女たちの避難所(新潮文庫) [Kindle]

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  • 引き込まれるように一気に読んだ。テレビや動画を見たりしたより文章で書かれた記載の方がより迫力があった。田舎という特殊性はあるかもしれないが女性が直面する様々な問題に対して直球で記述してあり昭和生まれの私(男)として大いに考えさせられるものがあった。文庫本の著者あとがきにおいて“大変重苦しい大震災後を描いていますが日本の女性はまだまだ捨てたものではないと私なりの希望とメッセージを込めたつもりです。”との言葉には励まされた。

  • 言葉を失いながら読み進める。
    限りなく事実に近い小説。
    震災時の体験から始まり
    避難所の生活、再建から取り残される女性たち
    そういう部分が描かれている。

    避難所におけるセクハラ、
    上から目線のボランティアやリーダー
    レイプ未遂
    生理用品や緊急避妊薬の男性による配布
    食事の準備
    などなど

    美談しかマスコミでは語られないけど
    当事者でないと見えていないことは
    たくさんある
    そういうことに気づかされる。

    そして、女性は自分の身を協力して
    守らなければならない。
    今後いつ来てもおかしくない震災。
    それに備えて、各人が考えるためにも
    お勧めしたい本。

    私は震災のボランティアに行った。
    ある程度混乱が収まってからだったため
    避難所で悪い思いではない。
    ボランティアでありながら自衛隊風呂にも
    お相伴にあずかれた。そんな落ち着いた時期。
    それでも、女性は固まって寝たし
    トイレは複数で行くよう指示された。
    夜通しの夜景団も組織されていた。

    そういうことなんだと
    改めて思う。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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