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- / ISBN・EAN: 4988013300699
感想・レビュー・書評
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2013年6月、アメリカ政府による国家的情報監視を告発したスノーデン事件、そのスノーデンが暴露するに至った経緯を描く。
軍に志願するが骨折のため除隊し、機密機関に採用、コンピュータの技術を駆使し個人情報を膨大に収集する仕事。嫌気がさし? イギリスのガーディアン紙に暴露。アメリカにとっては機密情報開示の犯罪者となり最終的にロシアに亡命。現在もモスクワに住むと最後にテロップ。
うーん、しかし、スノーデン事件、そういえばあったよねえ、と言う風な記憶になってしまっている。その時はプチッと痛みは走ったのかもしれないが、どうだろう、今も脈々とアメリカのみならず世界中で情報収集は行われているのだろう。いわば世界は情報の開示でできているのでは?と見ながら思った。物語、ノンフィクション、調査報告書、報道番組、知らない世界を知らしめてくれるものに満ちている。しかしスノーデンは情報監視の痛みに耐えられなかったのだろうなあ。でも落ち着き先がロシアではなんとも皮肉な結果。内部告発は浮かばれないんだなあ。
エドワード・スノーデン、1983年生まれ。いろんな任務地があったが、日本の米軍基地でも仕事をしていた。最後のハワイの仕事場は第二次世界大戦の軍事基地が情報基地になっている。スノーデン役のジョセフ・ゴードン=レヴィットが実際のスノーデンそっくり。
2016アメリカ
2024.2.12NHKBS詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「矛盾の先にあるもの」
彼が今もモスクワから帰れないということは
この物語は事実なのでしょうね
アメリカだけじゃ無いでしょ
こんな事が出来るのは
ロシアもインドも中国も、日本だって
ある意味では冷戦の頃とあまり変わっていないのかも
各国が牽制し合い微妙なバランスの上に世間がかるのだろうか
何のためなのか分からない世の中てます -
米インテリジェンスの中枢であるCIA(中央情報局)やNSA(国家安全保障局)で数々の実績を挙げてきた優秀なプログラマーであるエドワード・スノーデンが、極秘裏で進行してきた国家ぐるみの個人監視の実態を暴露する、実話に基づいた物語。
イメージ的にだが、アメリカという国は、全国民が「アメリカとは?」という壮大な大喜利に参加しているように見える。そんな大喜利で人気を集める回答が「自由」「権利」「最強」あたり、そこに911以降加わったのが「安全」であろうか。オリバー・ストーンという監督も、その大喜利に自国への批判的精神を隠さずに答え続けるクリエイターのひとりで、本作でもまた、スノーデンの姿を通じて彼の回答が示されている。
愛国心、正義感から軍に入隊したスノーデンは怪我が原因で除隊を余儀なくされる。それでも祖国のためにと、もともと才のあったプログラミングでテロ対策に従事することになるが、徐々に業務内容に違和感を覚え、その実態を確信した時、こんなセリフを吐く。
「テロの予防は言い訳で、個人監視は政府の覇権のためだった」
テロはアメリカの「安全」を脅かすが、個人監視は国民の「自由」や「権利」を脅かす。政府の覇権は「最強」であることの証明。つまりアメリカは、「最強」であるために「安全」という言い訳を振りかざし「自由と権利」を侵した、という怒りがこの暴露の根っこにある。
スノーデンは、高給や出世、パートナーとの幸せな日々を犠牲にした暴露によって、国民の「自由」と「権利」を守り、彼なりの「アメリカとは?」という大喜利への答えを出した。オリバー・ストーンは本作の製作によって、「最強の証明のために、それ以上に大切なものを何度も台無しにする」という、「プラトーン」や「7月4日に生まれて」など一連の作品群に通じる答えを出した。そして、そのどちらも大喜利としては全然笑えない命がけのものであり、まさにそこが映画としての面白さ、緊張感を生み出している。
