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感想・レビュー・書評
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野々村仁清が登場する。林田藩の林田焼は野々村仁清の影響を受けている。仁清は丹波国桑田郡野々村生まれの陶工。瀬戸で轆轤(ろくろ)の修業を積み、仁和寺門前に御室窯(おむろがま)を開いた。京焼の大成者である。仁清の号は仁和寺の仁と清右衛門の清を合わせたもの。「きれいさび」の鮮やかさは仁清と重なる。また、仁清は自分の作品に「仁清」の印を捺し、自分の作品であることを明確にしたことが特徴である。林田焼も赤字で陶印がある。
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本作を通してぼくはずっと東西の文化対立を見ていた。織部的な「ひょうげ」が関西文化であり、家康的な「野暮」が関東文化だと読み替えた。それが全て間違いだったとは思わない。だが、この読み方にも限界があると感じた。いや、正確にはぼく自身の限界を感じたのだった。
ぼくはまず本作から古田織部という文化人の実像に迫ろうと考えていた。ついで利休ほか織豊時代の文化人研究の一助にしようと考えていた。この観点で本作を読んでいくと、確かに幾度も裏切られる。荒唐無稽な描写や、多くの史実の原因を古田織部に仮託するストーリー展開など、とても勉強になるものではない。だが、この読み方こそが「野暮」であり、ずっと織部が戒めてきたことであったのだ。
ぼくはそのことに24巻になってついにわかった。ぼくは家康的な「野暮」から脱出しないとならない。織部的「ひょうげ」へ、「この世界」のコンテクストを踏まえて「ひょうげ」てみせねばならない。 -
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真田幸村の最期と大坂落城。
太閤の夢は正夢ならず、秀頼は落ち延び(無事に落ち延びきれるかどうかはわからないが)、大野と茶々が最期にいいところを見せた。
しかしこんだけぶん殴られて秀頼は無事なのか。
冒頭で織部拘束の報を受けたときの秀忠と宗矩の表情が。
宗矩なんかは家康が明確に織部に殺意持ってて実行に移したことまでしっているのにそれでも。
秀忠は明らかだったが宗矩もここまで変えたか、と…。
このあと、不器用なひょうげで秀忠を救う。
岩佐又兵衛は恥も外聞もなく、生きて数寄を奏でることを選ぶ。
秀忠、忠輝、忠直…とみな家康の意に唯々諾々と従うつもりはなく、伊達政宗は真田を支援するために神保を同士討ちする。
殺伐とする中で、織部の身辺はまだ物静か…。
ただ茶を点てるにも哀愁が漂い始めて、それでもひょうげることを忘れないおせんさんはいい連れ合いだった。
結末は次の巻か、それともあと2冊か…