後悔病棟 (小学館文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 恒谷美雨さんの本はこれが初めて。友達に勧められ、ドキドキしながら読んでみました。

    後悔病棟。名前からはいろいろな意味が想像できましたが、後悔ということは何か悲しい出来事があるのかな、と少し不安になりつつも読み進めました。

    主人公は、少し鈍感な新人医者のルミ子。失言してしまい、しょっちゅう怒られていたルミ子ですが、ある日、花壇に聴診器が落ちているのを見つけ、拾った時から何かが変わりました。実はその聴診器は、相手の気持ちを読み取ることができる優れもの。ここまで読み、現実離れしたけれど面白いのだろうかと不安になりました。私の好きな作家の瀬尾まいこさんは、現実のあれこれを取り上げた作品が多いため、あまり現実離れした作品には慣れていなかったんだろうと思います。
    けれども、そこからとても面白い方向に変わりました。全員が全員そういうわけではないでしょうが、未来を変えても今よりも悪い未来になり、末期癌の患者さんたちが安心して亡くなられるのが、かなりの安心感を与えてくれました。

    希望病棟も貸してくれた友達は持っているそうなので、また借りようと思います。

  • 不思議な聴診器を拾ってしまった若き女医。死期を悟ったガン患者たちと交流してゆく ある意味メルヘンチックだけれど、「死」を意識せざるを得ない病室でのやり取りは辛い事ばかりではない。やり直しがきかない人生をやり直してみるという体験はファンタジーとも思われるけれど実は誰しもが思い描いている「もしも…」という夢なのかもしれない。
    こんな事あるはずないと思っていてもグイグイ読み続けてしまう。作者の意図にまさしく乗っかってしまった。

  • 病院が舞台のファンタジー。

    各話同じようなお約束的展開になるのかと思いきや、それぞれ趣向が凝らされていて、展開や結末もそれぞれ。

  • もしもあの時に戻れたら、、、誰もが想像(妄想)する戻れないあの時。余命宣告された患者が思う『もしも』にはやはり重みがあることだろう。患者の気持ちがわからない医師が不思議な聴診器を使うと心の声が聞こえ、もう一つの人生に戻れる?!年齢性別の異なる4人の患者の『もしも』は、後悔した経験があるほぼ全ての人が共感するはず。
    続編も楽しみです。

  • 相手の気持ちがわからない、空気の読めない医者が拾った聴診器で相手の気持ちがわかるようになるどころか、過去に戻ってやり直せる!設定が面白い。後悔している人生の分岐点をやり直したいなんて誰しもあると思うけど、やり直したとしても、ほんと幸せ?という話。意外と自分の人生これで良かったんじゃないか、そう思って前向きに今を生きよう。一つひとつの話はもっと深掘りしてもいいかな、と思えるほどライト。その分読みやすくてさらっと読めた。エピローグで、続編も読みたくなった。

  • 設定が少しファンタジーすぎるとも感じたが、過去をやりなおしてもあまり上手くいかないところが現実的だと思った。たった一度の選択を後悔したとしても、その後の選択次第でどうにでもなるものだと思えた。

  • 2023.12.04
    しみじみと考えさせられる一冊。こういう本を読むのに適した時期はいつ頃だと思われるでしょうか?
    年代別?若いとき、中年期、老年期?
    それともシーン別?落ち込んでいるとき、調子に乗っているとき、悩んでいるとき?
    そうした読み手の置かれている状況で受け止め方が万華鏡のように変わる作品だと思います。
    ちなみに、ワタシは53歳なので、もっと若いころに読みたかったなあという気持ちです。

  •  末期がん患者の主治医として働く女医。患者を含め相手の気持ちが読めず苦労をし続けている。女医は、当てると相手の気持ちを感じ取れる聴診器を得る…。

     そして聴診器を当てると患者の前には過去に通じる扉が現れ…余命いくばくもない患者たちは、「あの時に戻ってやり直せたら…」という願望を実現させる。やり直しは実現するが、それは患者を幸せにするものも不幸にするものもある。

     タイトルがベタなのがマイナスだが、引き込まれて読んだ。

  • とてもハートフルでした。
    1人目の最後、子供のころの情景が見えるシーンは一番印象に残りました。

  • 面白かった。魔法の聴診器。そして、過去への扉。邯鄲の夢、という言葉を思い出しました。

著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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