LOGAN/ローガン 2枚組ブルーレイ&DVD [Blu-ray]

監督 : ジェームズ・マンゴールド 
出演 : ヒュー・ジャックマン  パトリック・スチュワート  リチャード・E・グラント  ボイド・ホルブルック  スティーヴン・マーチャント  ダフネ・キーン 
  • 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
3.65
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988142284914

感想・レビュー・書評

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  • ウィルヴァリンが主役の前二作はいまいち。
    でも今回は...いい!とても良い!
    『Xメン』シリーズは全作観てるが一番好きかもしれない。

    テレビCMでも強調していたのが、「アメコミを越えた」「大人の『Xメン』」という「今までみたいに子供の映画じゃないんだぜ」というイメージ。

    ブライアン・シンガー監督の第一作の日本公開が2000年度なので、もう17年も前なのか。古くからのファンも中年、老年化している。
    我らがウルヴァリン=ローガンも体の衰えを隠せない。
    目がかすみ、薬のラベルも読めず、老眼鏡を掛けるようになる。眠れないし、アルコールが手放せないでいる。
    そして、プロフェッサーX=チャールズはアルツハイマーを患い、‘世界で一番危険な脳’のコントロールができなくなる。
    人目を避けるように、街から離れた場所で、もうひとりのミュータントと男三人で暮らしていた。
    ある日ローガンは女と出会ってこう頼まれる。
    「命を狙われている。私と娘のローラを友達の待っている安全なところに連れていって欲しい」
    一度は断ったローガンだが、共振能力のあるチャールズが断言する。「あの娘は我々と同じミュータントだ」
    もう一度女の元に行ってみると女は殺されていた。
    家に帰ると追っ手が娘の行方を探してやってきていた。
    なんとかやり過ごしたが、次の追っ手が来て仲間のミュータントが捕らえられてしまう。ローガンとチャールズ、そしてローガンと同じ能力を有していると分かったローラは命からがら逃げ出すが...。

    中年の孤独な男と障害を負った車イスの老人と言葉をしゃべらない野性的な少女とのアクション・ロードムービー(乱暴なまとめ方(笑))
    いろいろ身につまされます。
    数年に一度観る『Xメン』シリーズはまるで遠い友人の近況のようで、「ああ、主人公変わったな」と思ったり、「やっぱ変わってないや」と思ったり。

    ヒュー・ジャックマンの鍛えぬかれた肉体も良いけれど、目を見張るのはローラ役のダフネ・キーン。アクションシーンは格好良く、人を射るようなそのまなざしは、ローラの背負っている重いものを感じさせられる。パトリック・スチュアートの錯乱シーンは若干ショックを覚えた。「ああ、マカヴォイ(彼の若い頃を演じた)が未来はこうなるのか、と。

    ちょっとアルフォンソ・キュアロン監督の『トゥモロー・ワールド』を思い出した。

  • 現代のハードボイルドはウルヴァリンとともに消えゆく定めなのかもしれない。そんな風に思える。大好きなシリーズの最後にふさわしい素晴らしい出来だった。

  • シリーズものらしいけれど、ほとんど何も知らずに見た。どうやらローガンはうらぶれたヒーローらしい。そんな彼が、生命力の最後の一滴を絞りきって娘を守ろうとする。
    まあお決まりの展開ではあるのだけれど、途中、西部劇『シェーン』の映像が引用されていて、何よりその場面に胸をつかまれた後だったので、次の劇中のセリフが最後の最後でふたたび引用されるに及んで、深く揺さぶられた。

    「人間は人生を変えることができない。たとえ正しい行いをしていても、人殺しをした烙印からは逃れることができない。だから家に帰ってママに伝えなさい。谷から銃は去ったと」

