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感想・レビュー・書評
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何というか、非常に愛らしい父親が主人公の連作短編でした、
特に好きなのはBeeです。厚着をした主人公が庭に大の字で倒れている姿が非常に良いです。
願わくば、もっと彼の話を読んでみたいなぁ。と思いました。この作品自体から父性みたいなものが溢れていて、あぁ、これは人の親が書いたものなのであろうと思った次第です。
この殺し屋シリーズというのはどうしても主人公が、非合法な存在な訳で、こういった圧倒的に筋が通っていない状況からどうやって主人公の存在に筋を通すのかが、この手の物語の命題になってくるのでは?と思います。
もちろん、そこらへんは全部投げ出して格好良さで持っていくであるとか、任侠映画みたいにその世界の正義に従うというのも一つの方法だとは思うんですが、もうちょっとそういった処理は幼稚だとか、古いと言われる時代だと思うんですよね。
その中で「AX」では公平さという角度から主人公に筋を通させます。
正義というのは間違いやすい、というよりも求めれば求めるほど中心から離れていく性質のあるものだと思うのですが、公平さというのは真芯を捉えることは難しくても向かう方向は間違えにくいものだと思うんですよね。そういった意味で公平に向かう努力というのは、こういった非合法な人間を扱う物語の一つの答えになる気がします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不幸な生い立ちから殺し屋を生業としてきた1人の男が、愛に目覚め、自分が冒してきた罪の大きさを知って足を洗う決意をする。ところが足抜けを許さない殺し屋の元締めに命を狙われて……。
とストーリーを書いてみると、ハードボイルド小説にでもありそうな筋書きである。だが「殺し屋シリーズ」3作目となる今作は、相変わらずこちらの予想を裏切るオフビートを刻む。
描かれるのは息子を愛し、妻のご機嫌取りに滑稽なほど腐心する中年サラリーマンの日常だ。ほのぼのホームコメディと言ってもいいくらい和やかなストーリーに、一点、影を落とすのが、家族にも秘密にしている主人公のもう一つの仕事、殺し屋稼業。章を追うごとにその影は広がっていき、中盤を過ぎたあたりで急転直下、読む者の度肝を抜くような展開が待っている。
これはきっと、ハッピーエンドなんだろうなあ。このシリーズには「悲劇と喜劇は紙一重」といった警句を思い出す。笑いと切なさが入り混じるような読後感が長く胸に残ります。 -
物騒で、あまりに道徳を逸脱した自分の仕事については、もはや許してもらえるたぐいのものではないため、懺悔することはできなかった。願うのは、「自分の家族の平和」のことだ。妻と息子がそれなりに平穏な人生を送れますように、と念じる。(兜)
再読。前回読んだ時よりも面白く、切なかった。
殺し屋で恐妻家という設定がまず面白い。
殺し屋3部作の中では“グラスホッパー”“マリアビートル”とハラハラする展開が多かったが、“AX”では日常とハラハラの緩急のテンポが良く、一気に読めた。 -
伊坂幸太郎さんが度々テーマにする「殺し屋」シリーズ
主人公の兜は殺し屋でありながら家庭の中での人間味のようなものを感じて交換が持てた
中盤〜終盤の急展開が気になって一日で読みきってしまった
個人的に、読後感がラッシュライフに近いものを感じた -
業者たちが暗躍するシリーズ第3弾。個人的には、これが一番楽しかったです。兜の恐妻家ぶりが滑稽なのに、家族が温かい。そして親父はでかい。殺し屋に心をあたためてもらいました。
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伊坂さんの世界がすごく好きだ!
恐妻家の殺し屋。奥さんへの気の使い方が笑えてくる。とはいえ伏線やストーリー性の高さは、さすが!
面白かったです。 -
殺し屋シリーズの中で一番好き。なんか、言いようのない切なさとほっこりと愛しさを感じるー。
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さすが伊坂幸太郎、コミカルな入りから、終盤はシリアスに。伏線も全て回収するお見事さでした。
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殺し屋「兜」シリーズ。最後に起こることはおそらくみんな読めてしまう。でも、それがちゃんとその通りになることが大事。そんなところで裏切らないのが大事。スズメバチ編はどこかで読んだ記憶がある。ん?なぜだ?
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映画化間違いなし。
面白い。
せつなかったけど、面白かった。
たまらん、