沈黙-サイレンス- [DVD]

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監督 : マーティン・スコセッシ 
出演 : アンドリュー・ガーフィールド  アダム・ドライバー  浅野忠信  窪塚洋介  イッセー尾形 
  • ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2017年8月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4547462111814

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沈黙-サイレンス- [DVD]の感想・レビュー・書評

  • たった3時間で、よくぞここまで遠藤周作氏の原作小説に込められた沢山のテーマを破綻なく盛り込めたな、と、スコセッシ監督の構成力と映像力に驚嘆しました。

    舞台は江戸時代(1640年)。
    ポルトガル人でイエズス会の若き神学者ロドリゴは、キリスト教弾圧の嵐が吹き荒れる日本で布教活動を行なっていた師フェレイラが、棄教したと知らされます。
    俄かには信じがたいその事実を確かめるため、彼は、同僚のガルペと共に日本に向かいます。
    たどり着いた長崎では、キリスト教弾圧を行う長崎奉行所に追われて身を隠しながら、隠れキリシタン達の告悔を聴き、ミサを行うなどしていましたが、一度「転んだ(棄教した)」経験を持つキチジローに密告されて囚われ、拷問にあう信徒達を救う条件として棄教を迫られて…というお話。

    自己犠牲の物語でもあるし、信仰のあり方を問う物語でもあるし、西欧と日本の宗教・文化両面での根幹的相違の物語でもあるし、(あくまでもイエズス会視点から区別した)信仰の強者と弱者がそれぞれに抱える苦しみの対比の物語でもあるし、もっともっと別の物語でもある。

    外国人宣教師たちの日本への布教活動が、自分達が属す西欧の文化や宗教の優位性を信じて疑わない傲慢さから出ていることや、西欧諸国が利権および覇権争いと領土拡大のためにかつて行ったアメリカ大陸の植民地化と同じような侵略的な意図が少なからずあるだろう面もちゃんと描かれています。
    この辺りは、キリスト教を弾圧する側の長崎奉行所筑前守役の尾形イッセーさんとその部下役の浅野忠信さんの演技が本当に見事です。
    監督さんはおそらくキリスト教徒だと思うので、いわゆる「敵方」の言い分を黙殺せずに描いたことにも感心しました。
    日本を重んじ守ろうとする二人の姿に、(拷問も処刑もよくないけど)そうなんだよー、それが日本特有の文化だし宗教観なんだよ〜、とうんうん頷いてしまいました。

    かつては信じて疑わなかった信仰のあり方をロドリゴが深く悩むきっかけとなる裏切り者のキチジローを演じた窪塚洋介さんもけっこういい味出してます。何度も「転んで」、何度も赦しを乞う弱さが胸に迫ります。

    原作とは少し異なる部分も、また興味深かったです。原作に手を出すのを躊躇う方が映画から入るのもオススメな出来栄えでした。

  • SILENCE
    2016年 アメリカ 162分
    監督:マーティン・スコセッシ
    原作:遠藤周作『沈黙』
    出演:アンドリュー・ガーフィールド/アダム・ドライバー/リーアム・ニーソン/窪塚洋介/浅野忠信/塚本晋也/イッセー尾形/加瀬亮/小松菜奈
    http://chinmoku.jp/

    くだらない余談から入りますが、2012年のドラマで関ジャニの錦戸亮が本人役を演じる「パパドル!」という作品がありまして、まあドラマ自体はファンから見ても黒歴史レベルの酷い内容だったので粗筋等は省きますが、そのドラマの中でマネージャー役の財前直見がある日、錦戸に「マーティン・スコセッシが遠藤周作の沈黙を映画化しようとしていて日本人キャストを募っている。オーディションを受けてみないか」という話を持ち込みます。繰り返しますが2012年のドラマです。ドラマの中の設定にしては妙なリアリティがあったので興味をもって調べてみたら、その時点でマーティン・スコセッシが「沈黙」を映画化しようとしている話は実際に進んでいることはわかりました。ドラマの中で錦戸はこの話を断りますが、実際にはジャニーズからも例えば嵐のニノ、V6の岡田くんあたりならオーディション受けにいったかも、というか、日本の芸能事務所各所に映画「沈黙」出演キャストのオーディションしますよというお触れがこの時期出たのはたぶんガチだったのかなと。

    閑話休題。そんなわけでその直後に原作は既読。映画は原作のテーマに忠実で、当時の日本の様子等も他のハリウッドのとんでも映画に比べたら随分丁寧に再現されており、かなりの力作、そして良作でした。日本の信徒たちが基本的に英語ぺらぺらなのはちょっと出来すぎかなと思いましたが、そこはやはり日本ではなくハリウッドで映画化されたのだからあちら向けの利便性を考えれば仕方ないか。むしろキリスト教国で作られながら、必要以上に日本側(※信徒ではなく弾圧する側)を残虐に描かず、拷問シーン等も想像よりずっと視覚的に耐えやすくしてあったし、せっかく布教にいったのに日本人残虐卑劣!迫害に耐えた司祭えらい!みたいな美談せず、きちんと原作のテーマを汲み取ってあったのが素晴らしいと思いました。

