闇金ウシジマくん(41) (ビッグコミックス) [Kindle]

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  • 闇金ウシジマくん41 2017

    『闇金ウシジマくん』(やみきんウシジマくん)は日本の漫画家である真鍋昌平による漫画。2004年から2019年まで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で不定期連載された。
    2010年10月より、山田孝之主演で毎日放送(MBS)の制作によりテレビドラマ化され、その映画版が2012年8月25日より公開された。また2014年1月にはドラマの新シリーズが放送された他、5月16日には新作映画が公開された。詳細はテレビドラマの記事ならびに映画の記事参照。

    概要
    10日5割(トゴ)の超暴利闇金融『カウカウファイナンス』の経営者である丑嶋馨とその従業員の日常と、カウカウファイナンスに訪れる客、およびその関係者の様々な人間模様と社会の闇を描いたストーリー。物語は各エピソードの中心となる人物の視点で進み、丑嶋はそれらの人物に接触する狂言回し的存在である。そのため丑嶋が全く登場しない回も多い。なお「○○くん」というタイトルは、当時流行した「むじんくん」(アコム)、「お自動さん」(アイフル)などのサラ金の自動契約機のネーミングから着想を得ている。
    2022年3月時点で累計発行部数は2100万部を記録している。
    第56回(平成22年度)小学館漫画賞一般向け部門受賞作品。
    連載を終了した理由として、作者は「闇金業者という犯罪者の視点で描く話に限界を感じていた。『突き詰めて描けば描くほど読者が離れる』」と述べている。その後、弁護士を主人公とした『九条の大罪』を連載開始した

    丑嶋馨(うしじま かおる)
    本作品の主人公であり、全エピソードにおける狂言回し。金融会社「カウカウファイナンス」の社長。また、副業として不動産屋や風俗店の経営にも携わる。
    年齢は「バイトくん」編の時点で23歳。作中でも相応の時間の経過を示唆した描写はあるが、最終的な年齢は不明。
    常に冷静沈着かつ物怖じしない性格で、若手ながらも卓越した手腕で闇金業を営み、裏社会の修羅場を幾つも乗り越えてきた生粋のアウトロー。幼い頃から壮絶な環境を生きてきたため、時折深い人生哲学を覗かせる。自身の職業を「人並み以下でありながら人並みの生活をしているクズの人生に終止符を打つ職業」と称し、「世の中は奪るか奪られるか、俺は奪(と)る方を選ぶ」と極端な弱肉強食観を語っている。
    そのカリスマ性は部下はもちろん一部同業者や協力企業から畏れと尊敬を集める反面、同時に数多くの敵も生み出し彼らから妬みや恨みを買い、また多くの登場人物を徹底的に不幸のどん底に追い込むことで表現されている。しかし同時に物事や債務者の本質を見抜き、それらに対して冷静な観点で見ている。
    融資の審査はかなり厳しく、負債者の前では「田嶋」の偽名を名乗り一貫して非情かつ高圧的な姿勢で当たる。返済の為とあれば手段や場所を一切選ばず、債務者の関係者に借金を肩代わりさせることにも一切の躊躇はない。債務者を陰で「奴隷くん」呼ばわりし、集金は言葉通り1円たりとも負けない。債務者に対しては良くも悪くも放置することは無く、徹底して追い込むこともあれば、債務者個人のトラブルや悩みなどの解決に手を貸すこともある。
    一方、返済意志のある者やどん底から立ち直ろうとしている者に対してはある程度寛大な態度を見せ、丑嶋の出した入社試験をクリアした芳則や、立ち直りの意志を見せた宇津井などの自分が認めた者には正当に評価し、時には労働環境は過酷だが相応に給料額の良い職場を紹介したりする。また、乗り合わせたタクシーの運転手が取り立て相手であっても、乗車料金はきっちり払うなどの筋を通す。
    従業員に対する仲間意識は強く、彼らに対しては基本的に寛容であまり怒ることはないが、(忠告したのにもかかわらず)債務者に逃げられるなどのヘマをしたり勝手な行いをした場合は容赦なく鉄槌を下す。幼馴染でもある柄崎・加納との結束は特に強く、柄崎には毎年誕生日プレゼントを用意したり、加納の退職時には退職金として店を回すための元金を渡すなど、仕事以外での交流も描かれる。


