ムーンライト スタンダード・エディション [DVD]

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監督 : バリー・ジェンキンス 
出演 : トレヴァンテ・ローズ  アシュトン・サンダース  アレックス・ヒバート  マハーシャラ・アリ  ナオミ・ハリス 
  • TCエンタテインメント (2017年9月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4562474188173

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ムーンライト スタンダード・エディション [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • MOONLIGHT
    2016年 アメリカ 111分
    監督:バリー・ジェンキンス
    出演:トレヴァンテ・ローズ/マハーシャラ・アリ/ナオミ・ハリス
    http://moonlight-movie.jp/

    想像してたより普通に恋愛映画でした。というと語弊があるのかもしれないけれど、貧困とか人種差別とか社会問題的な部分にもっとクローズアップしているのかと思っていたので、もちろんそれも含まれているのだけど、全体の印象としては男性版『キャロル』的な、たまたま同性同士ではあるけれど、しみじみ一途な恋愛映画の余韻。

    たとえば主人公のシャロンは内気で軟弱なので、本人が同性愛者だと自覚する以前からいわゆる「オカマ」と苛められている。しかし彼を苛めているのは白人ではなく、同じ肌の色の少年たちであり、苛められる理由は肌の色ではなくあくまでシャロンの内向的な性格。その遠因はヤク中でネグレクトな彼の母親であり、個人的には学校でいじめられることよりこの母の毒親っぷりのほうが観ていて辛かった。

    そんな少年時代の彼を支えたのは、偶然知り合った麻薬の売人フアンとその妻テレサ。仕事柄見た目はいかにもな感じ(清原みたいとか言ったら怒られるかしら)のフアンだけど、シャロンにかつての自分を重ねてでもいるのかまるで息子のように親身に接してくれ、テレサもまた優しい。この疑似両親のような二人の家という逃げ場があっただけでもシャロンは恵まれていたのかも。映画の終盤で大人になったシャロンの外見はフアンにそっくりで、彼の言葉や優しさだけがシャロンにとって生きる指標になっていたのだなと思わされる部分がいちばん泣けた。

    一方、苛められっこのシャロンの唯一の友人にして、結果シャロンが恋心を抱くようになる相手ケヴィンのほうですが、疑似父フアンの存在感に比べて、正直ケヴィンは観客にはそれほど魅力的には映らない。友達のいないシャロンに声をかけてくれたりする優しさはあるけれど、それだけで好きになるかなあ?っていう。そしてケヴィンのほうではシャロンをどういう目で見ていたのかがイマイチ伝わってこない。映画は3部構成で少年時代、青年時代、大人になってからで役者が変わるのだけど、シャロンに比べてケヴィンは出てくるたびに印象が変わり、ひとつの繋がった役として見れないのもちょっと微妙だった。

    シャロンのほうは、子役→青年までの変化は似た感じの子で、ひよわそうでモジモジしてるところとかずっとひとつながりの役として観れたけど、大人になったら急にマッチョになって出てきたのでビックリ。もちろん、フアンのような男を目指して鍛えたという設定なのだろうけど、それにしてもマッチョすぎやしないか(笑)まるで中性的なことが売りだったビジュアル系バンドマンが中年になって急にマッチョに目覚めたかのような、あるいは未練たらしい失恋ソングを歌っていたフォークシンガーがいつのまにかマッチョな兄貴になってオラオラしはじめたかのような、あまりに急激な変化にかなり戸惑いました。

    大人になったシャロンは、ネグレクトだった母親を赦し、一度は裏切ったケヴィンを赦し、心の安らぎを得る。観る前に想像していたほど過激なことは起こらないし、比較的静かで情緒的な映画。もっと社会派作品だと期待した人は裏切られるだろうけど、純情少年の初恋成就映画だと思えば失敗しないと思う。