    なので正直感想については、原作を読んだ後とほぼ同じ。なぜ神は信徒の苦しみを前に沈黙しているのか、もしかして神は最初から存在しないのではないのか、揺らぐロドリゴの気持ち、しかし神ではなく人間として苦しんで死んだイエス・キリスト(彼もまたエリエリレマサバクタニと十字架の上で叫んだ)への信頼。キチジローという人間は、弱い。弱いけれど悪ではない。彼への嫌悪感を隠せないロドリゴは、彼に比べたら筋の通った悪のほうがよっぽどマシだと思うけれど、実は彼のように弱い人間にこそ教えや救いは必要である。主観かもだけど、ロドリゴがいつも思い浮かべるキリストの絵、その顔が、なぜかキチジローに似ていることが暗示的だった。

    日本人キャストは皆さん熱演で良かったです。キチジローの窪塚洋介はもちろんのこと、通訳の浅野忠信や井上筑後守のイッセー尾形の得体のしれない感じ、そして殉教する百姓モキチ役の塚本晋也がまあすごい迫力でした。役者としても通用する監督って日本では珍しい気がする。公式サイトやチラシにクレジットされてる以外にも結構たくさん日本人の俳優さんが出ていたのだけど、私がはっきりわかったのは青木崇高と片桐はいりだけでした。

    映画は文芸坐で観たんですが、7/31最終回上映前に窪塚洋介の舞台挨拶がありました。うすい色のサングラスにカジュアルなファッション、見た目は正直かなりチャラめ、登壇して開口一番「マット・デイモンです」と言ってだだすべりしてましたが、それ以降は空気を読んだのかわりと真面目にトーク。正直あまりこういうトークは得... 続きを読む

  • 考えさせられたし観て損しない素晴らしい映画だった。
    棄教したロドリゴが生き、懐にロザリオを隠し持っていたキチジローがなぜ最後になって連れていかれたのか。それはキチジローの信仰と行動が伴っていなかったからだと思う。肝心なときに裏切り、赦しを請う。形あるものに縋っている、形だけの信仰心。
    対してロドリゴは徹底して棄教することを選んだ。神を崇めることよりも、敵を愛して人々を助けながら生きていくことこそが、本当の信仰なのではないか。躊躇っていたロドリゴに「それで良い」と神の声が聞こえたのは、自分の中にあったキリスト教の本来の教えと向き合ったことで、自分の中に神を見出したからだと思う。
    教えは神と同一であることや、「弾圧の中で棄教した人々を赦してほしい」という遠藤周作のメッセージが込められているような気がした。
    最後、壮大な音楽は使わずにひぐらしの鳴き声で終わった演出も素晴らしかった。

  • 隠れキリシタンの話を
    洋画でやることの素晴らしさ。
    題材としては、相当難しいと思う。
    よくできたな。

    映画自体は、とても力強く、
    画がキレイで、静か。
    展開がしっかりしているので、
    眠くはならないが、エンタメ的に
    楽しい感じじゃない。

    観る人の宗教観によって、色々かな。

  • 劇場視聴

    劇場で観る事ができて本当によかった

    宗教とは、信仰とは何か
    この苦行の先に見いだせるであろうはずものが果たして、己の信ずる真理であるのか

    信じる主の"沈黙の声"を彼が確かに聴く事ができたのは、その心の内を、罪を、漸く認める事ができたからなのではないか

    弱き者の象徴として何度となく転び告悔をと縋るキチジローが、実は誰よりも心底切支丹なのだと私には感じられた

    ★4.2

  • クンドゥンみたいな作りを期待していたので、少し違って拍子抜け。

    司祭が日本のキリスト教の布教具合を知るまでが意外と尺があり、棄教に至るまでの流れは思いの外短くちょっと残念だった。

  • 変な音楽がついてなかったのはとてもよかった。

    イッセー尾形は舞台で見たらそうは思わないのに、映画で見るとわざとらしくて、下手だなと思った。

    リアム・ニーソンの日本語は全く日本語に聞こえなかった。
    英語でしゃべってるけど、ホントはポルトガル語でしゃべってるつもりなんだよね。不思議。

    江戸時代であれだけ外国語が話せる人がいるのはありえない。(まあそうでないと話が進まないからしかたないけど)
    スコセッシだから、もっと残酷なシーンが多いかと思っていたけど、そうでもなかった。(スコセッシ比です。)

    アンドリュー・ガーフィールドは『わたしを離さないで』でも『ハクソー・リッジ』でもつらい目にあっても耐える役だったが、欧米人から見てそういう顔なのだろうか。(「スパイダーマン」は見てない)

    しかし、誠意をもって作っていることが伝わったし、原作の言わんとすることもだいたい汲めているのではないだろうか。

    それにしても日本人汚いな。貧しいのはいいけど、汚いのはなんだか嫌だった。せめて妻くらいは美しく撮っても良かったのではと思った。

  • 何しろ原作読んだのがはるか昔なのでちょっと比較が難しいんだけど…。主人公の葛藤みたいなものは原作の方が圧倒的だった気がする。しかし窪塚キャラ、原作でも確かなかなか強烈だった気はするんだけど、映画での存在感半端なかった。志願した二人のパードレがスターウォーズとスパイダーマン出身なのが気になって気になって…。とにかく原作が再読したくはなる。やっぱりすごい本だったなと。

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