    柄崎貴明(えざき たかあき)
    『カウカウファイナンス』のNo.2。格闘家を目指していた時期があり、その強さは有名。会社の金銭の管理を任されており、仕事熱心で電話の対応のしすぎで耳から膿が出たほど。丑嶋とは中学生のころから付き合いがあり、彼を深く尊敬している。丑嶋からの信頼も厚いが、彼の携帯電話には「柄崎うんこ野郎」、ドラマ版『ザ・ファイナル&闇金くん編』では「柄崎焼き豆腐」と登録されている。
    中学時代の丑嶋の髪型を真似て坊主頭にしている。原作後半では基本的にパーカーの上に作業着を羽織っている。靴はナイキのスニーカー。
    丑嶋が逮捕された際は被害者に話をつけに行ったり、警察の強制捜査が入る前に事務所を移転したり、さらには「ヤクザくん」編の終盤で、肉蝮の急襲を受け窮地に立たされた丑嶋を間一髪で助けたりと、何かと身を尽くした。
    加納とは会話がほとんどないが、不仲というわけではなく、加納が結婚し退職することを聞いた際は、一度激昂しその場を離れる素振りを見せつつも、陰で男泣きしながら喜んでいた。
    大晦日や自身の母の誕生日を実家で母と丑嶋の3人で過ごしたり、普段も丑嶋のスケジュールを細かく把握したり、まめに飲みに誘ったりと、丑嶋と仕事以外でも一緒に過ごすシーンが描かれている。
    中2の冬に丑嶋が出戻りで転校してきた時はクラスのボス的存在であり、転校生の丑嶋が反抗的な態度をとったために、クラスメイト全員(竹本を除く)を強制的に引き連れ集団でリンチしたが、丑嶋の退院後にお礼参りを受けた。その後の鰐戸三兄弟との一件で、結果的に丑嶋に守られたことへの感謝が、現在の力関係の元となっている。丑嶋が少年院を出所した時には加納と共に『シシック』で働いており、丑嶋を闇金の世界に誘った張本人でもある。
    カーナビ付きの車で道に迷うなどの方向音痴。債務者に使う偽名は「柄原」や「木崎」。
    番外編「柄崎くん」では誕生日に彼女との約束より急遽呼び出された丑嶋の買い物に付き合い、誕生日プレゼントに欲しがっていたサングラスを丑嶋から贈られた一方で「彼女No.1」からはフラれてしまった。
    最終章では丑嶋とすれ違いを起こしたり、滑皮に勧誘されるなどの様々な苦難が襲ったものの、最後まで丑嶋を裏切ることはなかった。

    滑皮秀信(なめりかわ ひでのぶ)
    本作品のもう1人の狂言回しであり、丑嶋の天敵。若琥会若琥一家二代目猪背組の幹部候補生→猪背組系列滑皮組組長。熊倉と共にカウカウファイナンスのバックにつく。
    初登場エピソードは「ヤンキーくん」編。丑嶋よりも少し上の世代であり、かつては暴走族・悶主陀亞(モンスタア)連合総長を務めていた。
    冷酷非道かつ野心的な性格で、成り上がるためには一切の手段を選ばない。
    暴走族時代から敵対者の唇を切断するなどの凶行で恐れられ、愛沢浩司、鰐戸三蔵と並んで丑嶋の地元で「絶対に逆らってはいけない人物」と言われていた。だが、先述の2人をいずれも凄惨に痛めつけているため、3人の中でも別格の存在と言える。
    「ヤンキーくん」編では逆立てた髪にジャンパーを着たチンピラ風の外見だったが、「ヤミ金くん」編以降は坊主頭にスーツ姿というヤクザ然とした風体に様変わりしている。
    丑嶋とは何かしらの因縁があるらしいが、最後まで明かされることはなかった。
    登場当初は、勘違いによって熊倉から制裁を受けたり、出世を狙って鳩山に献上した高級乗用車を即、愛人に下賜されるなど、あまり報われない描写が目立った。その後はしばらく登場しなかったものの、「ヤミ金くん」編の最終盤にて久々に登場し、悶主陀亞連合が奪い取った丑嶋の金を上納させていた。
    「ホストくん」「元ホストくん」編では熊倉を殴打した鼓舞羅を射殺するが、熊倉を守れなかった事など諸々の責任を取り指を詰めることになった。
    「ヤクザくん」編では死体処理班に配属されており、丑嶋に無理押しして大量の銃を預け、飯匙倩と抗争を起こす。
    「ウシジマくん」編では、丑嶋が台湾に高飛びしている3年の間に急速に力をつけ、自らの組を持ち、獅子谷をはじめとする多くの半グレや不良を傘下にし、猪背組の3代目組長の候補に名前が浮上するまでに成り上がっている。熊倉を殺害した丑嶋の復讐のため、様々な策で丑嶋を追い詰めるが、あと一歩のところで柄崎と戌亥に嵌められ、殺人罪で警察に逮捕される。また、この際に豹堂と鹿島を殺害したことが発覚したため猪背組を絶縁処分になり、第二審裁判でも死刑を求刑されたことが戌亥の口から語られている。
    過去についてのエピソードはあまり語られていないが、出世しても直らないほど食べ方が非常に汚かったり、父親の母親に対するDVが日常的にあったと語るなど(「死んだ親父の車の臭いを思い出す」という理由で自分の車を禁煙にしている)、育ちの悪さを伺わせる描写は多い。
    その冷血さゆえ、丑嶋から「腐れ外道滑皮秀信」と連絡先を登録されていたり、逮捕された際に柄崎から「散々酷いことをしてきた因果応報」と切り捨てられているが、元猪背組の老人たちに金銭援助を行う、熊倉のことを最後まで「かっこいい兄貴」と慕う、死んだ弟分の梶尾を悼むなど、任侠道は持っている。また、戌亥からの「あなたのことは好きです(が、あなたの態度は嫌いです)」という発言や、獅子谷甲児の部下からの「ヤクザは嫌いだが、滑皮さんは別」という評など、前述のように確かなカリスマ性も持ち合わせている。「悪役キングコンテスト」「悪役総選挙」ともに5位。