この暴露劇、実は本作公開の何年か前に、すでに本人出演のドキュメンタリー映画が公開されている。それでも本作が製作された背景には、クリエイターであるオリバー・ストーンの大喜利への回答と、スノーデンという一個人の人間性のドラマ化によって、ドキュメンタリーとは違った、奥行きを出したかった点にあるのだろう。実際、スノーデン役を演じたジョセフ・ゴードン=レヴィットの完コピっぷりは想像を絶するクオリティで、必見である。 -
オリバーストーン監督。
言わずと知れた、エドワードスノーデンの2006年辺りから2013年香港でのガーディアン紙への告発までの軌跡を追った映画。
「政府に疑問を持つこと=愛国ではない」と思ってた軍人青年が、政府の中枢に入っていくに従い、情報の収集や監視に強い疑問を持つことになる。
そしてスノーデンの元教官との会話の中で世界中のありとあらゆることを監視して権限が集中している真っ只中にいてたはずの自身も彼女のケータイやパソコンを通して監視されていたことを知る、、。
最後にスノーデンも言ってたように、こういうことが行われてるという情報がなければ、議論すら出来ない。
問題が現れて、疑問を呈し、議論し進んで行くしかない。
NSA、やっぱすんごい組織だなとこれを見てて思った。
世界中同盟国に入り込んで、同盟国で無くなった時に、その国の機能を停止させてしまうというプログラムまで組み込んでくるという。。(日本はもちろん例外ではなく)
何より、主人公がエドワードスノーデンと瓜二つに見える!
物語の展開も早く、見ててすごく面白かった。
あなたのケータイやパソコンは、知らぬ間にあなたの全てを見聞きしている。
隠せることなんてないし、監視されてる怖さは開き直れない状態の時にひしひしと迫ってくる。
そして何より、わずか29歳の天才青年が、自分の(豊かだった)人生を棒に振る覚悟(パスポートをアメリカ政府によって無効にされた)で告発してくれたことは、全人類にとって価値があったことやと思う。
29歳でもし自分が同じ立場だったら、あそこまで出来たか、、と思うと、すごいプレッシャーやったと思う。
(SDカードを隠してくれた同僚の人もすごくいい人でよかった!)
情報が集められすぎていることや、監視されていることがどれだけ「国を守ること」になっていないか、よくわかる映画だったと思う。
基本的なルールや価値に基づいた上でやらないと、国家が単に自国民を監視し、独裁のための装置に使ってしまう可能性がある。
そういえば、最近、日本で機密情報をこれまで以上に権限を強化し、管理したがる政権が出来たような、、、。 -
2013年6月、NSA(米国家安全保障局)の職員エドワード・スノーデンが、米国政府による膨大な個人情報監視の事実を香港で英ガーディアン紙に暴露した実話に基づいている。
29歳の若いスノーデンはなぜ、キャリア、恋人、家族、自由を捨ててまで、米国の重大機密の告発を決意したのか。
彼は、英雄なのか、犯罪者なのか。
「情報」というものが、どれだけの効力を持つのか。 -
大統領選挙で積極的な発言をするなど、すっかり政治色に染まったオリバー・ストーン監督の社会派作品。アメリカ政府の諜報活動に従事していたエドワード・スノーデンがその事実を暴露。アメリカは世界中の個人情報をインターネットから収集していたことが明らかになる。告発者スノーデンは公平な裁判が行われないことを確信して、亡命。今はロシアに滞在している・・・はず。
未だに存命している亡命者を主人公とする映画を公開できることこそが、アメリカ民主主義の懐の深さ。ベテランのオリバー・ストーン作品だけあって、単なるプロパガンダに終わらず、主人公の感情・行動に無理なく感情移入できるし、サスペンス性も充分。
今の世の中、ネット検索やSNSを使うことが求められているが、それは国などの強大な権力の監視下にあるってことを理解しておくべきなんだろう。 -
