- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4562474202374
感想・レビュー・書評
-
「とにかく怖い」と評判の映画だが、それほど怖くはなかった(映画館で観たら印象が違ったのかもしれないが)。
また、ていねいに作られた良作だとは思うが、「現代ホラーの頂点」というほどのものかなァ……という気もする。やや過大評価では?
ホラー映画ではあるが、衝撃映像を畳み掛けて観る者の目を釘付けにするようなホラーではない。むしろ、全体の雰囲気は静謐だ。
かりに本作から降霊シーンなどの超自然的要素を削ぎ落としたとしても、家族ドラマとして普通に成立する気がする。
つまり、不幸な事故で愛娘を喪った家族が、そのことによって絆を強めるのではなく、バラバラになっていく苦いドラマとして、である。
ホラー要素を差し引いても成り立つということは、つまり物語としての土台がしっかりできているということ。だからこそホラーとしても良作になったのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
僕も白樺林の宙空に浮かぶウッディハウスが欲しい笑笑
何だろう…室内装飾や調度品など空間のすごく細かいところまで物語の設定を作り込んでるように見えますね。やたらものが多くて雑然としてそうなのに一つ一つのセンスが良くて何故か、まとまって見えます。でも何故かってよく考えてみた。米国作品なんだけど演者達の顔つきが米国と言うよりもドイツとか欧州の人みたいな感じがする。それに室内装飾が最近の家屋じゃないし、割と年代を経たような印象を受ける。でもグループカウンセリングをやってるの見るとやっぱ米国が舞台なんだよね(笑)グループカウンセリングっていろんな映画に頻繁に出てくるけど、米国だと小さな町とかでも普通に頻繁に行われてたりするんだろうな。それに悲しみや依存症や悩み事とかに苛まれた時って誰かに話す事で気持ちが楽になったり、泣く事で気持ちが軽くなったりするんだろうな。それはよく分かります。
お兄ちゃんは黒髪で黒い瞳なのに妹は金髪で碧眼…こう言う外見がまるで違った兄妹って普通なのかな?それに妹の顔はやたら老け顔のような気がするけどメイクなのかな?
ここは凄いシーンですね。事故を起こした後の兄の心境の変化を巧く描いていますね。
パニック状態だった車が止まって、後部座席で起こってしまった最悪の事態を冷静に受け止められるようになるまでの過程。長回しで彼の表情だけで彼の内面に起こる感情の変化をまざまざと見せてくれてます。そしてその後の行動に驚きを禁じ得ません…
翌日、事の発覚を母親の悲鳴を聴いて知る事となり、惨たらしいワンカットが胸に刺さります。ほんと何度も言うようですが、ここだけでもスゴイ作品だと思う。
娘を失ったショックから母親は精神的な混乱を来たして次第に奇行が目立つようになって行く。コックリさんのような降霊術から父親も息子も巻き込まれ、彼等にも見えてはいけないものや物理的な接触が起こって行く…
別に惨たらしいシーンがあるわけでは無く、光やちょっとした仕掛け、効果音、撮影手法でしか恐怖を演出していないのにどんどん胸が苦しくなってくる…
何かが忍び寄ってくる…少しずつ、邪悪で真っ黒な空気を纏った何者かが…
追い詰められて行く…少しずつ、抗いようのない強い強い力…
かなり怖いですね。「シャイニング」とかみたいに次第に狂っていくのを見ている此方が追い詰められていくこの感覚…あの空中を飛んでるのがすごい怖い…
アリアスター監督、素晴らしい才能です。圧倒的な世界観に脱帽!って感じですね。 -
「今年 1番怖い映画!」「トラウマになる」と評されていたので 恐々観たが…そこまで 怖くはなかった というか…自分が、悪魔の知識や悪魔降臨の世界観が分からなかったからかもしれないが…。
しかし、最初の音楽や音に 静かにビクビクしてしまった。
ミニチュアハウスが実物の家の中、住む人に変わってゆく様は とても効果的で良かった。
家長である祖母の死をきっかけに、さまざまな恐怖に見舞われる一家を描いたホラー。祖母エレンが亡くなったグラハム家。過去のある出来事により、母に対して愛憎交じりの感情を持ってた娘のアニーも、夫、2人の子どもたちとともに淡々と葬儀を執り行った。祖母が亡くなった喪失感を乗り越えようとするグラハム家に奇妙な出来事が頻発。最悪な事態に陥った一家は修復不能なまでに崩壊してしまうが、亡くなったエレンの遺品が収められた箱に「私を憎まないで」と書かれたメモが挟まれていた。「シックス・センス」「リトル・ミス・サンシャイン」のトニ・コレットがアニー役を演じるほか、夫役をガブリエル・バーン、息子役をアレックス・ウルフ、娘役をミリー・シャピロが演じる。
監督、脚本は本作で長編監督デビューを果たしたアリ・アスター
母親役のトニ.コレット 表情がうますぎて怖かった
娘役のミリー.シャピロンも最初から不穏な雰囲気のまま
しかし、あんなに早く姿を消すなんて しかも そこが一番怖かった !残酷な事故で…。
そこまで 背筋が震えるような怖い映画ではなかったが 撮り方 描写に関して よく出来た作品だったと思う。 -
グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。娘のアニーは夫・スティーブン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーと共に家族を亡くした哀しみを乗り越えようとする。
自分たちがエレンから忌まわしい“何か"を受け継いでいたことに気づかぬまま・・・やがて奇妙な出来事がグラハム家に頻発。不思議な光が部屋を走る、誰かの話し声がする、暗闇に誰かの気配がする・・・。
祖母に溺愛されていたチャーリーは、彼女が遺した“何か"を感じているのか、不気味な表情で虚空を見つめ、次第に異常な行動を取り始める。
まるで狂ったかのように・・・。そして最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊。そして想像を絶する恐怖が一家を襲う。
“受け継いだら死ぬ" 祖母が家族に遺したものは一体何なのか?