    梶尾(かじお)
    猪背組部屋住み→滑皮組幹部。滑皮の弟分。鳶田とは兄弟分。刈り上げたパンチパーマが特徴。
    鳶田にスナックで因縁をつけさせて助けたふりをし、その後、自らが水が不味いと因縁をつけミネラルウォーターを高値で売りつけるなどの恐喝行為を働いていた。
    飯匙倩組との抗争で車を動かし、仲間を襲っていた井森を跳ね飛ばす。
    「ウシジマくん」編では鳶田と共に滑皮組の忠実な幹部となっている。中学時代に父親を肝臓の病気で無くし、父の死後に自身と弟を女手一つで育てた母親も2年前(時期的に「ヤクザくん」編に相当する)に亡くなったことを涙ながらに滑皮に漏らしていた。
    最終的に滑皮を追い落とそうとする豹堂、巳池と、滑皮に恨みを持つ竹腹の共謀により拷問され、滑皮とともに鹿島を殺害したことを自白。その音声を録音された後、銃殺される。
    過去編にも登場しており、この時は本編時よりも太っていた。当時は獅子谷の下でシシックで働いており(丑嶋たちとは別の支店)、滑皮にシシックの内情を流していた。

    鳶田(とびた)
    猪背組部屋住み→滑皮組幹部。滑皮の弟分。梶尾とは兄弟分。スキンヘッドに髭面が特徴。
    梶尾と共謀して、スナックに因縁をつける半グレを演じて梶尾の要求を受け入れやすくした。梶尾より年下か後輩かは不明だが、彼には敬語を使う場面が多い。
    飯匙倩組との抗争で獏木に頭を撃たれ瀕死の重傷を負うものの、弾丸が頭皮と頭蓋骨の間を一周して脳に達せず、奇跡的に一命を取り留める。彼の治療は滑皮の知り合いである闇医者によって行われた。
    「ウシジマくん編」では梶尾と共に滑皮組の忠実な幹部になり、梶尾に対しては対等な口調で接するシーンが見られるようになった。頭部には獏木に撃たれた際の傷口の縫い痕が残っている。梶尾が殺された後も滑皮の片腕となって彼を支えるが、終盤に滑皮と共に丑嶋を追い詰めた際に丑嶋たちの策に嵌められ、滑皮が雇った外国人の殺し屋が仕掛けた毒入りのペットボトルの水を飲んでしまい、泡を吹いて倒れる。その後、病院に運ばれたものの生死は不明。
    過去編にも登場しており、当時から滑皮や梶尾と懇意だった。この時はセミロングの髪型をしており、シャブ漬けにして手懐けた愛人を多数囲い、その女性たちを風俗に売り飛ばして売り上げを貢がせるシノギをしていた。

    戌亥洋介(いぬい ようすけ)
    普段は探偵として働いている裏世界の情報屋。短髪に黒いスーツ姿。初登場エピソードは「楽園くん」編。
    丑嶋とは小学生からの幼馴染。カウカウファイナンスをはじめ、滑皮を筆頭にヤクザとも交流がある。実家はお好み焼き屋。大の駄菓子好き。丑嶋に対して「くん」付けで呼んでいる。柄崎や加納とは腐れ縁の仲。
    「楽園くん」編では、丑嶋に飯匙倩に関する情報を与え、キミノリからショップの裏帳簿を買い取った。「元ホストくん」編では、丑嶋に隼人、長谷川に関する情報を与え、隼人を追跡。その後滑皮に鼓舞羅に関する情報を集めることを命令されていた。「ヤクザくん」編では丑嶋の窮地を救い、続く「逃亡者くん」編でもマサルの捜索を請け負った。
    「ウシジマくん」編では滑皮との繋がりを維持しつつも、丑嶋や柄崎らに助言・忠告をする。その後、滑皮の追い落としを目論む豹堂・巳池に脅迫され、鹿島殺害犯は滑皮であることを報告した。その後、丑嶋や柄崎共々、滑皮たちに捕らえられてしまうが、最後は丑嶋らの策略に乗じて滑皮がヒットマンを始末する動画を録画し、彼を逮捕するための証拠を作って生還する。

    加賀勝(かが まさる)
    第9話で入社した不良少年。「ヤクザくん」編および「逃亡者くん」編のキーパーソンの1人。通称:マサル。
    貧しい母子家庭に育ち、高校にも行かない無為な日々を過ごしていた。そんな中、愛沢とトラブルを起こし『カウカウファイナンス』に連れて来られたことがきっかけで入社。その後、愛沢に殺されかけ丑嶋に助けを求めるが、会社の顧客名簿を盗み、丑嶋に内緒でその客に金を融資していたため見殺しにされる。しかし間一髪で高田に助けられる。その後、丑嶋に土下座をして、カウカウファイナンスをクビにはならず働き続けることになる。
    その後はこの一件に加え、カウカウファイナンスから金を借りていた自分の母親を風俗に売ろうとしていた丑嶋を恨み、復讐の機を伺うようになる。当初から比べ徐々に風貌が変わり、「目つきの悪いチビ」と言われ、鍛えてもいるようで力は強くなり、風貌はヤンキーそのものとなる。闇金から金を借りている母親を軽蔑しながらも、母親思いな一面も見られる。コンビで行動する時は高田と共にいることが多い。返済の意思を見せない債務者へは暴力も厭わないが、丑嶋に追い込まれた債務者を「ちゃん」付けの愛称で呼び、最後まで心配する描写も見られた。
    「ヤクザくん」編では、丑嶋に恨みを持つ飯匙倩組や肉蝮と手を組み丑嶋への復讐を実行する。カウカウファイナンスを辞めた加納を拉致するなどして、丑嶋への復讐作戦は順調に進めているように見えたが、熊倉に説得されたことにより飯匙倩組の金庫番を殴り、中の金を奪い途中で逃亡し、復讐自体も最終的には失敗した。
    「逃亡者くん」編では、逃亡先の沖縄で闇金業を営む金城の元で「村田仁(むらた じん)」という偽名を使い生計を立てている。沖縄でも債務者から厳しく取り立てを行う一方で、のどかの境遇を見て彼女を救うために動く。しかし、復讐前に高田へ持ち掛けた話の内容から沖縄へ潜伏していることを丑嶋に勘付かれ、戌亥に居場所を特定されたことにより丑嶋に捕まり、自身の行いによって加納の死を招いたという事実を突きつけられ愕然とする。一時は丑嶋に殺されることも覚悟していたが、奪った金を取り戻して帰ろうとする丑嶋にあっけにとられ思わず本音を叫ぶ。最終的には丑嶋と和解するも別れを告げられ、のどかの元からも去り、その後は大阪で手配師をしながら過ごす。
    最終話では高田と沖縄で再会し、手配師を辞め細々と金融業をやりながら暮らしていることが明かされた。