★★★liked it
『スノーデン』 オリヴァー・ストーン監督
Snowden
アメリカ政府による個人情報監視の実態を暴いた
元国家安全保障局職員エドワード・スノーデン
告発された内容は、やってそうなことかなと思った
スノーデンの告発については賛否あるだろうけど
29歳で勇気ある、正義感ないとできない
イギリスのガーディアン絡めてなかったら
暗殺されて失踪者扱いだったかも -
『スノーデン』を観る。オリバー・ストーン脚本・監督のこの作品はエドワード・スノーデンを主人公に米国防総省の国家安全保障局(NSA)の通信網に忍び込ませた監視装置によって、携帯電話やインターネット上のコミュニケーションを大量に盗んでいた事実を内部告発するという、全世界に衝撃与える実話を描いている。
先日、『共謀罪』が7月11日から施行されたが、なぜこの映画に描かれた監視システムが共謀罪と関係するのか。それはすべてのコミュニケーションから情報を収集して、犯罪以前の犯罪に関するコミュニケーションを取締ることだからだ。
映画の中でアルカイダに資金提供をされると推測される銀行家の娘の着替える部屋の中をスイッチを消し忘れたパソコンのカメラから覗き込んでしまうのだ。いや、遠隔操作で携帯電話のスイッチさえ入れて覗き込むことも可能だ。これは非常に恐ろしいことであり、国会審議の中でもあいまいでうやむやにされた一般人は対象とされるかの質疑を思い出すシーンなのである。世の中は確実に監視社会になる。一般人は捜査の対象ではないと思っていたら大間違いなのだ。
NSAは世界中のスマホを監視しています。映画の中で国民監視が国内法に違反することを理由に日本政府はNSAへの協力を断っているが、『共謀罪』事態がその時の対応に矛盾し逆行していることはことは事実だ。 -
香港の高級ホテル。ドキュメンタリー作家のローラ・ポイトラス、ガーディアン紙の記者グレン・グリーンウォルドのいる一室に、一人の青年がやってくる。彼の名はエドワード・スノーデン(ジョゼフ・ゴードン・レヴィット)。アメリカ国家安全保障局(NSA)職員であるスノーデンは機密資料を提供し、アメリカ政府が秘密裏に構築した国際的な監視プログラムの存在を告発した。
国を愛するごく平凡な若者だった彼は、CIAやNSAで勤務するうちに、その恐るべき実態に直面。テロリスト、民間企業、さらには個人までも対象にアメリカ国内のみならず全世界のメールや携帯電話での通話を監視する体制に危機感を募らせ、キャリアも幸せな生活も捨ててまでリークを決意する。
アメリカ国家安全保障局職員エドワード・スノーデンが政府による国際的監視システムの告発をした実話を元にした傑作ポリティカルスリラー映画。
家族全員が国家公務員で思想的に右よりだったエドワード・スノーデンは、陸軍での訓練中に両足骨折して軍を除隊し、国家安全保障局からスカウトされ、コンピューターセキュリティや情報収集に関係した任務を遂行した。
だがリベラル寄りの彼女リンゼイ(シャイリーン・ウッドリー)の影響や国家安全保障局職員の時に見たスイス人銀行員を酒に酔わせ飲酒運転で警察に捕まったところで取引を持ち掛けスイス人銀行員をスパイに利用するなどの悪辣な行為やリベラル寄りのオバマ政権下で国家安全保障局の監視活動が拡大していくのにスノーデンが幻滅したこともあって、アメリカ合衆国や全世界に対する国家安全保障局の情報収集監視プログラム「PRISM」による盗聴情報収集監視活動の実態と手口をイギリスの新聞「ガーディアン」に暴露した。
その監視活動は同盟国にも及び、日本が同盟国でなくなった時は電力システムを停止させるマルウェアを諜報活動の一環として仕込んだというスノーデンの告発も、日本で話題になった。
スノーデンが監視活動を告発するまでの過程を、スノーデンを公私共に支えたリンゼイとの関係を絡めて描いた傑作ポリティカルスリラー映画です。 -
「日本よ…」と思わずにはいられない映画でした。