最初は、家族代々精神病で悲惨な死を遂げる一家の葛藤と怪異を描いていたのが、娘の死の痛みに立ち直れていないアニーが家族を亡くした家族の自助会で出会ったジョーンに交霊会に誘われてからは、「ペットセメタリー」「エクソシスト」などの心霊ホラーに展開して、アニーの家族の恐ろしい秘密が明らかになるクライマックスの展開まで、不思議な光が部屋に走ったり舌打ちする音や何かの気配がしたりなどじわじわくるホラー描写や怪異がアニーの幻覚かピーターの悪夢か分からない曖昧さが凍りつくほど怖い最怖ホラー映画。 -
クソ映画だった。
終盤は、いつの時代の映画?ってリアルにポカーンだった。
過去の、それも古い時代からのホラー映画の枠を越えられておらず、それどころか、混ぜ方が上手くなく、ギャグ映画にすらなりきれない駄作ぶりを発揮している。
家族における女系のヒステリックでいやーな感じは上手かったと思う。ていうか、作者はそれを描くために、ローズマリーの赤ちゃん的なホラーの体を取っただけに思える。
これが名作扱いされるとは俄かに信じがたく、やっぱりホラー映画はやり尽くされちゃってるんだなぁと、残念な気持ちになった。 -
グラハム家を支配していた祖母の死をきっかけに、遺された家族の者に色々な異変が起こっていく話です。登場人物の病や薬物使用の症状と思われる幻覚や幻聴なのか、それとも怪奇現象なのか説明がつかないまま展開していく部分はおどろおどろしく感じたことと、ホラーと見せかけて母親に支配されていた娘の精神的な崩壊を描いているように感じてそのあたりは見ごたえがあるのですが、真相からラストシーンにかけてが、どうにもよくわからない終わり方のように思いました。
-
中盤辺りまでは雰囲気とかとても良かったんですが、後半はイマイチでした。
あと不気味なだけで怖さは全然なかったです。
トニ・コレットさんの演技はいつも安心して見れますね、本作もとても良かったです。 -
ホラー映画の耐性がすっかり弱くなっている今日この頃なので興味津々なれど見る勇気が湧かなかったのだが、『サスペリア』が案外平気だったので調子に乗ってこちらにも手を出したところ、結果的に大後悔。しばらくは思い出すのも怖かった。
何より怖いのは主演女優ふたりの顔!
特にチャーリー役の女の子。予告編では顔しか映らなかったのでてっきり5歳くらいかと思っていたのに、全身が映ったら、胸が膨らんでる⁉︎ どうやら13歳くらいらしく、不穏な顔つきだけでなく顔と体のギャップにも「気持ち悪い!」と思ってしまい、さらにこのチャーリーの身に起こる悲劇にも戦慄し。
チャーリーの母親役も、恐怖に歪んだり叫んだりするときの顔がもう絶品の恐ろしさだった。
そしてオカルト映画定番の、見えない力に巻き込まれた人々が救われる事は決して無く、抵抗すらできないという設定。
この監督の次回作『ミッドサマー』も同じように後味最悪らしく、見てみたいけど精神的ダメージが凄そうなので二の足を踏んでいるところ。 -
たぶんこういう類のホラー映画は今までに観たことがない。呆然としている。
心底ゾッとさせられた。
同時に、すごく考えさせる作品だった。
「毒親」と「ヒトラー」と「悪」という概念がひとつながりになっていく。
けれども、他人事ではない。そうした「遺伝形質」は自分の内側にもある。それを直視させずにいない映画だ。その意味での、ホラー。
こう書きながらも、今も鳥肌が立っている。