野村證券第2事業法人部 [Kindle]

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  • 「1億円しか持っていない人に2億円損させると、その客はもう自殺するしかない。かといってノルマの達成は必須だ。そうなると自分が客に示せる最大の誠意は、1億円や2億円損しても平気な人を選んで取り引きすることだった」

    上記は本書からの引用ですが、このような思考こそ、証券マンの人間性や倫理観、あるいは証券業界の驚くべきカルチャーを一言で示しているといえるでしょう。

    本書は、証券業界を知る上で欠かすことのできない大変貴重な資料ではないでしょうか。通常ほとんど知られることのない業界の内情を恥じることもなく明け透けに書きなぐってくれたご著者には、感嘆の念を禁じ得ません。こんな重要な素材を提供してくれたという意味で、本書には☆5つの価値があると考えます。

    ですが、書かれている内容自体を改めて振り返ると、「大事な客」など数多くの他人の善意や信頼をここまで踏み躙ることができるのか、と言葉を失う思いです。ですので、このような評価とさせて頂きたいと思います。

著者プロフィール

1954年、兵庫県出身。京都大学卒業後、野村證券に入社。オリンパス巨額粉飾事件で粉飾の「指南役」とされ金融商品取引法違反等の容疑で 2012 年に逮捕される。966日(約2年8ヶ月)の未決勾留の後、最高裁まで争うも全て有罪判決を受け、本書刊行時は横須賀刑務支所にて服役中。

「2020年 『宣政 元気ですか ー 人質司法966日を耐え抜いた母と息子の往復書簡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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