    「ウシジマくん」編
    菊池 千代(きくち ちよ)
    本エピソードの債務者。丑嶋が闇金業を始めた頃からの客で、社員たちとも顔見知りの間柄。2人の子供がいるが、夫は居ない模様。
    カウカウファイナンスを完全に軽く見ており、借金返済の意思はまるで見られない。辰也の給食費を払うことさえままならず、文香にも高校中退を余儀なくさせたために家出され、借金返済を手伝わせる結果を招いている。それにもかかわらず、文香を返済の当てにして自身はヒモ男に依存し、ヒモ男からの麻薬代の無心を易々と引き受け、その無心された金をもさらなる借金で凌ごうとする有様である。
    鳶田と内通しており、丑嶋を騙して鳶田と鉢合わせさせ、丑嶋の帰国が滑皮に知られるきっかけを作った。それにより丑嶋からの信用を失い、それまで「10日1割」であった利息を「10日5割」にされてしまった。その後、借金は文香が全て肩代わりすることとなる。
    過去編にも子供二人と共に登場しており、当時シシックの社員であった丑嶋に借金を取り立てられていた。

    菊池 文香(きくち ふみか)
    本エピソードのキーパーソンの一人。千代の娘。17才。元々は成績優秀で家族想いな女子高生であったが、母親の借金により高校中退せざるを得なくなったため、家出していた。現在は母親の借金返済のために未成年ながら丑嶋が裏オーナーを務める風俗で働き、同僚の多栄子の部屋で居候しながら生活している。
    良心的な性格の持ち主だが、裏を返せばお人好しとも言え、実際に周囲の身勝手な人物たちから利用されてしまうことが少なくなく、本人もそれを自覚している。それでも「自分は今のままでいい」と語るなど多くを望まない思想を語るが、内心では大学受験を目指す同年代の女子高生を羨ましく思っている。
    最終話で丑嶋への返済期日に金銭トラブルで多栄子と争った際、辰也の襲撃に遭って殺されかけるが、直後に取り立てに来た丑嶋に庇われて助かる。辰也が去った後、丑嶋を心配しつつも多栄子から奪い返した金を返済に充てがうが、丑嶋からはその返済分で完済扱いという優遇処置を受けることとなった。

    菊池 辰也(きくち たつや)
    本エピソードのキーパーソンの一人。千代の息子で中学生。母親の給食費未払いが原因で学校ではいじめを受けているが、唯一の理解者である姉が家出中であり、友人もいないため誰にも相談できず深い孤独を抱えている。
    姉を慕う気持ちが高じて半ばストーカーと化していたが、その結果、姉が風俗で働いていることを知り大きく落胆する。
    いじめの主犯である仲山に対してキャストアプリで殺人予告を行うが、逆に仲山から住所や家族の素性を晒されて拡散された挙句に「姉を買ってヤリまくる」と言われるなどのさらなる嫌がらせを受ける。
    何をやっても好転しない自身の人生と、理不尽な世の中に絶望するがあまりに完全に自暴自棄と化し「自ら死刑になる」という発想の元、文香を殺すことを公言した内容をキャストアプリで配信する。ナイフを手に文香の居候先に乗り込み、その場に居合わせた丑嶋の忠告にも聞く耳を持たず文香に襲いかかるが、ナイフは文香をかばった丑嶋に命中する。しかし文香に再度手をかけようとすることはなく、高笑いしてどこかへと走り去って行った。その後の動向は不明。
    過去編にも幼少期の姿で登場。鳩を殺害する残忍な一面を見せていた。

    多栄子(たえこ)
    文香と同居している風俗嬢で、肥満体型。文香のお人好しな性格と居候の立場をいいことに、彼女から金を定期的に借りては返さなかったり、部屋代を多く払わせるなどして都合良く利用する。その一方、自身は稼いだ金をホストオーナーの彼氏に貢いでおり[注 40]、生理休暇を使ってズル休みをしている。
    「百万円貯金箱」と称してチョコレートの空き箱に一万円札を貯めて得意気になったり「痩せれば彼氏が喜ぶから」という理由でお湯を入れて20分も経ったカップ麺を食し、それをダイエットと称して吐き出すなど、奇矯な言動が目立つ。

    仲山 快斗(なかやま かいと)
    菊池辰也のクラスメイト。学校内での辰也いじめの主犯格。
    辰也にキャストアプリで自身に対する殺人予告を配信されるが、逆に辰也とその家族のプライバシーを晒した上、文香を犯す事を公言して辰也をさらなる笑い者にして辰也を自暴自棄に追い詰める。しかし、この行動が辰也を凶行に走らせる決定打を与え、丑嶋の破滅を招く遠因となった。

