世界一訪れたい日本のつくりかた―新・観光立国論【実践編】 [Kindle]

  • 東洋経済新報社
3.85
  • (1)
  • (9)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 61
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (327ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 課題1
    日本は、昭和の「人が増え続けていて、バスでどかんと大量の人が来るから、その人達をさばいていく」という思想の観光業しかない。よって、イマイチのサービスな宿、よくわからんお土産などしかない。

    課題2
    通常の観光旅行では、旅行で使うお金の半分は、宿泊費と食費。爆買い中国人に代表される人々は、短期の滞在なので宿泊費と食費を使わず、大量の買い物にお金を使う。買っていくものは、大概輸入品なので、日本の経済にはあまりメリットがない。

    これからやるべきこと
    観光にお金を使うのはヨーロッパ(ドイツなど。フランス人はお金使わない)やオーストラリアの方々。国別にターゲットを定めて、長期で滞在してもらい、お金を使ってもらえるような仕掛けを作る。彼らにとって日本は遠いので、一度来たら長く滞在して楽しみたい。それに見合う観光スポットがあれば来てくれるし、なければそもそも来てくれない。

    長期滞在のためには、自然を活用した観光スポットを作る。国立公園内を探索できたりできるように。ハイキングなどは、長期の観光につながるから。彼らは文化だけでなく、自然体験もしたいというデータがある。豊かで独自の自然に触れることができるなら、「ボランティア観光」だってありえる。インターナショナルおてつたびのようなもの。

    また、一泊10万円以上が取れる本物の高級ホテル、5つ星ホテルを作る。施設だけでなくソフトも大事。両方揃うことが必要。海外の一流ホテルは、掃除をしている人でも、周囲の観光スポットを、お客様の好みに合わせて提案することができる。

  • 「ハード一流、サービス二流の日本のホテル」
    これは本当にそうだと思う。全部経営は外国人に任せたほうがいいのではないかと。

  • オーディブルで聴きました。
    日本在住の外国人の著者が、日本の観光地の課題や海外との比較など、データを交えながら考察しており、非常に参考になりました。

    コロナ禍で国内をあちこち観てきましたが、同じような問題点を感じていたので、腑に落ちました。

    解決策は、簡単ではないかもですが、チャレンジする価値はあると思います。

    こちらも紙の本買おうと思います。

  • サクッと読めて、なかなか勉強になった。
    まず、ここのところ、訪日外国人の数が増えているとは思っていたけれど、まさかの、この10年くらいで、数百万から、2000万人超えになっていたとは!!
    恥ずかしながら、その変化は具体的には知りませんでした。


    日本は、マジョリティが中流階級、というイメージが強いし、日本人を端から相手にしない観光というイメージはあまりなかったけど、超超高級ホテルの必要性、かぁ。確かに、そういう風に意識を変えていく必要があるんだろうな。
    しかし、鶏卵だが、田舎にいきなり5つ星作って、経営は成り行くのか...。
    そして、日本人は英語できねーからなーーー!!! ホテルコンシェルジュをどう確保するか。難題。
    翻訳のまずさが何度か指摘され、会社へ依頼後チェックしなかったのが悪い、とも言われていて、うんそうだよねぇ、と思うものの、ぶっちゃけ、担当者がよく分からなかったという面もあるんだろうな、と思いましたよ。今は小学校から英語が導入されている時代だから、これからは変わっていくだろうけどね。
    路上や駅で英語で道を聞かれたら、i can't speak english! とか言って(言うだけマシ)足早に立ち去る日本人、多そうなイメージ。
    穿ちすぎか?

    と、話がそれた。
    IRの話は、最近でもホットだけど、その辺の建設・維持費用の確保のために、小面積で圧倒的にカジノが必要というのは、説得力あるね。
    あー、しかし、産業として割りきっての育成が必要としつつも、5つ星ホテルにせよIRにせよ、なんか外国人のためのスペース、みたいになっちゃいそうだ。

  • はじめにー観光はもっとも「希望のある産業」である
    第1章 日本の「実力」はこんなものじゃない
    第2章 「どの国から来てもらうか」がいちばん大切
    第3章 お金を使ってもらう「魅力」のつくりかた
    第4章 自然こそ、日本がもつ「最強の伸び代」
    第5章 「誰に・何を・どう伝えるか」をもっと考えよう
    第6章 儲けの9割は「ホテル」で決まる
    第7章 観光は日本を支える「基幹産業」
    おわりに

  • 日本は観光大国になれる可能性を持っている。しかし従来からの国内の観光客だけをターゲットにした対応では、その可能性を活かすことができない。提言の中には極端なところもあるが、納得できるところもそれ以上。既存の考え方を捨てて新しい観光立国を目指すべきという意見には納得できる。

  • ・評価ではなく、実績から施策を考えるべし。
    ・距離が遠く観光意欲が旺盛な国が「上客」ターゲットにすべし
    ・上記を満たす欧州の客(特にドイツ)を狙うべし
    ・文化財(施設)は値段を高くして付加価値を高めるべし
    ・自然はアクティビティを増やす。時間がかかるので観光の主役となり得る。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

デービッド・アトキンソン
小西美術工藝社社長
1965年イギリス生まれ。日本在住33年。オックスフォード大学「日本学」専攻。裏千家茶名「宗真」拝受。
1992年ゴールドマン・サックス入社。金融調査室長として日本の不良債権の実態を暴くレポートを発表し、注目を集める。2006年に共同出資者となるが、マネーゲームを達観するに至り2007年に退社。2009年創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社に入社、2011年同社会長兼社長に就任。2017年から日本政府観光局特別顧問、2020年から政府の「成長戦略会議」委員などを歴任。
『日本人の勝算』『デービッド・アトキンソン 新・観光立国論』(山本七平賞、不動産協会賞受賞)『新・生産性立国論』(いずれも東洋経済新報社)など著書多数。2016年に『財界』「経営者賞」、2017年に「日英協会賞」受賞。

「2023年 『給料の上げ方 日本人みんなで豊かになる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

デービッド・アトキンソンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×