元帥公爵の新妻は愛されすぎて困り気味です (蜜猫文庫) [Kindle]

著者 : 如月 すがはらりゅう

• 竹書房 (2017年4月22日発売)

感想・レビュー・書評

[きむさんの感想 · 2020年11月16日]

道端で行き倒れてたヒーローをヒロインが助けたところから始まるお話。

二人の母国語は違うから意思疎通は出来ないのに言葉が分からなくても、そばに居るだけでお互いが大切な存在になっていくのは本物って感じがした。

ただ、ヒロインは家庭環境のせいか、かなりマイナス思考で自分を卑下する子だし、ヒーローはヒロインの気持ちを考えずに行動するしで両者にイラッとさせられた。

まぁ二人とも言葉が足りないのがいけなかったんだけど、両者共にめちゃくちゃ一途なのは確か！

ヒロインにはもう少し自信もって欲しい。

[sakuraさんの感想 · 2017年5月24日]

【ネタばれ感想注意】

Kindle版読了。

継母と義姉にいじめられながらも人を思いやる優しさと聡明さを失わない17歳辺境伯爵令嬢ヒロインと、命の恩人であるヒロインに惹かれ求婚してきた冷酷無比と恐れられる22歳元帥公爵ヒーローとの執着＆シンデレララブストーリーです。

年齢差5歳のカップルです。

美しく聡明で控えめなヒロインが継母と義姉から冷遇される日々の中、王子様が迎えに来てくれるというシンデレラストーリーです。
ヒロインに対するヒーローの執着愛が一歩間違えるとソー○ャレーベルになりそうで、ちょっとはらはらしたのが面白かったです（笑）。

ヒロインとヒーローの出会いは5年前で、ヒロインが12歳、ヒーローが17歳の時でした。
政争に巻き込まれ瀕死の重傷を負っていたヒーローを、ヒロインが助けた事が2人の出会いでした。
ヒーローが隣国の元帥公爵の息子だという事が分かると、ヒロイン父は怪我が治る迄ヒーローを手厚く保護する事を約束し、ヒロインも言葉が通じない事を知りながら献身的に尽くします。
同じくヒーローも、ヒロインと言葉が通じなくても少女の美しさと優しい心と聡明さに惹かれていきます。

…ヒロイン継母が自分と娘が瀕死のヒーローを発見し助けたと嘘を吐きますが、ヒーローは自分を助けてくれたのはヒロインだとちゃんと分かっていたので、人魚姫の王子のように騙されなくて安心しました（笑）。
ヒーローが回復し自国へ帰る直前に、花の茎で結んだ指輪と軍服の組紐で作った指輪を交換する初恋の甘酸っぱい結婚の約束が初々しくて微笑ましかったです。
しかもヒーローは、たった1本の約束の指輪から花を増やし、いつかヒロインを妻に迎えた時にその花畑を見せようと5年間大事に育てていたという一途なエピソードに萌えました（笑）。
国民や使用人達からも恐れられている冷酷無比な元帥公爵が、ヒロインにだけメロメロで時折子供っぽい面を見せながらも監禁状態スレスレで執着しているというのが美味しかったです。
ヒーロー視点もあるので、彼の心情が分かりやすくて良かったです。

ヒロインの故郷が戦渦に巻き込まれそうになった時に提示したヒーローの策略が軍師らしくて凄かったです。
また、その時の裏情報というか種明かしにも繋がるのですが、作品の締めの文章が主役カップル視点ではなく、とある脇キャラ視点で終わるという構成が大変珍しいと思いました。
あとがきを読むと、どうやら作者さんのお気に入りキャラだったらしく納得しました。