田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」 タルマーリー発、新しい働き方と暮らし (講談社+α文庫) [Kindle]

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  • 講談社
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感想・レビュー・書評

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  • 文庫で読了 単行本の時から気になっていた本。

     これは脱サラしてパン屋をはじめたという話というよりは、経済学の本です。しかも反グローバリズムです。なにせ田舎を強調しているくらいですから。でも、内容は難しくなくスラスラ読めます。

     利潤を追求しない、事業(規模拡大)もなし。自分たちでやれることだけやる。完全自然志向、人工物無添加で天然素材を使用。だから商品単価は当然高くなる。価格競争では勝負にならないが、他にない商品価値をつける。そこで商売が成り立つ。

     この本では、「小商い」と言ってますが、いわゆる「お店屋さん」、うちらの地方で言う「店っこや」をやる。家族的経営、家内制手工業の世界です。いまそういうところは、少なくなってきましたね。

     うちの近所にさかな屋兼雑貨屋さんがあります。商品をポリ袋にいれるのではなく、古新聞で包むという昔懐かしい商店。儲けはたぶん少ない思います。そういえば、最近は買ってません(すんません)。後継者いるんでしょうか? ぜひ続けてほしいんですけど。買いに行きます。

    このタルマーリーというパン屋ですが、本の出版から時が経ち、クラフトビールを製造するため移転してます。

  • 単行本からの4年を経て再読。数年前、鳥取県智頭町に店舗を移したタルマーリーにも行き、著者の方に挨拶しお話を伺ってきた。

    この話で出てくる「菌本位制度」や「発酵」は教育とも親和性が高い。
    改めて再読しつつ、また新たな気づきや発見が絶えなかった。次は続編の方を読んでみる!

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著者プロフィール

1971年生まれ。東京都東大和市出身。23歳でハンガリーに滞在。25歳で千葉大学園芸学部入学。農産物流通会社に勤務後、 31歳でパン修業を開始。2008年千葉県いすみ市で、自家製酵母と国産小麦で作るパン屋タルマーリー開業。10代にパンクバンド活動で培ったDIY精神から、起業後は自力で店を改装。2011年岡山県に移転し、野生の麹菌採取に成功。2015年鳥取県智頭町に移転。パンの技術を応用し、野生の菌だけで発酵させるビール醸造を開始。著書に『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』(講談社)、『菌の声を聴け』(ミシマ社)。

「2022年 『撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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