    紗里奈(さりな)
    カウカウファイナンスの債務者。
    「ギャラ飲み」を生業として生活し、ギャル風のファッションに身を包んでいる。しかし、顔形が不自然に劣化しており、不気味な風体となっている。
    過去編にも登場。容姿は現在と大きく異なる美形。竹本が主催するパーティーに参加し、彼からタクシー代を受け取った。竹本を「竹ちゃん」と呼んで接しており、パーティーの最中に彼に儲け話を提案したが、「(パーティーに同席している)他の社長に頼めば良い」と素気無く断られていた。

    吉澤 敬純(よしざわ たかずみ)
    通称「よっちゃん」。竹本の大学時代の先輩で、鉄也や滑皮と同じ地元の出身。実家はラーメン店で、家族には両親と妹がいる。
    かつては竹本が父親から継いだ洋服ブランド「サンバービィ[注 41]」に専務として務めていた。しかし、調子に乗って西麻布で女遊びにハマったことが引き金となり、鉄也に弱みを握られ1億円を恐喝される身となる。これを解決するため地元のヤクザである熊倉に泣きつくが、謝礼として恐喝と同額の1億円を要求された上、鉄也の殺害を教唆したことにされるなど、事態はますます悪化。結局は竹本共々、社長交代と同時にサンバービィを解雇され、しかも熊倉の魔手からは開放されないという結末を迎えた。
    本編の登場時では、友人の新木と共に通販サイト「バディムービン」を立ち上げて成功を収めていたが、黒河内の策略に乗せられる形で会社を乗っ取られた。

    獅子谷 鉄也(ししや てつや)
    本エピソードのキーパーソンの1人。本編開始時には死亡しているため、回想シーンのみの登場。闇金グループ「シシック」の初代社長。悶主陀亞連合の初代総長であり、滑皮と畑山の先輩筋にあたる。
    滑皮と飯匙倩の中間にあたる世代。弟に比べてやや小柄な体格だが、その肉体は鍛え上げられている。
    部下たちを恐怖政治で服従させ、拷問や制裁など他者を嬉々として加虐し、苦しみ悶える姿を見ることを趣味としている。その中でも耳削ぎを特に好み、敵対者や裏切り者は勿論のこと、丑嶋を半ば強制的にシシックへ入社させる際に「入社試験」として柄崎の耳を切り落とすように迫ったり、営業成績の悪い部下に対しても耳を削ぎ落し、その切り落とした耳を焼肉にして無理矢理食べさせるという情け容赦のない制裁を与える。加えて、自身の権威を見せつけるために、これまで削ぎ落としてきた耳をジャーキーにして数珠状に繋げた自作のネックレスを首から常時ぶら下げるなど、作中でも屈指の残虐性を誇る。一方、弟や出来のよい部下に対しては気さくな一面も見せる。
    海老名と鯖野による売上金強奪事件を契機に暴走し、当事者である2人を殺害後、海老名の分け前である3億円の在り処を丑嶋ら3人が知っていると彼らを付け狙い、執拗なまでの暴行を加え続ける。最終的に逃亡した丑嶋たちをなおも執拗に追撃し、その過程で2人の部下が犠牲になるも、それすらも意に介さずにカーチェイスを繰り広げ、その最中に手足を骨折する。態勢を立て直すべく、一度シシックの本社に戻って幹部たちに指示を出すが、報復のためには部下すらもぞんざいに扱う獅子谷のやり方についていけなくなった椚ら幹部たちに反旗を翻される。前述の通り、骨折していたために抵抗する術が無く、観念したように「地獄で待っている」と捨て台詞を残し、5人がかりで撲殺される因果応報の最期を迎えた。死体は椚によって熊倉と滑皮に引き渡された後、グラップルで纏めて切り刻まれ、ゴミ収集車に投げ込まれた。

    獅子谷 甲児(ししや こうじ)
    本エピソードのキーパーソンの1人。鉄也の実弟。ボクシングのインターハイに出場し、地下格闘技の世界で優勝経験がある実力者。
    丑嶋よりも少し下の世代。兄以上に筋骨隆々の巨漢。現在は表向きには兄から引き継いだ地下格闘技団体「獅子谷道場」とその所属選手を社員にした警備会社を営む傍ら、裏では兄亡き後の「シシック」を率いて、振り込め詐欺や覚醒剤密売、時に強盗をして裏社会で暗躍し、膨大な富を得ている。敵対者や裏切り者に対しては耳削ぎなど鉄也と同様の残虐ぶりを見せる一方で、自身を慕う部下たちに対しては優劣関係なく寛大かつ平等に扱い、君づけで呼ばせたり自身に対する軽口や皮肉すら許している。滑皮と揉めていたが、結局は傘下に取り込まれる。
    幼少期、傍若無人な性格の父親の虐待からいつも守ってもらっていた経緯から鉄也のことを強く慕っており、兄を裏切り殺害した幹部5人に報復を行い4人を殺害、主犯格である椚を廃人状態にした。また、丑嶋と柄崎も鉄也の死の原因を作ったとして付け狙っていた。
    本妻以外にも多数の愛人を囲っており、生まれてきた子供には全員「鉄也(男子の場合)」「徹子(女子の場合)」と、兄に由来した名前をつけている。
    潜舵の提案した強盗計画に乗じて丑嶋の殺害も企て、強盗メンバーに丑嶋を加入させキャバクラオーナーの篠田の家を襲撃する。強盗計画は失敗に終わるも、廃墟跡で篠田を口封じした直後に騙し討ちで丑嶋を昏倒させた後、彼を屈服させる。そして殺す前に拷問によって丑嶋に隠し金の在処を吐かせたが、実はそれは獅子谷を油断させ、圧力鍋爆弾へ誘導させるための丑嶋の罠であった。結局、椚によって丑嶋の持つスマホの音声入力アプリで爆弾が発動。直前に着信音でダンボールを開けていた本人は至近距離にいたために下半身を吹き飛ばされる致命傷を負う。直後に自分が嵌められたことを悟ると、丑嶋への呪詛の悪罵を上げながら絶命。後に辛うじて生きていた潜舵によって死体はバラバラにされ、ゴミ袋に詰められ遺棄された。彼の死後、残った「シシック」および「獅子谷道場」は滑皮によって吸収される。「悪役総選挙」では1位。

