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感想・レビュー・書評
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森田真生『数学する人生』の発刊が2016年。本書はその8年前の2008年に発刊されている。著者は数学者で九州大学教授の高瀬正仁。著者の専門分野と岡潔の専門分野がどれくらい重複しているのかは分からないが、数学の専門的な内容にも踏み込んで書いている。それを私はほとんど理解できないが、岡潔の研究に対する葛藤だけは伝わってくる。
岡潔のことを知りたくて本書を手にした。岡潔という孤高の数学者の輪郭はわかった。しかし、それ以上に著者の文才に驚いた。数学者でこれだけの文才があるのは稀有ではないか。数学の専門的な内容がわからなくても読めたのは、文章の巧みさによる。
数学を突き詰めると狂気に至る可能性がある。岡はその瀬戸際まで行った。いや、ときに狂気に至った。その中で数学的発見を成した。さらに、後世まで読み継がれるエッセイや対談を残したとはまことに稀有な数学者であった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
数学は情緒であると言う数学者・岡潔の人生と彼の成した数学的偉業がいかにして取り組まれたかを事細かに説明をしています。孤高で孤独な創造的仕事の悦びや苦しみの軌跡を辿ります。よくここまで調べたなあ、と著者には脱帽です。
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