  • 近未来。ミュータントはほぼ絶滅してしまい、優れた治癒能力を持っていたローガン(ヒュー・ジャックマン)も今やその力を失いつつあった。
    そんな彼に年老いたチャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)から最後のミッションが託される。
    それは、絶滅の危機に瀕したミュータントに残された唯一の希望である少女ローラ(ダフネ・キーン)を守ることだった。
    強大な武装組織の襲撃を逃れながら荒れ果てた地を行く3人。その先には、想像しえぬ運命が待ち受けていた。
    X-MENシリーズの人気キャラクター・ウルヴァリンの最後の戦いを、マーク・ミラーの「オールドマン・ローガン」と「デス・オブ・ウルヴァリン」を原案に描いた傑作バイオレンス映画。
    その身に埋め込まれたアダマンチウムに蝕まれ、ヒーリングファクターを失いかけた老いたウルヴァリンことローガンが、自分の遺伝子を継ぐミュータント少女ローラとミュータントの子供たちを守るために老骨に鞭打ち最後の戦いに挑むストーリーを、かつての仲間のミュータントも死に絶え金を貯めて船で余生を過ごすことだけを目的に生きるローガンと自らの能力をコントロール出来ないエグゼビアの苦悩や孤独、かつて愛した者が死んでしまったトラウマから孤独に生きるローガンと野良犬のようなローラが父子のような絆を育てていく疑似親子関係、出会った農民と安らぐ時を過ごす中でずっと求めていた家族を守り戦い生きることを思い出してローラたち未來ある子供を守るために自らの命を最後の戦いに燃やし尽くすローガンの熱い生きざまを絡めて、ハードボイルドに「シェーン」「許されざる者」のようなウェスタンタッチで描き、クライマックスのミュータント兵器を養成するトランシジェン社の傭兵にローガンとローラが鋭い爪で立ち向かうバイオレンスアクションなど骨太なアクション満載で、ウルヴァリンの戦いを締めくくるに相応しい渋い傑作バイオレンスアクション映画に仕上がっています。
    クリント・イーストウッドのような渋い存在感のヒュー・ジャックマンと可憐なルックスと裏腹なローラを演じたダフネ・キーンが、印象的です。

  • いやあ、最初のX-MENからずっと見てきたウルヴァリン。
    そしてプロフェッサー。
    ヒュー・ジャックマンとパトリック・スチュワートの最後のX-MEN出演作品。
    それにふさわしい非常によいX-MENであった。
    不老不死最強のミュータントであるウルヴァリンがここまで落ちぶれてしまうとは。
    そして最高の頭脳のプロフェッサーXの加齢による脳の機能障害か。
    ミュータントも人間であるとあらためて認識させるとともに、人間扱いされないミュータントの悲しき運命。
    それでも未来に繋がる運命の糸。
    最高であった。

  • もうはじめっからウルヴァリンは飲んだくれてるしプロフェッサーXはボケてるでなんだこの悲壮感って感じで引き込まれました。町山智宏がハリウッドはもうアメコミ映画しか金が集まらなくて撮れないからアメコミを使ってそれぞれやりたいものを撮っている的なことを確かダークナイトぐらいの時に仰っていて、日本のロマンポルノみたいな状況だなと感じたのを覚えているのですが、この映画もまさにそれで別にXメンである必要は全くない映画だと感じました。そういう何か制約のある中で本当にやりたいものをやるパターンってだいたい良作になりますね。で何やりたかったのかといえば許されざる者なんでしょうね。言われている通り。画も埃っぽい場面ばかりで舞台設定が未来であること忘れます。
    またウルヴァリンの過去2作はその無敵っぷりがかなり描かれていてそれがスーパーヒーローならではの逆に死ねないのが悩みみたいなものがテーマの一つになっていたと思いますが、今作はもう爪ぐらいしかウルヴァリン感じる部分無いです。動きも鈍いし。傷も治らないし。守る対象の少女のが強そうでした。
    まあ名作には間違いないのですが気になるのはXメンってどうなってたっけというところで、過去にいったり未来に行ったり時間も空くしで全然覚えてないのですがもう全滅してるみたいな空気で、マグニートーとかと戦ったのは全部無駄だったのかなと、過去作の未来ってこんなでいいのかと。サイクロップスとか死んでんだっけ??ヒュージャックマン出てるだけで繋がりはないんだっけ??と観ながら気になってしまいました。ちゃんと復習しておけば良かった。でも個人的に改めて見るほど面白いと感じたのはファーストジェネレーションだけだったと思うしなぁ。他のもつまらなくはなかったと記憶しておりますが。というか今作がXメン関連の映画では断トツに好きです。まあXメン映画ではないですけど全然。

