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- / ISBN・EAN: 4907953210202
感想・レビュー・書評
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1989年、東西冷戦末期のベルリン。世界情勢に多大な影響を及ぼす欧州で暗躍するスパイに関する極秘情報が記載されたリストを持ち出そうとしたイギリス秘密情報部のスパイ・ガスコインが殺されリストが奪われる。ガスコインは、東ドイツ保安部シュタージに所属しているスパイグラスから西ドイツへの亡命と引き換えにリストを渡されていた。イギリス秘密情報部MI6は、凄腕の女性エージェント、ロレーン・ブロートン(シャーリーズ・セロン)にリストの奪還を命じる。ベルリンに潜入中のエージェント、デヴィッド・パーシヴァル(ジェームズ・マカヴォイ)と共に任務を遂行するロレーン。だが彼女には、リスト紛失に関与したMI6内の二重スパイ“サッチェル”を見つけ出すというもうひとつのミッションがあった。ロレーンに近づくフランスのスパイ・デルフィーヌ(ソフィア・ブテラ)などリストを狙って、ベルリンに集結する世界各国のスパイ。影でパーシヴァルがKGBに近づき不審な動きを見せるなど、誰が味方で誰が敵なのか。敵味方の区別がつかない状況の中、ロレーンと世界の運命は……?
アントニー・ジョンストン作のグラフィック・ノベル「The Coldest City」(日本語訳版出版希望!)を元に、「ジョン・ウィック」のデヴィッド・リーチが監督したスパイアクションスリラー。
シャーリーズ・セロン演じるロレーン・ブロートンは、「マッドマックス怒りのデスロード」のフュリオッサに並ぶドはまりのキャラクター。情報収集、戦闘、潜入脱出のプロで、どんなにピンチになってもクールな美貌を崩さず、好みの女の子に体は許しても心は許さず、例えイギリス秘密情報部の上司でも自分流を貫き、罠にはめられない抜け目の無さを持つクールな頭脳の持ち主で、任務中でもスタイリッシュなファッションとウォッカとタバコは欠かさない。
デヴィッド・リーチ監督は、「女性がアクションする時にありがちなスタイリッシュなアクションは避け、泥臭い痛みが伝わるようなアクションを心掛けた」と語るように、常に相手の隙を突き相手の膝や喉などの急所を集中して攻撃し、自分の銃の弾が切れれば銃で殴り、周りにあるものを武器に使い確実に倒すリアルなガン&格闘アクションが光っている。
特にクライマックスでの、ロレーンがスパイリストを持つスパイグラスを連れて東側から西ベルリンに脱出するためKGBの刺客と戦うアクションシーンでは、ロレーンが息を切らし痛みに呻きながら相手の隙を巧みに突き武器を奪い急所を集中して攻撃して相手を倒しつつ切り抜けていく生々しいアクションで、泥臭いが故にロレーンの強さが際立つものになっていた。
スパイリストをめぐって、騙し合い利用し合うスパイ同士の駆け引きも複雑でスリリングで、劇中で流れるデヴィッド・ボウイやネーナやニューオーダーなど80年代のヒットナンバーがちりばめられたスタイリッシュなスパイアクションスリラーの傑作です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2017年作品、知的でクールな女版ジェームズボンドの登場。2重スパイが誰なのかわからない展開は、ラストでその正体が暴かれる。
主演のシャーリーズ・セロンの右角度からの横顔はもう完璧な美です。アクションも素敵でしたが、如何せんパンチスピードがワンテンポ遅くて、敵役が少し間を開けて反撃しているのが見ていて辛い、とはいえ文字通り体を張った演技に拍手。さらに、BGMで使われたデビッド・ボウイやクイーン、クラッシュなどのブリティッシュロックの選曲も米国映画でありながら華を添えています。 -
兎に角シャーリーズ・セロンさんのアクションシーンが凄い。
特に7分間の長回しシーンは物凄い迫力で、7分もドタバタやってるから後半疲れてるのまで分かるのも、長回しだからこそ見れる貴重なシーンだと思いました。
ちょっと難しいお話でしたが面白かったです。 -
映像美。どういう人がスパイになるんだろう、と思った。桜餅臭いズブロッカが飲みたくなった。
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予告編などの印象から、もっと突き抜けたおバカ系スパイ・アクションかと思っていたら、意外にシリアス。
女スパイのヒロインを演ずるシャーリーズ・セロンのアクションも、けっして「人間離れした強さ」という印象ではない。むしろ、体力で勝る男たちを倒していくうちに、しだいに疲弊してボロボロになっていく感じがリアルだ。
