あなたの生産性を上げる８つのアイディア [Kindle]

著者 : チャールズ・デュヒッグ 鈴木晶

• 講談社 (2017年8月30日発売)

感想・レビュー・書評

[骨しゃぶりさんの感想 · 2021年8月11日]

タイトルはブックオフに転がっているビジネス書みたいだが、様々な専門家へのインタビューや実例、研究によって構成された本。中でも物語調に書かれた実例の割合が多い。有名な事故や企業の事例を取り上げて、何が問題で何が重要だったのかを解説するのだ。しかし内容の良し悪しをタイトルから判断するのは難しい。

一口に「生産性を高める方法」と言っても、そのスケールは大小様々である。本書はスケールが大きい側の本だと言えるだろう。例えば第3章の「集中力を上げる」には、デジタルデトックスや瞑想といった小手先の技は出てこない。紹介されるのは「認知のトンネル」と「メンタルモデル」である。より根本的なところに狙いを定めるのが本書の特徴だ。

一つ欠点を述べるとしたら、本書は「まとめ」にすぎないということだろう。タイトルにある通り8つのネタが紹介されるが、それぞれのネタは1つだけでも1冊の本が書けるものである。実際、本書で紹介される話のいくつかは、それ単体の本で読んだことがあった。したがって要点だけ知りたい人には向いているが、より詳しく知りたい人には物足りないかもしれない。

著者プロフィール

「ニューヨーク・タイムズ」紙記者。1974年生まれ。イェール大学、ハーバード大学ビジネススクール卒業。ビジネス関連の記事を中心に執筆。これまでジェラルド・ローブ賞、ジョージ・ポーク賞ほか、ジャーナリズム関係の受賞歴多数。講演活動も積極的に行っている。著書に『習慣の力　The Power of Habit』（渡会圭子訳、講談社）。

「2017年 『あなたの生産性を上げる8つのアイディア』 で使われていた紹介文から引用しています。」