日本発「ロボットAI農業」の凄い未来 2020年に激変する国土・GDP・生活 (講談社+α新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 農業へのロボット、AI、IOT導入事例の紹介
    ただし、「2020年に激変」とあるが、現在(2022年)で個人的には知らない
    現状把握が必要

  • IT化の遅れる日本に対して最近は悲観的になっていたが、一方で農業の中においてはIT化が進み世界と戦っていこうとしていることがわかった。

    「過度に農家を保護してきたがために生産性向上がなされなかった」ことはアトキンソン氏の日本の中小企業批判にも繋がる話であり、批判されやすい菅総理の「自助・共助・公助」もこうした背景からの言葉なのだろう。

    他にも減反政策の影響で美味しいコメを作るようになったことや、精米してから時間が経つと不味くなることで日本のコメの海外評価が上がらなかったことなど、細かい雑学が得られた。

  • 農業人口は、1985年には、543万人から2018年には、175万人(専業農家)になった。33年の間に32%になった。175万人のうちの68%の120万人が65歳以上で、農家の平均年齢は、66.8歳となった。世界の農家の平均年齢を調べてみると10歳くらい若いが同じような傾向がある。日本の農業は、突出して高齢者が支えているのだ。あと数年すれば、団塊世代の集団離農が始まり、農業は大きな転換点を迎える。日本の農業がさらに衰退するか、それとも復興ができるかという大きな分岐点にある。この間の傾向でいえば、若者のわずかな参入と大規模経営が増えているということだ。
    稲作農家10ha以上層は1.4万戸。この稲作農家が増えていく傾向にある。また、大規模農家による生産コストは低減されてきている。それでも、外国のコストとはかなり開きがある。
    そこで、本書が説いているように、AIやビッグデータやIoT、そしてロボットを活用した農業(ロボットAI農業)が必要だと説く。果たして、それで農業の明るい未来が切り開かれるのか?
    上空に農業用ドローンが飛び、実っている稲の生育状況を把握して、クラウドを通じてロボットトラクターにその分析結果を伝え、肥料を散布する。(画像分析で、稲の生育状況から肥料を与える技術)さらに、病気や虫害に対して、ピンポイント的にドローンが農薬を散布する。畑では、除草用ルンバが雑草を刈っている。収穫する時期は、画像処理によりAIによって判断される。収穫時期にはロボットコンバイン。それは、昼夜問わず収穫できる。農業のGDPは、2017年当時約5兆円。2027年には、約6.5兆円となるという。
    ここで紹介されているのは、①茨城県のHATAKEカンパニー。ベビーリーフを中心とした野菜づくり。年商は10億円を越す。センサーを畑に設置して、地温、気温、湿度、日射量、潅水量を計測してコントロールする。②宮城県 アグリードなるせ。コメ、麦、大豆を栽培して、経営面積100ヘクタール。③新潟県 アグリ新潟。米つくり50年。水田40ヘクタール クボタのKSAS(食味センサーと収穫センサー)を使用して、収量アップ。④熊本のトマト農家。営農支援ツール・ゼロアグリ。ハウス内の地温、土壌EC、土壌水分量、日射量の計測。ビッグデータで、経験と勘から脱出。⑤新潟県 ファームおぎかわ スマートフォンで、水位、水温、気温、湿度、降水量をチェック。ドコモのパディウオッチ(水稲向け管理支援システム)⑥熊本県 内田農場約50ヘクタール パディウオッチ。⑦愛知県 鍋八農産 水田130ヘクタール トヨタが開発した農業経営管理スツール「豊作計画」でカイゼン。⑧京都 スキューズ ディープラーニングによるトマト収穫機。⑨東京 ベジタリア プラントクリニック ジャパンバイオファーム(有機農業の会員1000人)⑩北海道 ファームノート 畜産農家むけ営農支援サービス 牛群管理 ⑪ソフトバンク eカカシ クラウド型営農支援
    農家が収集するデータは、環境情報(気象、土壌、水)、管理情報(作業マネジメント)、整体情報(作物の生育状況)であり、それを解析して最適解を求め、品質と収量を安定化させる。
    まぁ。そう簡単に、日本の農業に明るい未来があるわけではないが、大きく展開する可能性はありますね。

  • 序章から2章の途中まで、今は結構現場には知られつつも、実用には問題があり、あまり普及していない技術でもある。
    それもあって、読む価値がないかな、と思いながら読みすすめていたのだが、2章後半以降のAI、知的技術、輸出の話になると興味がわく内容であった。
    少なくとも少子高齢化は解消の見込みが見えず、高齢者のリタイア・若手農家の大規模化も徐々に進んでいる現在、今の農業の形が維持されることがないのは明白である。
    減反は形を変えまだありつつも、範囲は絞られ補助金もかわりつつある。
    国もスマート農業をすすめている。
    2020年激変するは言い過ぎではあったが、2020年から20年30年先では筆者の言う通りに激変している可能性がある。
    そして、2020年の今ちょうど動き出しているというところか。
    日々技術は進歩する中で少し古い本ではあるが、読む価値はあった。

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著者プロフィール

窪田 新之助(くぼた・しんのすけ):農業ジャーナリスト。日本農業新聞記者を経て、フリー。著書に『農協の闇』(講談社現代新書)、『データ農業が日本を救う』(インターナショナル新書)など。

「2023年 『人口減少時代の農業と食』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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