プラージュ (幻冬舎文庫) [Kindle]

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  • 幻冬舎
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感想・レビュー・書評

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  • わりあいとっちらかった群像劇ではあるが、混乱もなく読みやすいのは、やっぱりプロの筆力だなあ。
    一冊で終えるにはもったいないくらい、それぞれのキャラクターが魅力的。それぞれを主人公としたアナザーストーリーズをぜひ読んでみたい。

  • 設定が面白くて、展開もテンポも良く、最後の方で、あっと驚かされた。一気に読めます。誉田作品は刑事モノ以外の方が好きだな。

  • 2018年 9冊目。

    登場人物がたくさんいるし、呼び方が名前だったり、苗字だったりでわからなくなって前に戻る…
    時系列もあれ?!これって??みたいになってまた前に戻ってみたり…
    でも最後は「え!!」って声に出してた。

  • 引き込まれてどんどん読み進めた。

    シェアハウス、北風と太陽、前科者・・・・
    気になるワードがたくさんあると、物語に入り込んでしまう。
    特に寝る前はまずい…眠くなって本を閉じたのに、夢で続きを読もうとするという経験をした。

  • 面白かったと同時に考えさせられる作品。作者の姫川シリーズが好きな人は間違いなく楽しめると思う。完全な悪人というのはいなくて、誰でも犯罪者になり得る。法の裁きを受けた後は前科者としての人生を歩む。そんな人達の暮らすシェアハウスのお話。前科者達の過去を描くだけでなく、ミステリ要素もあり、一冊に盛り込まれた要素が多くとても楽しめた。



  • 決して本物の悪人ではないけど、一時の気の迷いだとか
    魔が差したとかで、犯罪を犯してしまうという事は、まぁ多分あるんだろう。執行猶予がどうとかないけど、自分も速度違反で捕まったことあるし。
    じゃあ速度違反が微罪で、主人公の薬物所持が重罪だろうか。どっちも最悪の場合、他人を殺しかねないという意味じゃぁ同じくらいって気もするし法律がそうなってるなら、とりあえず法律通りに捉えるべきという気も。でもそれくらい、ぎりぎりの境界線に生きているんだと思うし、その境界線のちょっと向こう側の人をそんなに偉そうに断罪できんとも思う。

    自分の周りにどんだけ悪人がいるのか分からんけど、
    頑張ってるなら信じてあげようって思うよね。

    とか言いながらも、この本に出てくる人たちは概ねそれなりに魅力的でデブでブスでハゲで臭いおっさんとかお姉ちゃんは出てこないわけで、そういう人たちが何やっても絶対に報われない、みたいな世界もあるはずだよ、こんな小説はインチキだ、イカサマだ、って言いたくなる気持ちも分かる。
    まぁそれが現実よね。

  • Wowwowでドラマ化されたらしい。前科を持つものの社会に復帰する難しさを描いたお話。ちょっと人生の海岸を踏み外しただけなのに、元の場所に戻るのはとても難しいのだなと感じた。プラージュというシェアハウスのメンバーがほのぼのしていてよかった。

  • 誉田哲也作品は久々。
    前情報なしに読み始めましたが、ぐんぐん惹き込まれ一気読み。
    前科を持つものが社会復帰するのは難しいと思う。色眼鏡で見られるから。
    でも罪を犯したものが容易に通常の生活に戻れるのもどうかと思う。
    事件を起こした原因まではわからないが、みんないろんな事を我慢して生活している。
    そんな当たり前の事を当たり前に出来るようにと考えられたシェアハウスなんだろうか。
    刑務所ではないので、番号で呼ばれるわけではなく、何らか強制をされるわけではないが、お互いの事を知り、お互いを気遣う事で更正していく。
    WOWOWでドラマになったことを読後に知り、これは見なきゃと思わせる作品ですね。
    どこまで映像化出来るのか?私の思い描いたイメージとどこまでマッチしているのか?
    楽しみです。

  • 初の誉田哲也作品。犯罪を犯してしまった人たちが人生を立て直すのには根気が必要。世の中的にも精神的にも厳しいことがたくさんある。現実世界では再犯してしまう人、更生できない人もたくさんいる。実際は潤子さんのように全てを受け入れることはリスクがで大きすぎる。と思ってしまうのも偏見なのだろうか。やっぱり自分や、自分の大切にしている人が一番。自分が犯罪を犯さない限り、共感は難しいかなぁ。でも過去に犯罪歴があろうが、自分の目で見たものを信じるということは大事にしていこうと思う。
    途中間を空けすぎて登場人物がわからなくなってしまいました。よってラストの伏線回収に?がついて何度も読み返してしまったので星2。(一気に読んだら変わってたかな、、、)

  • 「プラージュ」
    訳あり住人の再生は。


    (敬称略)残念ながらWOWOW非加入であるため、星野源、何より石田ゆり子を見えないのが非常に悲しい。


    主人公は、星野源。仕事も恋愛もうまくいかないサラリーマン貴生。気晴らしに出かけた店で、勧められるがままに覚醒剤を使用し、逮捕されてしまう。更に、執行猶予中ではあるが、住居は火事になってしまう。そんな中、貴生が見つけたのは「家賃五万。掃除交代制。仕切りはカーテン。美味い飯付き」のシェアハウスだった。カーテンが引っかかるものの、貴生には有難い物件に見えたが、どうやら住人は皆訳ありで。


