メッセージ [DVD]

監督 : ドゥニ・ヴィルヌーヴ 
出演 : エイミー・アダムス  ジェレミー・レナー  フォレスト・ウィテカー 
  • ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
3.67
  • (46)
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  • (66)
  • (14)
  • (6)
本棚登録 : 413
感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4547462113467

感想・レビュー・書評

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  • これは今年の6月に劇場で観賞しました。
    NHKの番組で監督インタビューも見て面白いと思って観てきたわけですが、鑑賞後はなんだか訳がわからないまましばらく頭の整理ができなかったです・・・。

    2016年、アメリカ映画。監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ。
    主演は言語学者役のエイミー・アダムスです。その他に共演としては、同僚の物理学者?役にジェレミー・レナー、アメリカ軍の接触チーム隊長役にフォレスト・ウィテカー、中国軍司令官シャン上将役にツィ・マーなどです。

    全世界に突然エイリアンの巨大な柿の種型の宇宙船が何基も出現した。彼らの目的は皆目不明。ただその場に居続けるだけ。各国はそれぞれでそれら宇宙船にコンタクトを取り始める。
    言語学者ルイーズ(エイミー・アダムス)は娘との思い出が忘れられないまま大学で教鞭を執っていたのだが、ある晩、アメリカ軍からの依頼を受けて・・・。

    一見のところSF映画で、謎の飛来をしたエイリアンの目的を探るというミッションを課せられた言語学者の苦闘を描くといった内容なんですが、もしかするとこれは実は恋愛なり家族の絆の物語だった?!
    題名の「メッセージ」とはもちろんエイリアンからの「メッセージ」という意味だとは思いますが、その奥に秘められた意味は結局のところもやもやしたままでよく解りませんでした・・・。(^_^;
    最終的にエイリアンがもたらしたアレは何となく意味が解るのですが、なぜルイーズが先行していたかはよく解りませんで、もしかするとパラドックスに陥っている可能性すらありませんかね?
    で、つまるところ何しに来たの?(笑)

    出てきたエイリアンが巨大なイカっぽくてことさら恐怖心が高まるとともに、ルイーズとのコミュニケーションも何やら怪しげで、それにパニックになる人たちもいたし、恐怖映画の要素もあるにはあったと思いますが、これが『エイリアン』のような方向には向かわずに(笑)、かといって哲学っぽいSFの方向にも向かわず、強いて言えば禅問答のような方向に向かっていったことで、神秘的でミステリアスな物語として頭の中がなかなか整理できませんでした。
    重要と思われるルイーズとシャン上将との会話内容も判らなかったし、ルイーズが結論に至るまでの理解も含めて全体として日本語訳の限界だったという話もあるので、出来ることならこれは原作なり原語で映画を観ることができたらより理解が深められるのかもしれません。

    やっぱりこれはラブ・ストーリーだったのかな?(^_^;

  • 言語学者のルイーズ・バンクス(エイミー・アダムス)は湖畔の家に独りで住み、今はいない娘ハンナとの何気ない日常を時おり思い出す。
    ある日、地球各地に大きな宇宙船のような物体が出現する。
    ルイーズは、宇宙船から発せられる音や波動から彼らの言語を解明し、何らかの手段でこちらのメッセージを彼らに伝えるよう、国家から協力を要請される。
    スタッフのなかには、物理学の見地から取り組むよう招集されたイアン(ジェレミー・レナー)もいた。
    ウェバー大佐(フォレスト・ウィテカー)に急かされながら、スタッフは少しずつ相手との距離を縮めていく。
    ルイーズは忙しくなるほど、ハンナの思い出が色濃く蘇る。
    しびれを切らした中国は核攻撃をしようとしていた。ルイーズは自分を指して「人類」というところからコミュニケートの端緒を掴む。
    彼らにはタコの足に似たものがあったため、彼らをヘプタポッドと呼ぶようにした。
    彼らはその先端から図形を吐き出す。刻々と変化する図形の規則性を見出すと、それらをコンピュータに打ち込んで会話ができるようになる。
    ルイーズとイアンはそれらの2体をアボットとコステロと名付ける。政府や軍はヘプタポッドが地球を攻めようとしているのではと相変わらず疑っていたが、そんなとき、ヘプタポッドの時間の概念は自分たちと大きく違っていることに気付く。
    彼らはアインシュタインの相対性理論の進化形の如く、驚くべき真実をルイーズたちに伝える。
    それは、3000年後の地球も現在と同じ座標軸にあるというものだった。
    ルイーズは彼らの言語を研究し理解するにつれ、自分の人生における経年も今までの時間軸の概念を超越したものになることを知る。
    ルイーズは彼らからの影響に混乱するが、過去が未来にやってくることが分かっても、愛することをやめないと確信する。
    ついに最終決断を下した中国の行動を止めるため、ルイーズはイアンを使って思い切った賭けに出る。
    彼女の行動は、地球を、そして彼女自身を救うことができるのか?
    SFファンから高い評価を得たテッド・チャンの短編SF小説を映画化。
    ある日突然やってきた「ばかうけ」型の宇宙船が襲来し、エイミー・アダムス演じる言語学者ルイーズとジェレミー・レナー演じる物理学者イアンが宇宙人と意思疎通をはかるため宇宙人の言語を解読し学んでいく中で宇宙人の思考を学び、ルイーズが共通言語を持ち意思疎通をはかることの大事さや時間の概念を越えた運命を知ったことが人類の未來を左右するという展開は、「2001年宇宙の旅」「インターステラー」のような哲学的なSF映画であると同時に、「君の名は」のような運命的な愛を描いたSFラブストーリー映画でもあります。
    言語で意思疎通をはかることが戦争と平和の分かれ目であるぐらい大事で難しいこと、時間や運命に対しての向き合い方を強くメッセージする哲学的な内容ですが、ルイーズとイアンが宇宙人の言語を解読していく展開がリアルで丁寧に描かれているので、驚愕と感動のクライマックスまで惹き込まれます。

