後宮に日輪は蝕す 金椛国春秋 (角川文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ファンタジーは全く読んでこなかったジャンルだけど唯一ハマっているシリーズ。
    Kindle Unlimitedで期間限定で1〜3まで読めて本当に面白い。

    今回は東瀛国、いわゆる日本人が出てくるお話。
    中国の当時の風潮からすれば日本の風習や文化なんてとても野蛮で奔放に見えたんだと思う。
    日本人からすれば中国の宦官や後宮のしきたりが特殊に見えるように。
    そんな異国人が初めて登場する回で、現代にも通ずる異文化への違和感とか齟齬が垣間見えた。

    女医生になる為に奔走する遊圭たちもどんどん逞しくなっていって友情も見所だし、
    遊圭の本性に気づく前後の周りのキャラクターたちの接し方や距離の詰め方、叔母の思いとかも含めて感情移入出来るところも多々あって。。

    色々と勉強にもなる作品。

  • 4.5
    面白かった、次に進みます。

  • 最後のページを読み終えた瞬間、涙が出ました。
    いよいよラストまでの数ページは読み終えるのが勿体ないほどでした。

    最近では「後宮の烏」など、後宮を舞台にした中華ファンタジー作品で読み応えのある小説との出会いが続いています。
    本作も初編は名家の御曹司である星遊圭が追っ手から逃れるという緊迫したシーンから始まります。

    新皇帝の皇后に選ばれた女性の外戚は、一人残らず殺されるという「族滅の法」により、遊圭は家族、一族、大切な人すべてを一瞬にして失ったのです。
    かつて彼が救った少女明々の機転で、女官として後宮に隠れ住むことになった遊圭が様々な試練に出会いながら、人として、大人の男として成長する物語です。
    最初は美少年が女装して後宮に潜入→若き皇帝に見初められ、妃として召し上げられるという王道BL的展開に興味を惹かれました(念のため、明記しておきますが、作品はBLでもないし、BL的展開は一切ありません)、
    しかし、読み始める中に、精神的に未熟ではあっても、聡明で他者の痛みを理解しようとする健気な少年遊圭の鮮やかな成長ぶりから眼が離せなくなりました。

    遊圭を取り巻く様々な人物たちー皇帝陽元や、宦官玄月、遊圭がほのかな想いを寄せる明々など個性豊かな脇役キャラもそれぞれが丹念に描かれ、作品に深みと奥行きを持たせています。
    これは一読者としての妄想にすぎませんが、もし遊圭が本当に女の子だったら、凜々しい美丈夫の若き皇帝と本当の恋が芽生えただろうか。いや、これがBLであれば、どうなかったかーなどと、作者さんには申し訳ない妄想が脳内に湧いてしまいましたー笑
    つまりは、それだけ、この作品にかきたてられるものがあったということでしょう。

    なお、本書はシリーズ三冊目であり、これで「後宮編」は完結して次からは、晴れて男性として生きることを許された遊圭が後宮に出てからのストーリーのようです。
    当初は、私個人の好みからも後宮編までで終わるつもりでしたが、もう少しだけ遊圭の成長を一緒に見てゆきたいと思い、続巻を読むつもりです。
    ただし、これから先はどこまで物語についてゆけるかな~というのは判りません。
    挫折の可能性もなきにもしあらずで、四巻目は古書を探して入手の予定。

    いやー、とても良かったです。
    作品内で、本当に色々なことがあり、たくさんの人と出逢いましたね。
    その度に、私も主人公と一緒に愕いたり、哀しんだり、憤ったりも歓んだり。
    でも、どんなときも前向きで不安に押しつぶされそうになりながらも前を向いて生きる遊圭に光を感じました。
    初巻の「預言」では、どうやら遊圭は国を背負ってたつほどの、ひとかどの人物になるらしいので、話についてゆけるなら彼の成長譚の最後まで見届けたいです。

    素晴らしい作品でした。

  • 最後の方、やや駆け足気味で想像していたよりあっさり終わったような。
    1、2冊目よりもドキドキハラハラの展開は少なかったけれど無事後宮を出る事ができ、大団円で良かった。新章が楽しみ。

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著者プロフィール

1966年島根県生まれ。神田外語学院卒業。プログラマー、介護職などを経て、現在ニュージーランド在住。2013年、第4回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、受賞作を改稿、改題した『天涯の楽土』でデビュー。著作に「座敷わらしとシェアハウス」「金椛国春秋」「親王殿下のパティシエール」シリーズ、『狩猟家族』『蒼天の王土』『マッサゲタイの戦女王』『霊獣記 獲麟の書(上・下)』がある。

「2023年 『蒼天の王土』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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