    これは、犯罪者のその後に焦点を当てた小説です。メインキャラクターは7人おり、其々が犯罪を犯したり、身近で犯罪者がいたり。犯罪は、許されない中、犯罪を犯した人間はどう生きるのか。生きるべきか。


    貴生には、隙があり、時に気弱で、でも実直である。犯罪者の特異な空気はない普通の男性。そんな男が、仕事で色々あって、覚醒剤を一回使っちゃう。貴生の場合は、キャラクター上全く悪い奴に見えないため、なんでしてしまったんだと言う思いが湧いてきます。


    特異なのは、小池美羽。壮絶な過去を持つ少女。この少女を中心に物語が展開されていきます。貴生が緩い分、美羽で重くなる。


    踠きながら前に進もうとする再生記録。

  • 20171008

  • 前科者たちが共に住むシェアハウスの住人たちと悩み、暮らすことを通して更生、立ち直るストーリー。
    章によって、話し手や時系列がかわっているので、頭の整理が必要だった。
    最後の展開に驚いた。

  • アパートの上階が火事になり、焼け出された貴生。ちょっとしたきっかけから使用した覚せい剤のために捕まり、前科持ちとなっていたために新たな住居を探すこともままならない彼は、相談した不動産屋から紹介された、1階はカフェ、2階は扉のないシェアハウス『プラージュ』で生活をはじめることになる。
    何かしらのワケを抱えている風変わりな住人たちに囲まれて、貴生の再出発がはじまるが、一度「マエ」がついた人間に世間の風は思いのほか冷たい。

    個性的な住人たちの群像劇、合間に挟まれる、逆転無罪となった殺人犯を追いかけている記者の独白がミステリー調で面白い。

    貴生がへたれで臆病でおよそ根性のない感じのする青年なんだけれど、そのしょうもなさが妙にリアルでどこか憎めない。文庫解説にもあるとおり、こんな風に特に思い入れも何もなくするするっと罪を犯してしまって、再起が難しくなる人、案外世間にいるんじゃないだろうか、なんて思ってしまう。

  • 468

    2017年では102冊目

  • 脛に傷を持つ人々がシェアハウスで織りなす日常を描いた小説。
    筆者が本書で言いたかったと思われる「過去に事件を起こした人が出所しても、日本という社会規範では阻害、迫害され、まっとうに生き直すのは難しい。しかし、そのルールの中で生きていく」というものを、様々な人物像から描いている。
    終始一貫した主張で描かれているため、内容はズレも無く読みやすいが、謎めいた書き方をしている部分や結末がイマイチ。

  • 久しぶりに一気読み!面白かった

  • 自分が何かの拍子に犯罪者になることがあるのかもしれない。そうなったら、貴生みたいな気分なのかな。冤罪だったら、友樹みたいになるのかな。
    犯罪者の気持ちは当の本人にしかわからないし、十人十色の背景があるんだろう。登場人物の感情を推測することはあっても、感情移入することが全くない本という点で、私にとっては新鮮でした。
    読み手の固定概念や先入観によって、読み方が変わってくる本ですかね。

  • その場に流されるがままに覚醒剤を使ってしまい、
    初めてのその時に警察に捕まってしまった貴生。
    仕事も家(こちらは火事で)も失った彼が保護司を
    頼って辿り着いたのは、とあるシェアハウスだった。
    家賃5万。部屋に扉はなくカーテンだけ。3食付き。

    心機一転、改めて頑張って行きていこうとする貴生だが、
    彼を見る世間の目はとても冷たくて・・・
    さらにシェアハウスの他の住人たちもなんだか訳ありの模様。


    罪を犯してしまった人達の、出所後の辛さやわずかな希望を
    描く大人の青春物語。
    正直言って、前科者って聞くとやはり怖い。
    捕まっていなくても悪いことやってる人はいるだろうし、
    表立って何も悪さしていなくても内側ではとても酷い人もいるかも。
    それでも、捕まるようなことをした人ってのは、悪事に対する
    ハードルみたいなものが低いんじゃないかと思う。

    だから、いくら前科者たちが「心機一転」頑張ろうとしてても
    全面的には信用できないよなー。
    この小説は前科者たちが主人公だから共感してしまう部分も
    あるけれど、例えばプラージュが近所にあったら、、、うーん、
    あんまり近づかないかも。

    あ、あくまでも物語としてはとても面白かったよ。
    主人公たちの心理描写やその変化もしっかり描かれていてね。

  • ハラハラドキドキさせられながら、切なさに包まれるような小説。

  • ここのところなぜだか、犯罪を犯した人の話ばかり読んでるなぁ。
    これも、過去に犯罪を犯した人ばかり登場します。
    なんだかちょっとドタバタというか、「終盤そういう展開なの!?」とちょっと唐突に感じてビックリしてしまう内容でした。怖いよ、美羽ちゃん……。

    貴生が美羽を好きだったっていうのはなんか意外。
    きっかけになるようなエピソードあったっけ?

    なんかちょっと私とはピントが合わない話でした。

  • フィクションなのにこの街のどこかに本当にありそうな気がしてしまう小説。最後は「プラージュ」という店名にも納得。
    主人公が「プラージュ」店主の潤子ではなく、一番癖のない貴生なのも読者としては読みやすかった。
    夏にはドラマも放送されるし、発表されてるキャストもイメージにぴったりで非常に楽しみだ。

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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