アナログ [Kindle]

  • 新潮社
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感想・レビュー・書評

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  • 発売当初から話題になり、年内に絶対読もう!
    と思っていたビートたけしの書き下ろし小説。な、なんと、
    純愛路線の恋愛小説だったりするから凄い。

    インテリアデザイナーの青年が、行きつけの喫茶店で知り
    合った謎多き女性に恋をする話。二人は強烈に惹かれ合っ
    ているにもかかわらず、名前以外のお互いのパーソナル情
    報(メールアドレス、電話番号、LINEのID、そして名字ま
    で)を全く知らない。いや、敢えて知ろうとしない。毎週
    木曜日の夕方に、この店に来れば会える・・・だけを頼りに
    したなんとも頼りない恋愛模様。しかしデジタル全盛のこ
    の時代に、あまりにアナログな関係は、逆にしっかりとし
    た絆を作っていく・・・。

    ・・・なんともまぁ、気恥ずかしいくらいの恋愛小説(^^;)。
    普段の僕なら絶対に手を出さないし、読んだとしても途中
    で止める可能性は低くないジャンルの読み物なのだが、コ
    レをたけし大先生が書いた、という事実があまりに面白い。

    この作品、男女の間柄だけではなく、男同士の友情や会社
    内の人間関係などもある程度深く掘り下げられているのも
    凄い。破天荒で波瀾万丈な人生を歩んで来た筈のたけしさ
    んが、いわゆる市井の人間の内面を(おそらく)想像だけ
    で書いたモノに鋭く共感してしまうのだから、やっぱり
    天才。改めてその才能に舌を巻いてしまった。

    おそらく、どの世代の男女が読んでもそれなりにグッとく
    ると思う。こういう人が東京五輪のプロデューサーをやっ
    てくれればいいのになぁ・・・。

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著者プロフィール

1947年東京都足立区生まれ。浅草フランス座で芸人としてデビュー後、1972年に漫才コンビ「ツービート」を結成、人間の「建前と本音」「理想と現実」との落差を舌鋒鋭く突きまくる芸風で漫才ブームの牽引役となる。テレビに進出後、『オレたちひょうきん族』『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』などの人気番組を次々と手掛ける。映画監督としても『その男、凶暴につき』『ソナチネ』『HANA-BI』などの話題作を多数世に送り出す。2016年にレジオン・ドヌール勲章、2018年には旭日小綬章を受章。近年は小説執筆にも力を入れている。著書に『弔辞』(講談社)、『不良』(集英社)、『浅草迄』(河出書房新社)など。

「2022年 『浅草キッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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