    海老名 誠(えびな まこと)
    本編開始時には死亡しているため、回想シーンのみの登場。「シシック」の元支店長の1人。
    駆け出し時代の丑嶋、柄崎、加納らの直属の上司。ロリコンの気があり、特に女子中高生が好き。
    成績最下位の制裁として、柄崎の目の前で獅子谷に右耳を切り落とされる。後に丑嶋の売上金に目を付け鯖野と共謀して現金を奪い、丑嶋に罪をなすりつけようとするも発覚し、丑嶋と共に拷問される。その後、獅子谷に左手を切断され出血多量で死亡した。
    返済が滞る債務者に対しては、自宅のドアに落書きをしたり、家族の職場に複数回電話したりといった悪質な手段を取るものの、闇金業者としては豊富なノウハウを持っており、駆け出しだった柄崎、加納に的確な指示を出し、死亡する直前には丑嶋からも感謝の言葉を告げられている。

    鯖野(さばの)
    本編開始時には死亡しているため、回想シーンのみの登場。「シシック」の元支店長の1人。
    成績最下位から一位になるも、社員の一人を追い込みすぎて自殺させてしまう。その後は再び最下位に落ちた制裁として、獅子谷に両耳を切り落とされる。海老名と共謀して現金を奪い、妻子を見捨てて愛人と逃亡しようとしたが、その愛人に懸賞金目当てに裏切られてしまう。すぐさま獅子谷の部下から捕らえられて死ぬ寸前まで拷問を受け、海老名の関与を自白したのち死亡した。

    椚(くぬぎ)
    「シシック」の元幹部。
    親友の畑崎を含めた幹部仲間4人を死に追いやった獅子谷鉄也に対して反旗を翻し、彼の殺害を主導する。
    鉄也殺害後、甲児の手により「特別コース」と称した最も凄惨な報復を受け、両腕と両耳をもぎ取られて歯も全部叩き折られた末、母親と姉を目の前で輪姦されたことにより、精神崩壊を起こして廃人同然と化す。以後、甲児によってペット同然の扱いを受け、家族もシシックの監視下に置かれた。
    擦り切れたジャージに外でも裸足で歩かされ、もぎ取られた耳にはヘッドホン、歯のない口にはマスクをはめさせられ、「自殺したら家族を更に虐待する」という脅しのため死ぬことすら許されず、禿げ上がった異様な外見となっている。排泄後の処理すら碌に出来ない身体のためにオムツの着用を余儀なくされ、排便の意思を示した際には椚の家族か甲児の部下が付き添う。
    周囲からは精神崩壊を起こして白痴化したと思われていたが、実際は理性が残っており、丑嶋からの甲児を裏切れという誘いに同意。丑嶋の企みによって甲児が圧力鍋爆弾の前に誘導された際、叫び声によって丑嶋のスマホの音声入力アプリを起動、甲児を爆殺することに成功する(丑嶋の力添えとはいえ、結果的に獅子谷兄弟を二人とも殺害している)。自身も爆発に巻き込まれ金属片が顔中に刺さり、ジャージに火が燃え移りながらも、復讐成功に喜ぶ笑みを浮かべながら息絶えた。甲児同様、死体は潜舵に解体されてゴミ袋に詰められ、滑皮の元に引き渡された。

    畑崎(はたさき)
    本編開始時には死亡しているため、回想シーンのみの登場。「シシック」の元幹部の一人。
    以前に成績最下位を出したことがあるらしく、既に片耳が無くなっている。丑嶋たちと鉄也のカーチェイスに巻き込まれて鼻から脳漿が漏れるほどの重傷を負うも、鉄也が丑嶋への報復を優先したために手当を受けられず、そのまま死亡する。
    椚とは親友の間柄であり、彼の死が椚を復讐に走らせる決定打となった。

    黒石(くろいし)
    本編開始時には死亡しているため、回想シーンのみの登場。「シシック」の元従業員。
    鉄也に丑嶋の監視を命じられ、彼に対して暴行を加える。しかし、鉄也への反発心を丑嶋に看破されたことで見張りを放棄し、丑嶋の脱走を許した。
    その後、戻ってきた鉄也に拷問の末殺害されたことが椚の口から語られている。