  • アメリカの黒人社会をベースにLGBTQを誠実に描いていて、そこに対する印象や考え方が変わると言うより深く根付かせるような感覚になる。やけに激しい広告的煽り文句は、商売柄&そもそも性や人種に対する差別意識の強い人が書いたのかなと思ったり。主人公を成長過程上3人が演じており、目が似ている子を選んだそうだけれど物凄いリアルな統一感に驚いた。何かが解決されるわけではないけれど、残像、間合い、心の揺らぎが映像として表現されていて心に染み込み、素直に登場人物たちの幸せを祈った。ブラット・ピットはもうプロデューサー業の方が良い仕事をしたりしてなんて思ったり。

  • アカデミー作品賞をとったというからそれなりに期待して観たのだが政治的意図が前面に出た受賞だったという印象。

  • 彼のその後が平穏でありますように

  • 仕草が同じだけで、同じ人に見える妙。
    大切な人に会う前の身繕いと大切な人と共にいるリラックスからの身繕い。
    ブラッシング。

  • 制作年:2016年
    監 督:バリー・ジェンキンズ
    主 演:トレヴァンテ・ローズ、アシュトン・サンダース
    時 間:111分
    音 声:


    シャロンは、学校で“リトル”というあだ名で苛められている内気な少年。
    ある日、いつものようにいじめっ子たちに追われていたところを、麻薬ディーラーのフアンに助けられる。
    何も話さないシャロンを、恋人のテレサの元に連れ帰るフアン。
    その後も何かとシャロンを気にかけるようになり、やがてシャロンも心を開いていく。
    ある日、海で“自分の道は自分で決めろよ。
    周りに決めさせるな”と生き方を教えてくれたフアンを、父親のように感じ始める。
    家に帰っても行き場のないシャロンにとって、フアンと男友達のケヴィンだけが心を許せる唯一の“友達”だった。
    やがて高校に進学したシャロンだったが、相変わらず学校で苛められていた。母親のポーラは麻薬に溺れ、酩酊状態の日が続く。
    自宅に居場所を失くしたシャロンは、フアンとテレサの家へ向かう。
    “うちのルールは愛と自信を持つこと”と、変わらずにシャロンを迎えるテレサ。
    ある日、同級生に罵られ、大きなショックを受けたシャロンが夜の浜辺に向かったところ、ケヴィンが現れる。シャロンは、密かにケヴィンに惹かれていた。
    月明かりが輝く夜、2人は初めてお互いの心に触れることに…。
    しかし翌日、学校である事件が起きてしまう。その事件をきっかけに、シャロンは大きく変わっていた。
    高校の時と違って体を鍛え上げた彼は、弱い自分から脱却して心身に鎧を纏っていた。
    ある夜、突然ケヴィンから連絡が入る。料理人としてダイナーで働いていたケヴィンは、シャロンに似た客がかけたある曲を耳にしてシャロンを思い出し、連絡してきたという。
    あの頃のすべてを忘れようとしていたシャロンは、突然の電話に動揺を隠せない。
    翌日、シャロンは複雑な想いを胸に、ケヴィンと再会するが…。

