- Amazon.co.jp ・電子書籍 (296ページ)
感想・レビュー・書評
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平均の誤謬による弊害、個性の原理(バラツキ、コンテクスト(条件と帰結のシグネチャー)、迂回路)、企業や高等教育における個性を重視した取り組み事例を学べます。
企業の事例として、コストコ、ゾーホー、モーニングスターの取り組みが紹介されています。モーニングスターの取り組みが現在所属している会社の文化に近いと感じたので、もう少し深掘りして業務に活かすところまでつなげたいと感じた。
みんなと同じことで秀でても社会で役に立つ可能性は低い。
というのは、社会人であれば多くの方が同意してくれると思っています。
平均の誤謬をに染まった教育や制度を乗り越える示唆を得られました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
平均をとって、誰にでも合うものを作っても、実際にその平均に合う人がほとんどいないというのが興味深い。ビジネス書だが、統計を学ぼうと考えている初学者にもおすすめ。
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第4章の性格は一次元的に評価すべきでないというのは秀逸であった。NBAのニックスの話も具体的でわかりやすかった。
第5章の「相手の置かれた特殊なコンテクストに注目し、『あのコンテクストではなぜあんな行動をとるのだろう』と考えることができる」は秀逸だ。 -
【由来】
・早川書房のfacebookで、何か絶賛っぽかったのと、hontoで30%オフだったので。
【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
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【目次】 -
色々な具体例を出しながら、今日我々を取り巻いている「平均主義」の悪弊を摘出し、個性を重視すべきであると説く。学校は、個人の能力を高めるためのものではなく、個人の能力をランク付けるためのものという指摘には、少なくとも一面の真実がありハッとさせられた。
あの人は頭が良いというと、それだけで何か明確なことを話したような気になるが、実際は数学ができるのか、国語ができるのか、英語ができるのか、あるいはもっと違う意味なのか、これが「平均主義」に染まった人間の思考である。人事評価も、多様な個性を1つの指標でランク付けするのが誤っていることをマイクロソフトなどの事例で説明する。
「平均主義」が常に誤っているわけではないだろうが、無自覚に濫用するとダメな場合も多いということだろう。また、すべての場合において、個性を重視といっても、実行は容易ではないだろう。
ただ、少子化が進む日本の教育で個性を重視というのはあるだろうし、閉塞感漂う日本の企業で人事評価のやり方を見直すというヒントになるのではと思った。
著者はハーバード大学の教育大学院の学者であるが、内容はあまり学者っぽくないように感じた。