テミスの剣 (文春文庫) [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
3.96
  • (44)
  • (108)
  • (51)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 551
感想 : 67
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (379ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ああ恩田さん尊敬してたのに
    鳴海はお咎めなしかい!

  • 冤罪をテーマにした作品。
    自分の身内が冤罪で殺されたとしたら自分は受け入れることができるのか、何十年経っても恨みの気持ちは消えないだろうな。

    冤罪はあってはならないけど、犯罪者を取り逃すようなこともあってはならないからバランスが難しいね。

  • 冤罪事件から始まり。真犯人の逮捕、関係者の粛清を経て、真犯人が何者かに殺されその背後にいたのは…?
    大ドンデン返し!的な触込みやったけどかなり早い段階で結局この人しかおらんやんって絞り込めてしまってあんまり面白いと感じられなかった。
    唯一、渡瀬の若い時代やったんや、って繋がったのだけが良かったかなと。

  • 豪雨の中、ホテル街の中にポツンと建つ不動産業の裏で高利の金貸しをしていた夫婦が殺され、金庫の金が盗まれた。
    ベテラン刑事鳴海と若手の渡瀬が組み、一人の青年を自白に追い込んだ。
    青年は裁判で死刑判決を受け、上告も棄却され自殺した。
    その後、別の殺人事件で逮捕した容疑者がこの事件の真犯人と判明。
    渡瀬は360度敵に包囲されながら冤罪を暴露した。

    昭和から平成に亘って四半世紀に及ぶ物語は殺人事件に端を発した、正義と権力とは何かを問う物語だった。
    誤りを正す痛みよりも身を護ることを最優先に隠蔽しようとする警察、検察、裁判所という組織の泥沼。
    やはり出世するには清廉ではいられないのだな、と絶望の壁の向こうに透けて見える渡瀬刑事の佇まいに微かな希望を抱かずにいられない。

  • 中山先生ならではのどんでん返し!!ただ今回は
    あまりスッキリせず…何故だろう、入り組みすぎてたかな笑

  • う〜ん、中山七里の作品らしいなという感想。まるで007の映画のように、彼の小説はどれも外れはないし、いずれも水準以上なのだが、これといった傑作がなく、佳作止まりといったカンジだ。
    本作も途中までは快調に飛ばしたが、徐々にトーンダウンして、なんだか尻窄みに終わってしまった。
    あと、第一部で圧倒的な存在感を放ち、冤罪を作り上げてしまった張本人である刑事が、その後ほとんど出てこなくなった点は、なんとなく消化不良に感じてしまった。
    悪くない作品、というか面白い小説であることは間違いないが、積極的にまわりに勧めるほどではないというのが率直なところ。

  • 冤罪に関する話。というか中山七里の渡瀬シリーズ。

    ラブホ街の不動産屋が強盗殺人にあった。
    不動産屋は裏稼業で高利貸しも行っており、その客が犯人と思われ、証拠も捏造して死刑にした。

    別件逮捕した強盗殺人犯と手口が似ていたことから、冤罪が判明。
    公表したところで誰得だったが公表し関係者のきなみ首になって。

    その20年後、真犯人が出所即殺害された。犯人は被害者遺族だったが、唆したのは検事正。女優を強請って不倫してた過去があり、最中に殺人事件を目撃してたが、話せず。冤罪も気付いておきながら。

  • 読みやすい内容だった。
    最後のオチがあまり衝撃的じゃなかった。もう少しアッと驚く内容だったら良かった。

  • 強盗殺人事件の冤罪をテーマにしたミステリー小説。
    状況証拠しかない中での自白の強要、証拠の捏造など、冤罪が出来上がる過程が丁寧に書かれている。
    証拠の捏造はやり過ぎだけど、自白強要のために暴力を振るったりは昔は普通にあったのだと思う。

    冤罪で難しいのは、現場の刑事や検察官、裁判官はむしろ犯罪者を憎み、仕事熱心であること。
    だからこそ、それぞれの正義が行き過ぎてしまい、こういう悲劇が生まれる。

    冤罪をなくすには、システムそのものを変えない限り無理なんだろうと思う。

    最後にどんでん返しもあって、ミステリーとしても面白かった。

著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中山七里の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×