Kindle版読了。
ヒーローにヘッドハンティングされて百貨店の外商部員からホテルスタッフへと転職した真面目で頑張り屋の27歳ド庶民ヒロインと、ヒロインの上司で普段は穏やかな紳士だが、本性は策士系腹黒ドSな32歳御曹司ヒーローとの両片想いすれ違いストーリーです。
両片想いのジレ恋すれ違い展開は、見てる分には美味しいです(笑)。
物語の舞台は名古屋です。
現代設定のTL小説だと東京が舞台のお話が多いような気がするので、東京以外の場所が物語の舞台なのは新鮮でした。
読む前はタイトルと表紙のイメージから、もっとドタバタしたオフィスラブコメを想像していたのですが、実際に読んでみると予想よりしっとりとしたラブストーリーでした。
前半はヒーローの目的も分からず、ストーリー展開もこれと言った盛り上がりもなくあまり面白くなかったのですが、ヒロインが莫大な株の相続人だと判明してから俄然、面白くなりました。
ヒーローは病気で入院中の祖父がヒロインへ持ち株を譲渡するという事が書かれた遺言書の存在を知り、彼女の人となりを探りながら近付いて最終的には放棄して貰う目的でヒロインを口説き続けていた訳ですが、それが一気に明かされるのではなく、ヒーローの言動から少しずつ明らかになっていくのが読んでて楽しかったです。
結局、身元がはっきりしないヒロイン父本人がヒーロー一族と関わっていたのかと思っていたのですが、実はヒロイン父の祖母(ヒロイン曾祖母)がヒーロー祖父と縁があったという事で、予想が外れました。
ヒーローが予想したように、ヒロインが本当はヒーロー祖父の血を引いている可能性は高いと思いました。
ヒロインがヒロイン曾祖母と良く似ているというのが、ロマンチックで何となく嬉しくなりました。
初Hがきちんと互いの気持ちを伝え合って、両想いになってからというのは良かったです。
ヒロインが処女ではなかったのは個人的に残念でしたが、セカンドバージンのヒロインなので反応がほぼ処女と変わらないのは満足でした。
「頼む、限界なんだ」
この台詞を本当に言うヒーローを初めて見たかもしれません(笑)。
がっついてても避妊を忘れない、大人なヒーローは好きです。
ヒーローの車がアストンマーティンというのが格好良かったです。
ラーメン好きなド庶民ヒロインが可愛かったです。
ヒーローの「誤解だ…」の台詞で、エレベーターで5階を押すヒロインに笑いました(笑)。
ヒーロー両親の若い頃のエピソードをもっと読みたいと思いました。
余談でどうでも良い事ですが、表紙の印象からヒーローは黒髪だと思っていたので、挿絵ではベタなしの白髪だったのが少し意外でした。