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- Amazon.com ・本 (140ページ)
- / ISBN・EAN: 8601409685823
感想・レビュー・書評
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人間の搾取に耐え切れなくなった農場の動物達が、ついに反乱を起こし主人を追い出す。全ての動物の自由と平等を約束した新生「動物農場」では、かしこい豚達の指導の下、あらゆる動物達が協力し合いながら労働に励んでいた。しかし、幸福な日々も長くは続かず、豚達による恐怖政治の幕が上がってしまう。寓話の様にシンプルだからこそ、そのメッセージが鋭く刺さる。執筆当時はイギリスの同盟国だったソビエトのスターリンによる全体主義を痛切に揶揄しており、スウィフトの『ガリバー旅行記』の強い影響が伺える。一度読了した高校当時は何の感慨もなかったのだけど、より多くの国の情勢に(少しは)詳しくなった今改めて再読すると、そのテーマの普遍性に舌を巻く。権力に溺れた指導者が政治を牛耳るシリアやカンボジアなどに動物農場の姿を重ねずにはいられない。選挙の時はどちらの側にも投票する猫や、老いているからこそ最初からどうなるか分かり切っているロバなど、個性的なキャラクターも沢山登場。『一九八四年』に通じる種が沢山あるので、初オーウェルの方はまずは『動物農場』から読む事をオススメします。
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易しい英語で書かれていて、しかも薄い。ただ内容はとても考えさせられる素晴らしい寓話。ロシアの軍事主義への批判。見せかけだけの平等。分析と言いながら、数字だけを追い現実は労働者を駆り立てる資本主義…現代にも通じる全ての権力を否定する名著。ぜひ英語の得意な高校生や大学生には原文で読んで欲しい一冊!
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