『アンダーワールド』シリーズのケイト・ベッキンセイルのような非現実的カッコよさよりも、カッコ悪さすれすれの「生身の迫力」を選ぶあたり、シャーリーズ・セロンらしい。
ただ、ストーリーがわりとモッサリとしていて、スパイ映画に不可欠の洒脱さに乏しい。けっこう泥臭い。
「女007が誕生した」という言葉で本作を評した雑誌があったが、「007シリーズ」のような軽快さを期待すると、肩透かしを食うだろう。
89年のベルリンが主舞台とあって、80年代中心の洋楽ヒットがてんこ盛りな点は、世代的にすごく懐かしい。でも、デヴィッド・ボウイを2曲も使うなら、いわゆる「ベルリン三部作」からの曲も使って欲しかったな。「ヒーローズ」とか。
まるでMTVを映画にしたかのように、使用曲のテンポに映像のほうを合わせる作りは、『ベイビー・ドライバー』に近い。 -
MI6の諜報部員ロレーンは重要機密リストの奪還というミッションを遂行するため、壁が崩壊直前の混沌としたベルリンへ向かう。誰が敵で味方なのか、そして二重スパイは誰なのか。
スパイ物とは知らずに観てしまい、登場人物の名前を覚えるのが苦手な私はあっという間に混乱のるつぼへ。なんだかよく分からないうちに見事に騙されていた。
シャーリーズ・セロンのアクションが素晴らしい。
それにしてもスパイの皆さんの強靭なこと!撃たれても相手を殺すまでしぶとく立ち上がる責任感の強さはまるでゾンビのようだった。 -
ストーリーはともかく シャーリーズ. セロン カッコ良すぎて やはり 素晴らしい アクションも美しさも圧巻です!
スパイ・ムービーの歴史にセンセーショナルな“革命”をもたらす孤高のヒロイン、ロレーン・ブロートンを演じる。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の女戦士フュリオサ役でも メチャクチャ格好いいシャーリーズ・セロンであったが、内容違えど あの映画のセロンを彷彿させた。ハードな身体的トレーニングなどの徹底した役作りをこなして撮影に臨み、容赦なく群がってくる殺し屋たちとのまさに“死闘”と呼ぶにふさわしいバトル・シーンを入魂の演技で体現。
その生々しい痛みまでも伝える壮絶なアクションに加え、男女問わずあらゆる観客を虜にするであろうセクシュアルな魅力を放つ。まぎれもなくセロンしか出来ない…というか似合わないような役柄
監督は
デヴィッド・リーチ監督は、『ジョン・ウィック』の製作、共同監督を務めたことで脚光浴びた
それから 80年代 音楽 最高!映画とリンクして良かった
個人的には とにかく 私の一番敬愛するデヴィッド.ボウイの曲が核となり ベルリン時代のBowieとそれすらリンクして 物凄く嬉しかった♪ヽ(*^∇^*)ノ*:・'゚☆
映画音楽でデヴィッド.ボウイの曲は よく使われており 映画好きである私にとっても サウンドトラックに流れるだけで 喜びも倍増 今回は最初から「putting out the fire」が流れ
シャーリーズ. セロンが 格好良く現れ 思わず乗り出した(笑)
追記 Under Pressure / Queen & David Bowieも素晴らしかった。 -
GYAOで視聴。
苦手だったシャーリーズ・セロンが好きになってしまうぐらい面白い映画だ。ベルリンの壁崩壊前夜の東西スパイの暗躍を軸に最後までハラハラドキドキさせる展開と秀逸なアクション、加えて「ブルー・マンデー」ではじまり、「ロンドン・コーリング」「アンダー・プレッシャー」で終わるまでの80’sヒットソングに合わせたスタイリッシュな演出まで、トータルでまとまった映画。ジェームズ・マカボイ、ソフィア・ブテラの存在感も見逃せない。勿論ジョン・グッドマン、ジェームズ・フォークナーも適役。。 -
ATOMIC BLONDE
2017年 アメリカ 114分
監督:デヴィッド・リーチ
原作:アンソニー・ジョンストン&サム・ハート『The Coldest City』
出演:シャーリーズ・セロン/ジェームズ・マカヴォイ/ソフィア・ブテラ/ビル・スカルスガルド/ティル・シュヴァイガー
http://atomic-blonde.jp/
1989年、東西冷戦末期のベルリンで、一人のスパイ=MI6のガスコインが殺される。殺したのはKGBのバクティンという男で、彼はガスコインが東ドイツの情報局員スパイグラスから受け取った、すべてのスパイの素性が記されたリストを隠した腕時計を奪う。だがバクティンはそのリストをKGBに持ち帰らず、姿を消した。
失われたリストを奪い返すべく、MI6の腕利きエージェント、ロレーン(シャーリーズ・セロン)がベルリンに派遣される。彼女はリストの行方と同時に、ガスコインを裏切った“サッチェル”という二重スパイの正体を探るという使命も受けている。
