ムーンライト スタンダード・エディション [DVD]

監督 : バリー・ジェンキンス 
出演 : トレヴァンテ・ローズ  アシュトン・サンダース  アレックス・ヒバート  マハーシャラ・アリ  ナオミ・ハリス 
  • TCエンタテインメント
3.37
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本棚登録 : 388
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4562474188173

感想・レビュー・書評

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  • MOONLIGHT
    2016年 アメリカ 111分
    監督:バリー・ジェンキンス
    出演:トレヴァンテ・ローズ/マハーシャラ・アリ/ナオミ・ハリス
    http://moonlight-movie.jp/

    想像してたより普通に恋愛映画でした。というと語弊があるのかもしれないけれど、貧困とか人種差別とか社会問題的な部分にもっとクローズアップしているのかと思っていたので、もちろんそれも含まれているのだけど、全体の印象としては男性版『キャロル』的な、たまたま同性同士ではあるけれど、しみじみ一途な恋愛映画の余韻。

    たとえば主人公のシャロンは内気で軟弱なので、本人が同性愛者だと自覚する以前からいわゆる「オカマ」と苛められている。しかし彼を苛めているのは白人ではなく、同じ肌の色の少年たちであり、苛められる理由は肌の色ではなくあくまでシャロンの内向的な性格。その遠因はヤク中でネグレクトな彼の母親であり、個人的には学校でいじめられることよりこの母の毒親っぷりのほうが観ていて辛かった。

    そんな少年時代の彼を支えたのは、偶然知り合った麻薬の売人フアンとその妻テレサ。仕事柄見た目はいかにもな感じ(清原みたいとか言ったら怒られるかしら)のフアンだけど、シャロンにかつての自分を重ねてでもいるのかまるで息子のように親身に接してくれ、テレサもまた優しい。この疑似両親のような二人の家という逃げ場があっただけでもシャロンは恵まれていたのかも。映画の終盤で大人になったシャロンの外見はフアンにそっくりで、彼の言葉や優しさだけがシャロンにとって生きる指標になっていたのだなと思わされる部分がいちばん泣けた。

    一方、苛められっこのシャロンの唯一の友人にして、結果シャロンが恋心を抱くようになる相手ケヴィンのほうですが、疑似父フアンの存在感に比べて、正直ケヴィンは観客にはそれほど魅力的には映らない。友達のいないシャロンに声をかけてくれたりする優しさはあるけれど、それだけで好きになるかなあ?っていう。そしてケヴィンのほうではシャロンをどういう目で見ていたのかがイマイチ伝わってこない。映画は3部構成で少年時代、青年時代、大人になってからで役者が変わるのだけど、シャロンに比べてケヴィンは出てくるたびに印象が変わり、ひとつの繋がった役として見れないのもちょっと微妙だった。

    シャロンのほうは、子役→青年までの変化は似た感じの子で、ひよわそうでモジモジしてるところとかずっとひとつながりの役として観れたけど、大人になったら急にマッチョになって出てきたのでビックリ。もちろん、フアンのような男を目指して鍛えたという設定なのだろうけど、それにしてもマッチョすぎやしないか(笑)まるで中性的なことが売りだったビジュアル系バンドマンが中年になって急にマッチョに目覚めたかのような、あるいは未練たらしい失恋ソングを歌っていたフォークシンガーがいつのまにかマッチョな兄貴になってオラオラしはじめたかのような、あまりに急激な変化にかなり戸惑いました。

    大人になったシャロンは、ネグレクトだった母親を赦し、一度は裏切ったケヴィンを赦し、心の安らぎを得る。観る前に想像していたほど過激なことは起こらないし、比較的静かで情緒的な映画。もっと社会派作品だと期待した人は裏切られるだろうけど、純情少年の初恋成就映画だと思えば失敗しないと思う。

  • ん?なんだこれは?純愛映画?と、理解していいのかな?