  • 『ムーンライト』
    ドラック常習者の母にものもとで育ったシャロンの人生を、少年期、10代、青年期の三部構成で描いた作品。
    少年期は‘理想の人間像に出会えた’時期
    ドラッグディーラーのファンは、父親がいず、ドラック常習者の母ポーラのもとで暮らし、周囲の子供たちからはいじめられ続けるシャロンを我が子のように自分の妻テレサとともに援助していく。
    このファンの姿が将来のシャロンの姿へ導いてくれたのは間違いない。仕事や身体といった外見だけではなく、生き様みたいなものを小さいながらに、全身で感じて憧れていたに違いない。
    10代は‘恋’の芽生えと、自我の確立の時期。
    幼馴染のケヴィンとの間に‘恋’を感じ、先天的に自らの中に宿っていたゲイの芽を自らも意識した時期。LGBTは先天的なものなのか、後天的体験に基づくものなか諸説あるようですが、私には先天的な要素に基づくのではないかと思えて仕方ない。ただ、それに目覚めるのに、後天的要因である感情的、身体的刺激が関わっているのであろう。
    ‘恋’に芽生えたシャロンの戸惑いは
    少女が恋に芽生えて自らの身体や心が制御できずに葛藤する姿のようだった。
    そして、少年期、10代のそれぞれの思い出で共通していたのがその大切な人たちとの苦い記憶、これは強烈だった。少年期、シャロンはドラッグディーラーのファンに『ママは麻薬をやっているの?ファンはその母に麻薬を売っているの?』と尋ねる。その時の、ファンの表情がたまらない。
    10代のそれは、クラスメイトに脅かされて、ケヴィンがシャロンを思いっきり殴るシーン。これは殴られたシャロンよりも殴ったケヴィンの辛さが伝わってくる。
    (それにしてもあのレゲエ野郎は何をしたいんだ)
    シャロンが椅子で殴りかかったのが、何故いけないのか?
    でも、このことがシャロンの脱皮のきっかけだった。『許せないことには、態度で抗議する』ことが必要で、社会や他人に任せていてはいけない。(社会に任せきっている私たちは牙を抜かれたに等しい)

    ドラッグディーラーは社会的には許されない仕事かもしれない。でも、人間が生きていく選択肢が本当に限られている環境(麻薬常習者を母にもつ)なら、それは個人にだけその責任をとらせることができず、辿っいくと社会のありかたに原因があるし、もっというと人が生きていくということは社会という枠よりも大きく、起源もずっと古いということでもある。
    この映画で見る限りのシャロンの心は美しく強く、優しい。生きている彼にとっては安らぎの少ない人生が続くだろうが、観ている私たちにはそれが伝わってくる。そんな生き方は細々と受け継がれていくだけなのかもしれない。
    AIに争いだらけの人間社会の政治を任せて平和を創造してもらうようなことになったら、彼等はきっと『心の綺麗な人間』をヒエラルキーの上位に置くようにすることだろう。心の綺麗な『薬の売人』はありえないことでない。
    そういう社会になれば『薬の売人』なんて職業どころか、ドラッグ自体がなくなる。

    夢想はこのくらいにしておく。

    少年時代の黒い肌に輝く瞳が、希望の未来でなく強烈な理不尽を見せつけられて、この地上に生を受けたことに怯えていた。

    yamaitsuさんはファンのことを清原和博にたとえていた。私もこの映画を見ながら清原和博を思い出した。でもそれは、ファンにではなく、シャロンの姿にだった。
    甲子園に桑田とk.kコンビとして活躍していた頃は、まだまだ線が細かったが、西武に入り、巨人に移籍するとがっしりとしたマッチョな体型になっていった。そして引退後、覚醒剤の使用で逮捕されるに至るわけだけれども、その過程を慮るとあの体験の前の線の細い清原和博がグッと強く思い出され10代のシャロンとダブった。

  • 正直わからない。難しいのかどうなのかもわからない。
    それは、人種差別、性差別とかじゃない次元で。
    賞を取ったと言う色眼鏡を外してみたが本当に良く分からなかった。

  • シャロンの心の葛藤がせつなくなる。
    悪の道に入ってしまったが
    それを悪いこととは言えないと思えた。

  • 人種差別とジェンダー差別のダブルパンチを喰らう少年の成長譚。「黒人の少年は月明かりの下で緑に輝く(だっけ?)」というテーマを象徴するタイトルその通りに、自ら輝くのではなく、環境によってそのアイデンティティを決定される受動的存在である弱者。貧困と差別と性の問題を歳を追って描いていき、ラカン的に言うところのオイディプス的去勢の根深さを訴える。さすがオスカー作品賞を受賞しただけあって、その「緑に輝く」ラストがグロテスクで醜いようにも、崇高で美しいようにも受け取れるバランスが見事。決して面白い話ではないけど、撮り方と音楽は格好良い。☆4

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