    潜舵(せんだ)
    獅子谷道場の選手。現「シシック」の幹部でもあり、甲児の側近的存在。眼鏡と帽子をしておりラッパー風の服装が特徴。
    以前から揉めていたキャバクラオーナーの篠田を暴行し店内を滅茶苦茶に荒らすなど凶暴性は高いが、思慮が浅く小心な本質を持つ。甲児に対して「獅子谷君」と呼び、比較的余裕のある口調で話す。
    篠田の店キャバ嬢の美咲を情報屋として使っていたが、豹堂のスパイであった彼女に偽情報を掴まされて強盗を実行したことにより、警察に追われる身となる。
    その後、警察から逃げ切った後に篠田を口封じに始末し、丑嶋を昏倒させて拷問を加える。しかし丑嶋の仕掛けた圧力鍋爆弾で甲児、金髪の男、椚共々吹き飛ばされ、ただ一人爆発から生還するも火傷を負う。それでもなお手負いの丑嶋に襲いかかるが、間一髪で現れた柄崎に成敗される。
    形成が不利になったことで、産まれたばかりの娘の存在を語ることで丑嶋に命乞いをし、もう一個の圧力鍋爆弾を背負わされた状態で仲間の死体の処理を行わされた後、丑嶋に見逃す条件を提示される。それを反故にして裏切り行為を働くが、丑嶋の細工で全て筒抜けであり、最終的に自身のナイフで丑嶋に殺害され、死体も他の3人同様に解体処理される末路を迎えた。

    金髪(仮称)
    獅子谷道場の選手で現「シシック」の幹部。本名は不明。
    潜舵と共に甲児の側近的存在。見るからにガラの悪い半グレの男。見た目通りの凶暴な性格の持ち主であり、潜舵と共に篠田の経営するキャバクラを荒らした。
    甲児や潜舵と共に強盗および丑嶋の抹殺計画に加わり、篠田を始末したのち丑嶋を甲児と2人がかりで昏倒させ、積極的に痛めつけた。
    直接の描写はなかったものの、最後の生存者が潜舵であったことや、解体処理された死体に彼の分がカウントされていたことから、甲児と共に圧力鍋爆弾で爆死したと思われる。

    篠田(しのだ)
    キャバクラのオーナー。荒野行動が趣味。脱税をして大金を溜め込んでいるという噂があるが、その金に目をつけた甲児に恐喝されており、頼みとするヤクザも裏で甲児と共謀しているという八方塞がりの状況にある。頑固に甲児への服従を拒み続けた結果、潜舵に叩きのめされて店を荒らされ、マンションにまで押し込み強盗をかけられた。だが押し込み犯を声で潜舵だと看破したことが仇となり、口封じのために絞殺された。

    竹腹(たけはら)
    現シシックの幹部でシャブ中。
    甲児からの連絡がこないことを疑問に思い、滑皮の仕業ではないかと疑うが、それを聞きつけた滑皮に制裁を受ける。この一件に加え、シシックを解体され強制的に配下に置かれたことで、滑皮に強い反感を持つ。
    豹堂の元へ行き、同じく滑皮に対して敵意を持つ彼の命を受け、梶尾の拉致拷問、および殺害を実行する。だがシシックに戻った後、梶尾殺しの犯人を追求する滑皮に対してあからさまに怯えたため、犯行が露見しかける。その場を誤魔化した後、巳池の隠れ家に逃げ込むも、口封じとして巳池の舎弟にビルの高所から突き落とされて墜落死する。

    巳池(みいけ)
    豹堂の舎弟。
    後述の経緯から滑皮との間に個人的な因縁を持ち、後輩である彼が出世して幅を利かせていることを不満に思っている。その一方で自身は未だにホストから金を徴収する程度の地回りをしており、現在では滑皮やその舎弟から見下されている。既婚者で、妻はネイルサロンの経営者。
    豹堂の命で戌亥を脅迫して手駒にした他、その後もシシックにスパイを送り込んだり、鹿島殺害を自白させるため竹腹と共謀して梶尾を拷問して殺害するなど暗躍する。しかし、単独行動中にシシック出身の滑皮の舎弟たちに見つかり盗難車で轢かれて重傷を負わされ、滑皮の元に身柄を引き渡される。そして梶尾殺害の報復として電動のこぎりによる凄惨な拷問の末、最終的に自白するも殺害され、死体も舎弟の働く工事現場の下水に流された。
    過去編にも名前は出ていないが登場。当時は新入りの部屋住みであった滑皮に威張り散らし、嫌がらせをする様子が描かれている。

    美咲(みさき)
    シシックの情報屋。篠田の店でキャバ嬢として潜入しており、篠田が脱税していることを潜舵に伝え、彼を介して篠田の家に強盗を行うよう鉄也たちをけしかける。
    その正体は巳池の工作員。滑皮組の傘下であるシシックに警察の足が付くよう、偽情報を流して鉄也たちを篠田の家に向かわせ、その位置情報を警察にリークしていた。
    任務完了後はそれまでのホテル暮らしを解かれつつ、身を隠す為にマニラに高飛びする運びとなり、空港で巳池に労われつつ見送られるが、実際には現地の人身売買組織に送られることが決まっていた。

    黒河内(くろこうち)
    滑皮と接触した堅気のような外見の男。しかし、裏では吉澤が経営する通販会社の乗っ取りを画策しており、これを利用した儲け話を滑皮に持ちかけ、狙い通りに吉澤を陥れた。

    チュウボウ
    本名は不明。自らの虚勢を張るために街で滑皮にタバコを貰いに来た金髪の不良中学生。居合わせていた梶尾を子分呼ばわりするなどの生意気さを見せながらも、滑皮から一箱丸ごとタバコ貰ったため呆気に取られるが、同時に滑皮に惹かれる。その後盃を交わし、滑皮組の若手構成員になる。
    構成員になった後も生意気な言動が直らず、梶尾に制裁される。兄貴分たちの影響から丑嶋を完全に見下し、滑皮から見張りを命じられた際に、偶然通りかかった丑嶋の車に向かって罵声を浴びせていた。最終回で刑務所に入った滑皮の元に面会に現れており、涙を流していた。