    プライムビデオで「グリーンブック」と「インビクタス」を観たら、次にこれがおススメの映画で出てきた。黒人の少年シャロンは、ヤク中の母親にひどい扱いを受けて育つ。なんとなく女性っぽいところがあり、同級生にはいじめられ、ひどい暴力も受ける。ケヴィンという友達は、対等に接してくれる。が、ケヴィンも弱い少年の一人だ。同級生にシャロンをなぐれ、などとけしかけられ、断れない。

    ちょっと理解できなかったのは、これは黒人社会のコミュニティの話なのだが、黒人が黒人を差別するような描写がけっこうあること。
    シャロンを可愛がってくれる麻薬の売人の男や、シャロンの同級生たち、そしてケヴィンも、親しみを込めて?シャロンに「ニガ」とか「クロ」とか呼ぶ。貧しい黒人の社会で、黒人が黒人であることに誇りを持てないからなのか?その辺がよくわからないなぁ。

    大人になったシャロンは母から投げつけられた酷い言葉を忘れられずにいる。母が赦しを乞う場面、シャロンが赦しを与える?場面は泣けた。そしてケヴィンに再会する場面。相変わらずケヴィンはよくわからん奴だ!!(笑)
    しかしシャロンは、ケヴィンと一度だけ、触れ合った記憶とともに生きてきたのだ。
    うーん、最後、それでどうなるんか?
    シャロンの前途は多難そう。

  • 正直 最後絡みがなくてホッとした。シャロンのことを思うと辛くて…絡んでしまったらもっと辛いわ。人生クソだわと思うまわりに勝手なヤツがなんと多いこと。欲ってのは周りを巻き込むものなんだなってあらためて思った次第。

  • アカデミー作品賞に選ばれた作品 何の予備知識なく観ました。何とも 淡々とした中で ブラックであること、住んでいる地域的な悲壮感 性に対すること、ヤク中の親に育てられて…無口な少年が捉えてゆくもの。色んな差別の中で 生きて行くこと
    幼少期、青年期、成人して3部作が違う俳優達によって同じ人物シャロンを時代を越え描いているけど、三人三様なのに、何と言っても あの瞳が印象的で 瞳が語ってる という映画だった気がします
    少し、難しく どう捉えたらよいか自分の心の準備が出来ないまま、淡々とドラマは展開されていった。
    どんなふうに 成長していっても 何かを突き動かすものは 自分そのものでしかないんだと感じさせられた作品だった。

  • 真面目で内気な黒人少年シャロンが、厳しい現実に翻弄されながら、生きていく物語。
    少年期、青年期、大人の3部構成で描く。
     少年期。月明りでお前は ブルーに輝く。
     青年期。泣きすぎて からだが水滴になってしまいそうだ。
     大 人。あの夜のことを、今でもずっと、覚えている。

    いたいけで愛おしいシャロン少年に応援を贈りたい。「シャロンん~~~っ!」
    シャロンはとてもいい子なのに、学校ではいじめられ、家庭も平和ではありません。
    ママはシャロンを愛し期待もしているけどママ自身は弱い人です。ヤクも売春もやってしまいます。
    どこにも居場所がなかったシャロンは、たまたまヤクの売人フアンと出会う。
    フアンは、シャロン少年を可愛がり、泳ぎと、人生は自分で切り開かなくてはならないのだということを教えた。
    シャロンにかつての自分を重ねたのかもしれない。

    学校では小中高通して毎日テレル一味にいじめられっ放しだったが、
    何かと声を掛けてくれるケヴィンという友人がいた。
    ケヴィンだけには、心を開き、笑顔で話すことができた。

    高校生になっても何も変わらない日常の中で、ある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、
    シャロンとケヴィンは初めてお互いの心に触れることに…

    そして内面は変わらぬまま、外面を強くしてヤクの売人になったシャロンに、
    アメリカの黒人社会の厳しい現実と、そこで生きる、行き場のない人々の心持ちを垣間見た気がした。

  • なんか切ない。

  • 3.5。えっあれっ終わった!みたいな感覚だった。心理描写が素晴らしく、なんか深い映画だな〜とは思ったけど個人的な趣味趣向からすると好きー!ってほどではなかった。大事なシーンがあえて映像化されてなくて、飛んでるという手法はなるほどと思った。人間の弱さとか複雑性がよく描かれてるとおもう。

  • 自分とは遠いところの話として片付けてはいけないのだろう

  • B+。
    映像が美しい。
    時間は流れている。

  • 社会性のある内容で受賞した事に興味持って見た。黒人社会で薬の売人 子育て放棄の母と子 イジメ その世界で成長してもやはり同じような仕事。

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