  • 謎の宇宙船が世界12か所に同時出現。地球外生命体と交信するため軍から言語学者ルイーズ(エイミー・アダムス)が派遣される、というSF映画。
    久しぶりに時間忘れて見入った秀作。
    宇宙船の登場からルイーズたちが内部に入るシーンは音響とともに圧倒された。SFだが地球外生命体が現れた際にみせる人類と社会の反応もリアル。徐々に明らかになるルイーズの物語もパズルのピースが徐々に嵌っていくスリルもあり抜群に上手い。特に鳥かごに入った小鳥。ワンカットで伏線を敷く小道具の使い方と描写力はさすがドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。
    観終えて浮んだひとつは伊藤計劃のSF小説。どちらも根底に「言葉とはなにか?」という深遠なる問いがある。他にもいろいろ解釈と読みが多様にできるがごちゃごちゃ書くとネタバレになるので省略。豊饒な世界観のある秀逸な映画だった。

  • 「人間は、母国語以外の新たな外国語を習得すると、思考のしかたも、ものの見え方も違ったものになる」というある言語学者の説が紹介される。

    私は、この説を切り口に、そこまでに進んできたストーリー、それから進んでいったストーリーを見つめて、この映画のメッセージを探していた。

    多くの日本人は義務教育の段階から英語を学んでいくが、その言語の仕組みやそれを通して読み込んだ文章が自分の思考回路に多少なりとも変化を与えたと感じる人は少ないのではないだろうか。
    (専門的に英語を研究したり、それを通じて生業を立てたりする人ならおそらく、それを経験していない日本人とのコミュニケーションのなかで、英語で思考する経験をもつ以前の自分との違いを見出すことがあるかもしれないが)

    「言語が思考を構築する」というのは、「その環境(世界)で生存していくために思考を繰り返すなかで言語が生み出された」という説が先にあるのだろう。

    そんなことを考えると、地球外生命体を理解しようと考えたら、言葉(視覚的記号)の構築している論理を解明していくことが実は一番着実な方法だということにたどり着く言語学者の姿勢は差し迫った状況のなかでも筋が通っている。

    言語学者ルイーズがその学者としての眼差しで地球外生命体とコミュニケーションを図ろうとするが、軍のウィーバー大佐から、「あなたたちのやっていることは道を外している」と退けられるシーンには、理想と現実(アカデミズムと軍)の二層の世界が地球外生命体の出現という緊急事態を眼の前にしてくっきりと隔てられているのを感じさせられた。

    そして、もうひとつの大きなこの映画のメッセージは、「相手を分からないということで生じる恐怖が悲劇を生む」という人類の歴史を思い起こせないと、新たに出現した相手とのコミュニケーションを図ろうとする一歩を踏み出せず、「‘信じて協力する’という想像を拡大させる可能性を潰し続けることになる」なのではないか。

  • 他の皆さんの高い評価が私にはわかりませんでした。感性が鈍いんでしょうか。

    • yhyby940さん
      そうなんですね。SFの血、私にはないのかもしれません。でも、もう一度観てみたいです。原作の「あなたの人生の物語」も読んでみたいです。ありがと...
      そうなんですね。SFの血、私にはないのかもしれません。でも、もう一度観てみたいです。原作の「あなたの人生の物語」も読んでみたいです。ありがとうございます。
      2022/05/02
    • 白いヤギと黒いヤギさん
      血液型が「SF」という感じですね。同型じゃないと輸血できない、みたいな(笑)でも「あなたの人生の物語」は、ぜひ読んでみてください。
      血液型が「SF」という感じですね。同型じゃないと輸血できない、みたいな(笑)でも「あなたの人生の物語」は、ぜひ読んでみてください。
      2022/05/02
    • yhyby940さん
      是非、読みたいです。ありがとうございます。
      是非、読みたいです。ありがとうございます。
      2022/05/02
  • 良かったです。原作より分かりやすい。
    ヘプタポッドとのやりとりはそのまま、娘さんのことが時系列バラバラなのいい。全て未来のこと。
    原作を読んでいたときに、文字がどうしてもイメージ出来なかったのだけど、映像で観ると墨で書いた書のようなような美しさですごく綺麗でした。
    中国…と思いました、あそこでまた時系列前後させるのハラハラする。
    ハラハラドキドキもあるのですが、ずっと落ち着いた抑えた空気だったのも良かったです。
    ばかうけ感はわたしはそんなに…それよりあれ空中に静止してるのね!と感動しました。
    未来が全てわかったらどう生きるか、みたいな問に、もっと気持ちを伝える、と答えるのジーンとしました。
    「ハンマーしか持っていなければすべて釘に見える」も真理です。←この言葉は深い。

