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- / ISBN・EAN: 4988102716103
感想・レビュー・書評
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主人公の親友+犬に助演男優賞あげたい。
全体的にシリアスで救いのない話なのだが、コメディリリーフである彼らの存在にものすごく救われる。ホラー映画にあるまじきラストの痛快さは親友の活躍がもたらしたといっても過言じゃない。後味悪くないホラー映画自体が少数派なわけだが……。
この映画のレビューか何かで「逆人種差別」という言葉を見たが、まさしくそれに尽きる。逆だろうが差別は差別だ。劣っていると見なすのも変に美化するのも、同等の扱いをしてない時点で立派に差別だ(変な言葉だが)偏見とは偏った見方をすることだ。
彼女の家を訪ねる序盤から違和感は付き纏うのだが、自分は静かなるオークションのシーンが怖かった。あんな熱狂と無縁のオークションて。
ただご都合主義な展開に不満もある。それがヒロインの母親のマインドコントロール。いくらなんでも万能に描きすぎ、便利に扱いすぎ。自殺や自傷を命じるなど、対象者に危害を加える強制はできない催眠術の大原則はどこにいった……
それを除けば楽しめた。あの盲目の画商、開頭放置プレイされてるのか……と見終わった後に気付き、笑えばいいのか不憫がればいいのか妙な気持ちに詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ブラムハウス・プロダクションということで気になっていた。期待通りというか結構刺激的な作品 まあ感じてはいたけど現代でも黒人と白人のカップルって、かなりレアなんだろうな、と思う。あまり普段気にしないけど確かセレナ・ウィリアムスの旦那さんは白人だったような。でもセレナは黒人というより超人だからな。
これはしかし人種差別をある意味逆手?にとった衝撃作だった。いい意味でブラムハウスらしい作品。 -
ニューヨーク在住のアフリカ系アメリカ人写真家クリス(ダニエル・カルーヤ)は、ある週末に白人の彼女ローズ(アリソン・ウィリアムズ)の招待で彼女の実家を訪れる。若干の不安とは裏腹に過剰なまでに歓待されるが、黒人の使用人がいることに違和感を覚える。その夜、庭を猛スピードで走り去る管理人と、窓ガラスに映る自分の姿をじっと見つめる家政婦を目撃し、クリスは動揺する。翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティが開かれるが、集まった多くの友人が白人ばかりで、クリスは気が滅入る。そんななか、どこか古風な黒人の若者を発見したクリスは、思わず携帯で撮影する。しかしフラッシュが焚かれた瞬間、彼は鼻から血を流しながら急に豹変し、「出ていけ!」と襲い掛かってくる。クリスはローズと一緒に実家から出ようとするが、クリスには創造を絶する恐怖が待ち構えていた。
異人種間差別や人種ネタが多いケイ&ピールというコメディアンのコンビの片割れジョーダン・ピールが、初監督脚本でのホラーコメディ映画。
まず異人種間カップルの映画「招かざる客」をなぞったような黒人カメラマンのクリスが白人の彼女ローズの実家に挨拶に行くという始まり方が、絶妙。
クリスは、ローズに「黒人である自分が白人の家族に受け入れられるだろうか?」という不安を口にするが、ローズは「大丈夫よ、父はオバマ支持派だしレイシストじゃないから」とクリスを安心させようとする。ローズの実家に向かう途中の道で誤って鹿を牽き殺してしまった現場で同乗者に過ぎないクリスに運転免許証の提示という不当な要求をする警察官が現れたり、クリスの友人ロッドからは「白人の彼女の家には行くな」と忠告されたり、クリスは不安でいっぱい。
ローズの父はクリスにベルリンオリンピックで金メダルを取った黒人選手の写真を見せて誇りに思うと語るなどリベラルな思想なのに、黒人の庭師やメイドがいたり、ローズの弟はクリスが黒人であることをいじってきたり、クリスと同じ目線の観客は安心と不安が入り交じった居心地の悪い違和感を感じることになる。
そしてクリスは、ローズの実家の庭師とメイドの不自然な言動やパーティーに参加していた黒人が黒人特有な挨拶であるお互いの拳を軽くぶつけ合うことをしなかったことに決定的な違和感を感じたクリスはローズとローズの実家を出ようとした時、ローズの実家が抱えている身も凍るような秘密が明らかになる。
ローズの実家アーミテッジ一家がやろうとしていることは、多民族国家アメリカに拭い難く残る異人種間差別や偏見、そして白人が占有している政治経済などの重要な役割を異人種に譲りたくない、ただ異人種の特有な能力を利用するだけという薄汚れた本音をホラーの形で風刺したもの。
クリスの唯一の味方に思えたローズの素顔にも、ゾッとさせられる。
クリスの友人ロッドが妄想するような「黒人を洗脳か催眠術にかけて奴隷にする」なんていうチャチなものでは断じてない、恐ろしいものの片鱗を感じた。
それは、「黒人だからバスケとか運動得意でしょう?」とか「韓国人だから辛いもの好きでしょう?」など、浅い文化知識から来る安易なイメージが、異人種の偏見に繋がる怖さに通じる。
白人のヒスパニック系移民に対する恐怖をベースにトランプが大統領になったアメリカでこそ、作られた「黒人がアメリカで生きることの恐怖」についての傑作サスペンスホラー映画。 -
ホラーであり、サスペンスであり、コメディであり、人種問題のメタファーを埋め込んだ問題作でもある、かも。面白い。
1回目に見た時、プロットと妙に説得力のあるSF的な映像に衝撃。
2回目、ネタバレ状態で見直すと、改めて発見があってまた面白い。
これ、人種問題の構造(良き白人の中には、本音は別にある人もいる)のリアルも捉えていて、黒人の方が見ると、トラウマにならないのかな? -
面白い。人に対する違和感を日常持っていて、それの原因を考えてたらストーリーが一個できましたみたいなことだったらいいな。
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アメリカでの人種差別は根深いんだろうな。
このラストが与えた影響はきっと大きいんだろうな。
私は単純に面白かったけど。あのお友達は本当に良い人! -
途中からどんどん先が読めていくけど、なんか気味が悪い感じがよかった。
白人至上主義、催眠などが撮影技法も凝って撮られている。 -
AmazonPrimeVideo★
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ジェニファー・コネリーの出演映画だと思い込んで観はじめたら、よく似た美女だった。黒人の彼クリスと白人の彼女ローズのカップルが、ローズの実家へ顔見せに行くことになる。白人の両親に黒人と知らせずに行っても大丈夫なのかと心配するクリスに、ローズはそんな両親じゃないから心配しないでと言う。実家まで向かうローズの運転する高級車でシカをはねてしまい、不吉な暗示を与える。警察を呼んで事故処理をすると、白人警官はクリスに身分証明書を見せろと言う。典型的な黒人差別を表すシーンだ。この後、実家へ着くとローズの両親はクリスを歓待してくれる。絵に描いたような豪邸は庭掃除する男とお手伝いの女が黒人で、なにやら引っ掛かり始める。謎の集会で金持ち白人が続々と実家にやって来る。ここからのサイコな展開がなかなかよかった。エンディングもよかったが、あのあとどうやって諸々を処理したんだろうかとそこだけが気になった。