脳と心について多面的に語られた一冊。
様々な専門家の知見が網羅的に記載されており、参考になる。
<メモ>
・私たちが自分と呼んでいるものは、無意識の多様で膨大な活動を理解可能なように整理し、意識というモニターに映し出した幻覚
・不幸にならない生き方 強いつながりの中で生きていくこと。
不幸にならないために幸福を諦める戦略もある。
・低成長時代にあっては、あれもこれも全てが良くなる経済政策はあり得ない。必ずどこかにトレードオフが発生する。何を得るために何をどれくらい失うか。トレードオフを示すのは経済学だが、どの組み合わせがいいかを判断するのは人々の価値観。
・脳は逆説に満ちている。幸福ホルモンであるオキシトシンが妬みなどのネガティブな感情に深く関わったり、共感性の低いサイコパスだからこそより魅力的に振舞えたり、大胆な決断を下せたりする。脳の働きの、一見ネガティブな側面に着目すると、それが人間の営みの中でどんな役割を果たしているかも見えてくる。メタ認知こそ脳が与えてくれる生きるための知恵。
・右脳の理解系脳番地を鍛える方法。部屋の整理整頓と模様替え。空間に対する理解力を高める。電車内の見知らぬ人の表情から、その人の気持ちや背景を想像する。とにかく文字情報から離れる時間を作って自然を眺めること。
・料理やカラオケ、楽器演奏、日記や絵を描くこともいい方法。手や口を使うと脳番地がよく働く。歌いながら料理をする。など二つのことを組み合わせて同時にするとより効果的。楽器演奏は運動系、視覚系、聴覚系と複数の脳番地を同時に使い、脳番地同士の連携が深まるので、特におすすめ。
・視覚系脳番地を鍛えるために、都市で生活していても、ぜひ朝日や夕日、月の満ち欠け、天候、風景など自然の変化を意識的にみてください。旅行に出て、新しい風景に出会うのも効果的。特定の文字や数字など、何かテーマを決めて車窓からの風景を見るもいい。美術館で芸術作品を見ることも良い。
・人が話しているときに自分の話をかぶせる、と行った症状が出てきたら、この脳番地が衰えている可能性がある。鍛えるにはとにかく意識てkに注意深く耳を使うこと。ラジオを聴きながら寝る。会議の速記録を作成する。自然の音に耳を澄ませる。と行った方法が有効。ラジオを聴きながら書き取る。本を音読しながら、手書きで写す。いずれも運動系脳番地や視覚系脳番地との連携が強化される。
・脳に負荷をかける方法も有効。ジャンケンにわざと負けるようにする。絶対ノー残業デーを作る。休日の行動計画を他人に決めてもらう、自分の好きな定番メニューを十日間やめてみるなど。共通点は従来の思考や行動に何らかの高速や枠組みを課すことで新しい思考や行動を促す。わざとゲームに負ける枠組みで新しい思考回路が必要に。新しいことに挑戦することが、目覚めさせる。料理や新しい趣味で新しい思考回路を生み出すことで新しい意欲や創造へ向かわせる。
・感情系脳番地を鍛えたければとにかく人に会うこと。人と会ってコミュニケーションをとり、感情を共有する機会を増やす。平坦になってしまった感情に起伏を与える。
・伝達系脳番地を鍛えるには日記を書くこと。何でもいいからその日あったことを記録すること。
・記憶系脳番地は日記や手帳を一週間に一度見直して、自分が何をやったか思い出すこと。いらないものを捨てる断捨離も有効。ものを見ながら、過去を思い出し、それが必要か不要か判断しなければならないから。
・やる気を出すためにやるべきことは目標の再設定。
・朝の快調なスタートのために、10分くらいの筋トレをする。ガッツポーズをしてみる。
・煮詰まっている時こそ考えなければならない時にこそ、あえてボーッとする。そのための自分のスイッチも考えておくといい。コーヒーを飲む、空を見つめる、タバコを吸うなど。昼寝も有効。
・周りにやる気を出させるため、残り時間を示す。
・ミスはチャレンジを意味し、自分がタフになれるサイン。
抽象的なものではダメ。期日、場所、景色までイメージして書き込んでいきました。とにかく具体的にイメージして現在形で言い切る。自分が頑張ったことで入手できる価値を思い浮かべる。
・5つの特性がモチベーションを維持する
1技能多様性 多種多様な能力が必要とされること
2アイデンティティ 最初から最後まで携われること
3有用性 自分の仕事が他社の生活や人生に影響を与えると思えること
4自律性 仕事における意思決定権が任されていること
5フィードバック 仕事の成果を正しく知れる
大企業はモチベーションが発揮されにくい
・落ち込んで肩を落としトボトボ歩くとネガティブな心理状態を引き起こす。無理にでも上を向いて歩くこと身体性の入力をポジティブなものにすれば脳が騙されて気分も上に上がる。自己肯定的なことをばを繰り返すことが自己肯定感をあげる裏技。セルフはぐも自己肯定感を高めるのに有効。