運命の恋をかなえるスタンダール [Kindle]

  • 36人登録
  • 4.29評価
    • (7)
    • (5)
    • (1)
    • (1)
    • (0)
  • 7レビュー
著者 : 水野敬也
  • ミズノオフィス (2017年8月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (290ページ)

運命の恋をかなえるスタンダールの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 最後ふいに泣いてしまった

  • テンポよくさくさく読める、恋愛指南本。
    今回登場するのは、自称スタンダール。かの「赤と黒」や「恋愛論」などを書いたフランス人作家です。

    自分に自信がなくて、トラウマもあり、ちょっぴり妄想癖のある読書好き。精神科に通いながら、うつむきがちに日々を過ごす三十路の女性が主人公です。

    非常に軽快で面白くありながらも、一定の真面目さと、大事なことは真摯に伝えようとする姿勢が好ましかったです。
    単に楽しかった、で終わる軽いノリじゃなく、心に残るものがあります。

    本書の本筋もよかったのですが、素晴らしいな、と思ったのは、精神科のお薬の在り方についての記載。
    頼り過ぎず、かといって、遠ざけ過ぎず。お薬はこんな風にお守りのように寄り添う存在となって精神的に不安定な人を支えるものであってほしい。そのためには、服薬する人が服薬についての知識を正しく持つことが不可欠ですね。
    擬人化されたお薬、パックンに惚れそうでした。
    ---「安心しいや。ワイが聡子はんの不安、全部やっつけたるからな。行くでーー!」
    そしてパックンは口の中に飛び込み、喉の奥へと消えていった。---
    すてき。

    さて、それはそれとして本筋もすごくよかったです。
    「絶望は幸福への伏線である」というフレーズは真理だと思う。絶望の最中にいるときは、全然気づけないんだけど。本書でも書かれているように、「その絶望から立ち上がり、前に進み、幸福を手に入れたときには、はっきりと分かるのだ。絶望的だと感じたあの出来事こそが、自分を幸福へと導く最も重要な伏線だったということに」ね。

    恋愛本としてももちろんいいんですが、本好きからして共感できるところも多く。楽しいだけの毎日だったらきっと、こんなにも本の世界で感動や癒しを得ることができなかったでしょうしね。

    どんどん強く、綺麗になっていく聡子は、読んでいて応援したくなる存在。同時に元気をくれました。

    末尾のSATOKO'S MEMOは、紙の本なら読みやすいでしょうが、残念なことにKindleだとちょっと読みづらい。リングが上にあるようなメモ帳で書いた設定だったら、そのまま読み続けられてよかったのかも。


  • 傑作。

    幼少期のトラウマからの広場恐怖症に悩む万平聡子は、恋愛はおろか友人関係の構築にすら困難を抱え、読書の楽しみだけを心の糧に生活する地味な図書館司書であったが、ある日図書館で運命的な一目惚れをして、ところが早々に自分のコミュニケーション能力の欠如を理由に状況に絶望し、絶望から逃避すべく早速いつものように自宅の本棚の本を手に取るとたまたま開かれた『恋愛論』からスタンダールの亡霊が出現し、恋愛の達人を自認するこのスタンダールから半ば強引な恋愛指南を受けると、自分を変えて世界を変えて、運命の一目惚れを運命の恋に変え、全ての絶望は幸福への伏線であったことを知る。

    良く整理されたプロットと良く整理された登場人物が織りなすストーリーが実に心地よい。
    随所随所のフランス文学の引用も気が利いているし、スタンダールの恋愛論の引用が実に美しい。

    面白く、ためになり、恋の痛みも喜びもしっかりと織り込まれた素晴らしい作品である。

    どれほどの困難の中でも世界はいつも愛を求め愛を待ち続けているのである。

  • 2017年69冊目。

    うさんくさい恋愛指南本的なタイトルと裏腹に、笑えて泣ける恋愛コメディ小説!
    (※スタンダールの恋愛論になぞらえた恋愛指南要素ももちろんあり。)
    スタンダールのキャラクターがとにかく面白い。
    また、スタンダールのアドバイスによって、精神疾患であり過去に大きなトラウマをかかえた年齢=彼氏いない歴のアラサーな主人公・聡子が変化して行く様は見ていてとても気持ちが良い。
    人はいつだって変わることができる。変わりたいと強く願い行動しはじめた瞬間に。
    それに遅すぎることなんてないのだ。
    たとえどんなハンデを背負っていたとしても。

  • 最後の方までは本当に面白くなくて、ただの恋愛how to本出せばいいのにって思っていたんですけど、最後の方はよかったです。
    「絶望は幸福への伏線である」勇気づけられる言葉だと思いました。

  • 恋愛論、心理的な男女間のやりとりが描かれてる小説

  • 流石のストーリーのうまさ、学びの多さ。
    自分が薬を飲んでいた時のことを思いだしながら読んでいました。学びは恋愛だけに留まりません。オススメです!

全7件中 1 - 7件を表示

水野敬也の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊賀 泰代
リンダ グラット...
喜多川 泰
佐々木 圭一
有効な右矢印 無効な右矢印

運命の恋をかなえるスタンダールはこんな電子書籍です

外部サイトの商品情報・レビュー

ツイートする