皇帝の嗅煙草入れ(旺文社文庫)

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皇帝の嗅煙草入れ(旺文社文庫)の感想・レビュー・書評

  •  主人公イヴ・ニールは成り行き上、殺人事件の容疑者となってしまう。
     果たして彼女の無実は証明されるか!?
            
     読者としては、物語冒頭からの叙述で、イヴ・ニールが犯人ではないと分かっています。
     冒頭の叙述をばっさり切ってしまって“フーダニット”の展開としてイヴも容疑者の一人というか最有力容疑者として描かれる展開だったとしたら、また違った読み方ができたと思います。
     まあ本作品はこの叙述自体が読みどころなわけで。
     心理トリックというか、イヴが否応なしに犯人に仕立て上げられていく展開とその解決方法を知っておくことは、今後の人生のために勉強になると思います。
     まあ今後の人生で容疑者に仕立て上げられることは滅多にないことでしょうが。
     しかし共謀罪が導入されて言論の自由が危機にさらられている時代、何が起こるか分かりません。
    (但し、共謀罪で逮捕されたら抗弁する暇もないでしょう。小林多喜二は逮捕されたその日のうちに拷問で殺されたのだから。)
         
     ところで、話をややこしくする人物として、イヴェット&プリューのラトゥール姉妹が登場します。
     妹のプリューが写真を指差して家族を紹介するシーンがあります。
    「あれが父と母で、あれは叔父のアルセーヌ」
     ナ、何と!ラトゥール姉妹の叔父はアルセーヌという名前だった!
     こんな名前の人物で思い浮かぶのは、あの男しかいない!
     フランスではよくある名前なんでしょうか。
     もしかして、ラトゥール姉妹はアルセーヌ・ルパンの姪だったという裏設定があったりして!?
     何せ直系の孫が日本人にいる国際派なのだから、ノルマンジー女の姪がいたって不思議ではない。
     イヴェットのあの常人離れしたしつこさ・いやらしさも納得がいくというものです。
         
     イヴ・ニールの先夫のネッド・アトウッドの病状が興味深い。
     階段から転落して頭を打った後、ホテルに戻ってから意識を失うのです。
     多分脳出血があったのでしょう。
     当然当時はCTがなかったのですが、レントゲンは撮ったようです。
     治療法は、頭頂部を丸く剃って薄いガーゼを当てるようです。
     当時の医学の水準でどこまで診断でき、どこまで治療効果があったのでしょうか。
     それで9日間昏睡した後、意識を取り戻してイヴの無実を証言し取調べ室に移動した後、急死します。
     医学的にはどうなのでしょうか。このような経過はあり得るのでしょうか。
     医学の専門家の見解を伺いたいですね。
    </br>  
     ネット上で色々な方の書評を拝読すると、最後に出てくる「ジジポンポン」の訳について書かれている方が多数。
     どの部分が該当するかは原書を読めない私には分かりませんが、参考までに、旺文社文庫(吉田映子訳)版では、「魔性の女」と訳されていると思います。
       http://sfclub.sblo.jp/article/179920135.html

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 主人公イヴ・ニールは成り行き上、殺人事件の容疑者となってしまう。
 果たして彼女の無実は証明されるか!?

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