  • 地球にやってくる宇宙人ってたいてい侵略してくるので本作もそれ系なのかな?と思ってたんですが、違ったのが新鮮でとても良かったです。
    また静かな作品でお話も淡々と進むので派手さはないですが考えさせられるしラストも切なくなりました。
    観終わった後も余韻を残すいい作品だと思います。

  • 言語SF。ファーストコンタクト。原作既読。
    "外国語を学ぶと考え方が変わる"
    では、エイリアンの言語を学ぶと?
    傑作です。もちろん原作も。

  • 2001年宇宙の旅みたいと思ったのだけど、どうなるのかなぁ
    ワクワク

    感想
    結局のところ、ルイーズとタコ達との関連性が分からなかった。接点だけで言えば断片的に未来を見続けているルイーズと同じ未来予知の能力を持っている事が分かったけど、だからと言ってた何をしに現れたのかが分からない。

    地球外から入ってきたのか、それとも未来か若しくは過去から元々その場所に居て、時間だけを辿って現れたのか、うーん分からない。

    一体何だったのか?を考えさせられる映画は大好物なので、観ていて楽しかった。

    そう、それと残酷な未来と分かっていても歩みたいと思うのは人間らしくて素敵だと思った。結末が変わらなくても話し合えば歩み方が変わる。全てを開示することが大切なんじゃない。人と人との向き合い方ってもっと繊細でもっと単純。信じる事が如何に重要か考えさせられた。

    そう言えば、
    12隻の物体って点で12使徒を示している気がしたけれど、ならイエスは誰になるんだろう?ルイーズ?それとも12隻の中のタコ達を遣わしたまた別の何か?
    うーん分かんない!


    追記
    アボットとコステロが未来予知能力を持っているのなら、爆破でアボット?が亡くなることも知っていた事になる。それを覚悟の上で言語と言う贈物を伝えようとした事に切なさを感じた。ある一定の犠牲を受け入れてでも伝えないといけない程に、3000年後にトンデモない事になってるって事は分かった。あとタコ達がタイムスリップで来たわけではないのも何となく理解。未来予知できる種族にタイムスリップする意味はないものね。

    と言う事は3000年後に協力関係になる予定の地球外生命体と言う事。
    全ての人類がヘプタポット語を理解するればバベルの塔を建設しようとした様に大きな力を手に入れる事ができる=タコ達を助ける事ができる。原作では12隻では無いみたいだから使徒は関係ないのだろうけど、言語を1つにと言うとやっぱり聖書っぽいところあるような気がするから、映画版の12隻は寄せて来たんだろうね〜。

    てか3000年後に何が起こるんだ。そんでもって未来予知能力を手に入るのは良いけど、皆んなが皆んな見えた未来を受け入れられる訳じゃない。耐えられない人もきっといる。未来が分からないからこそ計画して実行して継続するの挑戦ができると言う点もあると思うしね。人間のこと甘く見過ぎなのかしら。

  • 「これって『幼年期の終わり』みたいな話か?」という予想は的中。ファースト・コンタクト系SFのストーリーとしては珍しいものではないですが、それでも知的興奮と静かな感動をもたらしてくれる素晴らしい映画です。

    この映画の美点の1つとして、映画の展開がスローなことが挙げられると思います(異例なことですが)。これは、共通の言語を持たない相手と相互理解を図ることは非常に時間のかかる営みだということなのです。時間をかけて信頼を得ようとする主人公に対し、早く結果を求めようとする官僚や軍人たちはなんとも愚かです。

    そして、宇宙人の言葉を理解することによって○○がわかるようになるというSFギミック。まぁ殆ど理解不能なトンデモ設定ではですが(笑)、これはまさにセンス・オブ。ワンダー。断片的に挿入されるフラッシュバックが実は○○の姿だったというトリック(?)qには舌を巻きました。

    で、そこからのフィナーレがまた感動的で、「ずっと宇宙に憧れてたけど、一番うれしかったのは君と会えたことだ」という男前なジェレミー・レナーに対し、エイミー・アダムスは過酷な未来が待っていることを知っていながら全てを受け入れる。素晴らしいなぁ。

    昔読んだ原作は難解で全く歯が立たなかった記憶があるのですが、映像のおかげですんなり理解できたようです(色々端折ってると思いますが)。もう一度挑戦してみようかな。

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