  •  2029年、新たにミュータントが生まれなくなった世界。老いたプロフェッサーXを抱えるローガンの元に彼と同じ爪を持った少女がやってくる。

     こういう話だったのか。プロフェッサーXはチョイ役などではなくて、三人のロードムービーのよう。今までのシリーズを匂わすシーンや家族や罪、流れ者のテーマが見え隠れする。一方で、年老いて疲れたローガンは介護や子育てを思わせるシーンもあり、今までのウルヴァリンからはイメージできないシーンの連続もある。
     それと対比するかのような今まで以上のバイオレンスシーン。しかもそれは少女のものもある。ド派手なミュータントのSFXはなく、乾いたアクションがストーリーにピッタリ。
     人種差別をメタファーとして描いてきたXーMEN。メキシコ国境付近からカナダ国境へと送り届けるのはまさにトランプのアメリカを象徴している。ウルヴァリンが命をかけて最後に戦ったものは現代のアメリカだったのかもしれない。

     泣きました。
     こんなアメコミ映画の描き方があったのか。ウルヴァリン有終の美。

  • Xメン番外編。
    2029年、ミュータント達は姿を消してウルヴァリンとXメンの親玉は細々と姿を隠して暮らしている。其処に突然ミュータント研究所から脱走した少女をエデンまで逃がしてくれとの依頼がある。
    敵に居場所を発見されて少女もウルヴァリンも絶体絶命!其処でなんと少女の拳から鉄の爪が出る。
    並み居る敵を2人で薙ぎ倒し逃避行の旅に出る2人。ベテランミュータントと新人ミュータントの逃避行の旅を描く、ロードムービーなのであった。
    そして何故か「シェーン」へのオマージュが随所に散りばめられている。
    監督が好きなのかな?
    以外に出来が良くて吃驚!いや拾い物でした。

  • X-MENって決して超能力者が幸せじゃない、むしろ超能力者の悲哀が滲み出る暗いストーリー。そんな中でこの作品はピカ一の秀作。不幸せな超能力者、衰えていく超能力者というバッドフューチャーを軸に不死のローガンさえもその時の流れに逆らえず徐々に弱っていく。そして迎える最期の時、なんていうか、生き疲れて死を渇望するローガンに訪れる静かな時間。その静寂を「これが待ち望んだ死か」と望み満ち足りて眠りにつくローガンにX-MENシリーズの一つの至高を見た。

  • 2018.12.16みおわり

     ローガンが、プロフェッサーxをつれて、X-23を車でEDENに送り届ける(敵から逃げる?)ロードムービー。
     
     いつものX-menらしさがない。能力者があまり出てこなくて、「あれ、これX-menだっけ」と思うほど。
     ローガンは劇中では70代くらいだろうか。回復能力も衰え、傷が全部回復しない。また、爪もきちんと出てこない。
     一方プロフェッサーXも痴呆症になってしまい、薬を飲まなければローガンのことも覚えていないし、能力を暴走させてしまう。
     X-23(ローラ)は、ローガンと同じ能力をもった少女で、メキシコの研究所で生まれた。ミュータントがほとんど絶えた2029年の話という設定だが、わずかにミュータントが(生存していたミュータントの遺伝子などから)製造され、兵器として利用されようとしていた。その中の一人。

     とても深く感動した。あぁ、全盛期は世界を救ったヒーローも、最後はこうなるのかと。自分の60年後と重ねて見てしまう。

     途中、馬を飼っている暖かい家庭にこの3人が一晩泊めてもらうシーンがある。そこで、プロフェッサーXもローガンも、また、兵器として製造されたローラも、人間らしさを少し取り戻す。
     だが、追っ手が「X-24(ローガンのクローン)」を差し向けてきて、無残にもプロフェッサーXは殺されてしまう。

     その場を逃れたローガンとローラは、「実験体」であったミュータントの少年少女のキャンプへたどり着く。この少年少女らは13キロ先にある国境を越えることで追っ手から完全に逃れる作戦を考えていた。

     「ローラを救う義理はない」と突き放すローガン。次の朝、少年少女たちが追っ手に追いつかれていることを知り、やはり助けに戻る。
     能力の減退により傷は治らない。しかし、必死にローラたちを助け致命傷を負う。
     ローラは涙を流し「お父さん」とローガンを呼ぶ。ローガンは「(父親というのは)こういう感じだったのか」と言い残して絶命する。

     最後にローガンは「死」「娘」という二つの尊い贈り物を授かったのだ。最後のシーンには深く感動した。

     SF要素はあまりない。アクションの要素もありはするが、どちらかというと、社会の問題とか、人と人との関係を描いた映画である。
     ローラ役の少女(11歳という設定)の演技もすばらしかった。最近みた映画の中では最もよかった。

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