    プロ
    本名不明。浅黒い肌の外国人コンビ。銃や毒を使いこなす本職の暗殺者で、ケバブ屋を通じて仕事を請け負う。滑皮からギャラの高さをぼやかれているがその実力は本物で、豹堂の暗殺や丑嶋の拉致を成功させる。しかし証拠隠滅のため滑皮に裏切られ、撃たれて廃材プレス機に放り込まれるという無惨な最期を遂げた。

    村瀬(むらせ)
    吉澤に従事する「バディムービン」のCFO。
    黒河内を胡散臭く思っており、黒河内を信用し切っている吉澤を戒めるが、聞き入れてもらえなかった。

    雁間(かりま)
    滑皮配下の投資ブローカー。経済ヤクザとして極めて有能で、デイトレーディングで数億の金を稼ぎ出し、海外の富豪投資家とも商談を成立させている。

    衣笠(きぬがさ)
    チュウボウがゲームセンターで出会った猪背組の老人。ヤクザでありながら高齢のために組から仕事を貰えなくなり、住んでいた安アパートも追い出され、ゲームセンター通いと酒浸りの路上生活を送る。転職のあてもなく、チュウボウに「暴力団排除条例のせいで差別を受けている」と不平を漏らす。滑皮からの支給金で辛うじて収入源を得ている状態で、それさえも飲み屋に散財する有様。だが衣笠はまだマシな方で、組を辞めた仲間達は更に悲惨な境遇であることを明かしている。


    以上のようにWikipediaで紹介される作品。
    真鍋昌平氏による著作。
    週刊ビッグコミックスピリッツ2017年第25号、第27号〜第29号、第31号〜第33号、第35号〜第38号掲載作品。
    2017年11月4日初版第1刷発行
    電子書籍制作会社 株式会社昭和ブライト

    ウシジマくん20〜29

    丑嶋達の過去編の続き。
    冒頭から獅子谷鉄也の耳ジャーキーを見せつけられる・・・

    飯匙倩(ハブ)も若かりし頃が出てくる。
    獅子谷鉄也に覚醒剤を売り渡している場面だ。
    世間は狭いということを感じる場面。

    獅子谷兄弟の電話の場面・・イカれた父から弟をかばい、弟の努力を率直認める良い兄貴の側面を持っている。弟も兄の助けがあったからだと互いにリスペクトを持って接している。
    ここは素晴らしい兄弟愛を感じる。
    ただなぜその良い側面を他の人間にもわけてやることが出来なかったのか・・・
    (ハンターハンターのゴンさんも似たことをノブナガに発言していた気がする)

    シシック本部でのタタキが成功した直後の鯖野(さばの)が決行前のビビってた人間とは思えないほど傲慢になっていて笑ってしまう。
    人間がいかに増長し傲慢になってしまうかを示す象徴とも言える。
    しかも結局死ぬし・・・

    土に首だけ出されて埋められる場面・・・北野武映画のアウトレイジでも似た場面があったような気がする。



    印象に残った点

    物より思い出って言うが形に残した方が忘れない。

    分かりやすい形の恐怖は永遠の服従に繋がる。

    愛人喜ばすのも重労働だよなあ。

    言われる前に動くのが当たり前の世界だ。

    チンピラは生ゴミのように処分しちゃいましょう。

    (この若き日の熊倉の台詞は何気なく話した台詞であるが、獅子谷兄弟のその後を暗示している・・・)

    どこかの誰かに負担とらせて利益を出すってことか。

    金持ちは1円を2円に増やさないと気が済まない。
    下に譲ることはしない。
    貧富の差はどんどん開くよ。

    ヤクザなんか使ったら一生食い物にされちまう。

    俺ら下っ端は稼いでも何も残らない。
    金がいくらあってもマンションも高級車も買えない。
    汚れた金じゃあ税務署に突かれるからな。
    結局、キャバクラで散財して優越感に浸るか、
    ギャンブルで憂さ晴らしして現金を吸い取られるか、
    シャブに頼って廃人だ。

    でもよ、ここまで来れたのは、兄貴が俺を支えてくれたからだ。

    馬鹿、お前の努力だよ。

    違う。ガキの頃から俺をかばってくれただろ?
    頭のおかしいクソ親父から守ってくれた。
    近所のクズや小学や中学のクソどもからも。

    2024/01/28(日)記述

  • 竹本とサンバービィという会社を経営している吉澤専務は獅子谷に金を要求され、滑皮の親分・熊倉を頼る。
    一方、獅子谷に対して鯖野と海老名が造反し、マネーローンダリング用資金6億円を強奪する。
    このとき濡れ衣を着せられそうになった丑嶋は柄崎、加納とともに獅子谷から暴行を受ける。
    過去編もクライマックスに向けて物語が進んでいく。

  • 人は感情にお金を払っているし、いくらでも払うということがわかった

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著者プロフィール

漫画家。神奈川県出身。1998年、『憂鬱滑り台』で「アフタヌーン」(講談社)四季賞夏のコンテスト四季大賞を受賞、同誌同年9月号に掲載され商業誌デビュー。2011年、『闇金ウシジマくん』(小学館)で第56回小学館漫画賞一般向け部門を受賞。その他著書に『スマグラー』『THE END』(講談社)などがある。

「2017年 『THE END クライマックス編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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