sakuraさんの感想
2017年7月5日
Kindle版読了。 美貌、知性、武術、家柄を兼ね揃えながら完璧すぎて結婚相手が見つからなかった20歳の公爵令嬢ヒロインと、金髪翠眼の美青年で社交界一の遊び人と噂されている28歳騎士ヒーローとの誤解から始まるラブストーリーです。 WEB版、未読です。 年齢差8歳のカップルですが、結婚後も「様」付けで妻を呼ぶ敬語ヒーローです。 結婚相手が社交界一の遊び人だと知ったヒロインが、婚約後も忙しさを理由に会えずじまいのヒーローに闘争心を燃やして、あの手この手で打ち負かそうと頑張る姿が可愛かったです。 とはいえ、浪費癖のない優しく気品に満ち溢れた公爵令嬢なので、頑張る方向が剣技だったり勉強だったりと、ハイスペックな能力を磨く逞しいヒロインです。 ヒーローの方も、隠し子の件も含め全て第2王子の泥を被っていただけで、本当は人の良い好青年である事が分かります。 とはいえ、優しい面ばかりでなく、柔和な笑顔で相手を追い詰めて最終的には思い通りにさせる腹黒策士系の一面もあるようです。 第2王子の隠し子をヒロインとヒーローが引き取って育てる事になるのですが、妊娠・出産した元侍女も第2王子本人には知らせないまま去り、王家の醜聞なので仕方ないと言えば仕方ないのかもしれませんが、周りが問題をもみ消すような事をして良いのかな〜と思ってしまいました。 その後の第2王子の反省というか、心を入れ替えるようなエピソードもなかったのが気になりました。(^_^;) 挿絵で、全身鎧姿のヒロインと戦斧を掲げ持つヒーローが描かれているのですが、少女小説とは思えないシュールさでした（笑）。 結婚した夫婦カップルのお話ですが、ヒロインが仮面夫婦だと勘違いしているので、夜の営みはありません。 最後に互いの気持ちを伝え合い、両想いになった所で初夜らしい流れになって終わるという、まさに少女小説の展開でした。 幕間でヒーロー視点のエピソードが入りますが、夫婦揃って薔薇色の結婚生活と思っている、お似合いの2人です。 好きな絵師さんですが、表紙絵のヒロインの迫力美人な感じと文章から想像するヒロイン像が大人っぽかったので、挿絵の可愛らしいヒロインには少しだけ違和感がありました。
長崎県出身。2012年9月から執筆を開始し、WEBにて発表。2015年8月「北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし」（宝島社）でデビューに至る。 「2019年 『薬草園で喫茶店を開きます！』 で使われていた紹介文から引用しています。」
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