文學界2017年12月号

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910077071277

感想・レビュー・書評

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  • 前田司郎氏作品が芥川賞候補作と知り、図書館より拝借。「愛が挟み撃ち」わたしはきらいじゃないけどどうかな~。

  • 芥川賞候補作「愛が挟み撃ち」読了。すごくきちんと長く2人のこと3人のこと描いてるのに、ラストこれか。こういうものなのか。あくまで主人公の主観一択なのね。

  • 前田さんの新作とカズオ・イシグロインタビュー再掲がお目当てだったのだが、特集の「ネットに載らない観光地」と松本卓也さんの評論「健康としての狂気とは何か」もとても良かった。

  • 前田司郎、「愛が挟み撃ち」読了。

     劇作家である彼の真骨頂である会話劇がまず印象的で、会話から映像が浮かんでくる。そして、本作の描く世界は、彼が脚本を務めた横道世之介、初監督作であるジ・エクストリーム・スキヤキを思い出させる。もうとっくに青春が終わった中年の男女が、大事にしている時代の記憶と少しの後悔。本作では、夫婦の不妊問題に端を発する愛と友情のテーマを正面に据えていて、時にコミカルなやり取りはあるものの、やるせなくなるような苦悩や感情の機微を巧みに表現し、引き込まれて一気に読んでしまった。
     前田司郎の凄いところは、男も女も一人称として書けるところ。人間に対する深い洞察ゆえの成せる技。最後のオチと、ほんのりクスッと笑えるテイストは安心安定で、この平和でゆったりと流れる時間の幸福感の中にいつまでも漂っていたくなる。前田文学の一つの到達点と見たい。

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