くんに話しかけたときの表情など、ぞっとするような迫力でした。

    浅野忠信はもう、いるだけでホラー。すごい存在感。物腰柔らかく振る舞っていても、そのうち絶対なんか仕出かしそうなヤバイ空気満々。キャストそれぞれ熱演だったし、映画としてはとても濃い。ラストシーンは象徴的で、それでもやっぱり、若い二人に助かって欲しいと願ってしまうけれど、見終わったあと大変暗い気持ちになるので、完成度は間違いなく高いけれど、好き嫌い分かれそう。でもなんかすごい映画でした。

  • 2017/07/01

  • 終盤にかけての、ゆっくりと静かに終焉に向かっていく演出、背筋がゾッとした。
    うまく掴めないのだけれど、映画全体に漂う気味の悪さ、人間の怖さが120分にぎゅっと凝縮された見事な一本だと思った。
    食卓を囲むシーンが多く投入され、そこに“家族”の象徴を垣間見たのだけれど、どことなく異和感があり、観るたびに胸がさわさわとした。

  • 小さな工場を営む夫婦 鈴岡利雄と章江、そして娘の蛍の前に 利雄の知人 八坂が現れる。
    八坂は工場に住み込みで働くことになるが、彼には前科があり・・・。

    予想を越える投げっぱなしの終わり方に驚愕。
    浅野忠信あんたは一体何だったんだー!?
    筒井真理子さんの中年女性の役作りもすごかった。

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著者プロフィール

映画監督。1980年生まれ。大学在学時より映画美学校にて映画制作を学ぶ。2006年、中編『ざくろ屋敷』でデビュー。2005年、平田オリザ主宰・劇団青年団に演出部として入団。代表作に2013年二階堂ふみ主演『ほとりの朔子』(ナント三大陸映画祭グランプリ受賞)、2015年『さようなら』(東京国際映画祭メインコンペティション選出、脚本が第18回菊島隆三賞ノミネート、マドリッド国際映画祭ディアス・デ・シネ最優秀作品賞受賞)がある。2016年『淵に立つ』が第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞を受賞。

「2019年 『よこがお』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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