同じMI6のベルリン駐在員パーシヴァル(ジェームズ・マカヴォイ)と協力するはずだったが、一匹狼で奔放なパーシヴァルは、ロレーンに自分の知っている情報を隠し、さらにロレーンを盗聴したり邪魔したり、独自の動きをする。やがてリストを持っているはずのバクティンが殺されリストの行方がわからなくなり、さらにリストを暗記しているというスパイグラスが命を狙われ、ロレーンは彼の護衛につくが…。
ドイツ映画『レボリューション6』でカッコ良かったティル・シュヴァイガーが出演しているので何気なく見てみたら、奇しくも同じく80年代のベルリンが舞台(ていうかだからドイツ人のティルが出てるのか)。彼の役はベルリンの時計屋を隠れ蓑にした闇の情報屋。2002年の『レボリューション6』からは現実の時間は15年くらい経っているのですっかりおじさんでしたが渋くてカッコ良かったです。
さて本作の見どころは、なんといっても女スパイ、シャーリーズ・セロンのカッコよさ!マッドマックスのときほどマッチョじゃなくて見た目はスタイリッシュだけど、アクションは結構肉弾戦多めでめっちゃ強い。そこだけはスカッとしますが、映画としては正直、脚本が下手すぎて、謎が謎でなくなっており、なんだか微妙。
まず東西の情勢を把握するのが一苦労。私のスパイに関する基本知識は主に10代の頃読んだ『パタリロ』なんですけど、それに基づいて整理すると、イギリス=MI6=バンコランと、アメリカ=CIA=ヒューイットさんは協力しあう友好関係、そしてその英米の敵であるのが、ソ連=KGB。東西断裂中のベルリンには、そのふたつの勢力がしのぎを削りあっているという状況。なので基本的に主人公たちの敵はKGBのはずなんだけど、そこに二重スパイが複数いるため関係がこじれまくり、わけわからんことに。
パーシヴァルが何をしたいのか全然よくわからないんだけど、それって結局、ロレーン目線だけで話を進めればいいのに、ロレーンの知らないパーシヴァルの裏の顔を観客には見せてしまっているから伏線回収がつまらなくなるんだと思う。彼らが奪い合うリストっていうのも、そもそもなんでそんなリストが存在するのか、誰が作ったんだよという時点でご都合主義のシロモノだし、さらにそれを暗記してるというスパイグラス、私がKGBなら彼を殺さず誘拐して拷問して全部吐かせるね。てな感じでツッコミどころ満載。
さらに、すでに無事生き残ったロレーンが、上司らにベルリンで何が起こったかを尋問されて語る回想形式で話が進むため、余計に彼女が知っていることと知らないことの混濁が目につくし、ちょっとネタバレだけど最終的に彼女は一種の「信頼できない語り手」だったわけですが、脚本が下手なので、そのどんでん返しに「あっ!」と驚けないんですよね。パーシヴァルをあからさまに怪しい感じにしてそっちに目を引きつけたつもりかもしれないけど、なんかわりと全部想定内の展開でした…。
あとは、フランス情報局のスパイであるデルフィーヌ(ソフィア・ブテラ)が、なぜかロレーンと恋におち、百合ベッドシーンがあります。ソフィア・ブテラはキングスマンでは悪のボスの副官で義足が凶器の殺し屋ガゼルをやってた女優さんですね。あとベルリン駐在MI6の若手スパイの一人をビル・スカルスガルドが演じていて、どっかで観たけど誰だっけ…と思ったら、そうだ『イット』のペニーワイズだ(笑)『イット』では宿敵だったビル=ジェームズ・マカヴォイとはこの映画では一応味方の役でした。
あと特筆すべきは音楽が80年代のヒットソングで統一されていたこと。どこかで聴いたような曲満載でしたが、私がわかったのは、デヴィッド・ボウイ「Cat People (Putting Out the Fire)」https://www.youtube.com/watch?v=A9I7U4nuR_I、スージー・スー「Cities in Dust」https://www.youtube.com/watch?v=wsOHvP1XnRg、それにクラッシュ(ベタすぎるタイミングでのロンドンコーリング)くらい。エンドロールはQueen & David Bowie「Under Pressure」https://www.youtube.com/watch?v=YoDh_gHDvkkで、音楽は英国推しっぽかったですが、オチは正直、ああやっぱりこれ、アメリカ映画だもんね、でした。 -
めちゃくちゃ面白かった!
スパイものは『裏切りのサーカス』が一番好きだけど、『アトミック・ブロンド』もそのつぎくらいになるような気がする。
完全にシャーリーズ・セロンは草薙素子だったし。誰と誰がつながってて本当の敵は?とか考えたら最後の帰ろうは、最高に楽しめる!
もう一回最初から見直します。