裏世界ピクニック　ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA) [Kindle]

著者 : 宮澤伊織

• 早川書房 (2017年2月25日発売)

感想・レビュー・書評

[こだち@tl記録用さんの感想 · 2023年1月25日]

KUにて読了。めちゃくちゃ美しいワケアリJDに狂わされるオタクJDの百合。空魚と鳥子の二人とも過去がそれなりに重たいししっとりというかじっとりとした相互依存関係を構築する。冴月と小桜の関係も気になる。

[T.Horiさんの感想 · 2021年12月26日]

ネットロア×女の子という異色な食い合わせなのに、不思議とグイグイ読ませてくる。
恐怖と記憶を媒介にした認識の話などは、設定的にもワクワクする。

主人公二人の関係性は百合的な描写にも見えるけど、ロマンシス的な色合いにも見えた。
これは続刊で変わってくるのかもしれない。

2000年代に洒落怖にどっぷり使った人間には魅力的すぎる本だった

[Miraさんの感想 · 2021年1月12日]

ラノベっぽい軽いノリで、はじめはついていけるかなと思ったのだけど（しかもホラー系苦手だし）けっこうおもしろく読んでしまった。くねくね気持ち悪いな。
空魚が小桜に身の上を打ちあけるところが好き。すげー重い、特殊な過去なんだけど、それを自分ではどうってことないつまらない話だと思ってるの、いい。子どもって自分の家庭に閉じこめられているから、自分の家の特殊さってわからないんだよね。その感じはわかるしリアルだと思う。

読みながらどこか現代風遠野物語っぽいところがあるやんと思っていたら、ちゃんとネットロアという元ネタを拾っているんですね。おもしろいな。

空魚と鳥子の関係も少しずつ微妙に変化していくところがうまい。ちゃんとあとを引くようにできているのだった。

[長野別荘さんの感想 · 2019年3月9日]

This is 百合。
良い女とオタクという典型的な関係性だけどそれがいい。
空魚さんの意外なサイコパスっぷりが今後発展していくことを期待。
裏世界の描写も頭の中で描きやすく、読んでいて楽しい。

[alciraさんの感想 · 2018年7月29日]

認知面がおかしくなる恐怖ってヤバイ。絵はラノベなのに、読んでくとすげー怖い。意味不明なことを呟くところとか嫌すぎる。。
一定の法則に従ったフィルタを通すだけで、怖がらせることができる。というところは興味深かった。
小桜が自分が怖がりであることを伝えるために、遺伝子配列を説明しだすところが面白かった。

[diver0620さんの感想 · 2017年12月3日]

旅つながり本を探して見つけた。ピクニック！でも裏世界。都市伝説をネタにしたプチ・アドベンチャー。
独特の軽さで面白い。

[shohei0308さんの感想 · 2017年8月6日]

昔のネット、とか言うと老害くさいけど、90年の終わりから、ゼロ年代の前半まではネットはまさに裏世界だった。(今はリア充が跋扈する表世界となってしまったが)

ネットフォークロアを色々とまとめて読んだのは、良い思い出である。

裏世界ピクニックは、そうした想像力を思い出させてくれるそんな作品である。

共依存的な危ない関係、これを百合と呼ぶのか、それとも別の何かと呼ぶのか、この二人の関係がどうなるのか、先が楽しみな作品。

著者プロフィール

小説家。代表作に『裏世界ピクニック』（ハヤカワ文庫ＪＡ）、『そいねドリーマー』（早川書房）など

「2019年 『迷宮キングダム 特殊部隊SASのおっさんの異世界ダンジョンサバイバルマニュアル！』 で使われていた紹介文から引用しています。」