殷ー中国史最古の王朝

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  • / ISBN・EAN: 9784121023032

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  • 落合淳思"殷ー中国史最古の王朝"を読む。

    立命館生え抜きで、学生時代から甲骨文を専門にしてきた著者による古代史の再整理。

    従来、後代に成立した『史記』などの文献重視で語られてきた殷王朝について、同時代資料の甲骨文を用いて事実関係の整理を試みられております。

    王朝が存続した期間に比して王の数が多いところから、従来、「殷は兄弟相続であった」などとされていましたが、著者はこれを否定。甲骨文に見られる祭祀のグループ分けを行い、王統の分立と、後世それが統合された可能性を示唆。

    日本史でいうならば、南北朝時代が100年続いて、のちに両方の皇統を一つの系図にまとめたようなものなので、そりゃあ『史記』の記述にも矛盾が起きるってもんです。

    74年生まれの著者は現在、立命館白川静東洋文化研究所客員研究員。まさに白川学の流れをくむ最後の弟子と言えましょう。

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著者プロフィール

落合 淳思(おちあい・あつし):1974年愛知県生まれ。立命館大学大学院文学研究科史学専攻修了。博士(文学)。現在、立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所客員研究員。主な著書に『殷代史研究』『甲骨文字辞典』(以上、朋友書店)、『漢字字形史字典【教育漢字対応版】』『漢字の音――中国から日本、古代から現代へ』(以上、東方書店)、『殷――中国史最古の王朝』『漢字の字形――甲骨文字から篆書、楷書へ』(以上、中公新書)、『漢字の構造――古代中国の社会と文化』(中公選書)、『甲骨文字の読み方』『古代中国の虚像と実像』(以上、講談社現代新書)、『甲骨文字に歴史をよむ』(ちくま新書)、『甲骨文字小字典』『漢字の成り立ち――『説文解字』から最先端の研究まで』(以上、筑摩選書)などがある。ほか論文多数。


「2023年 『古代中国 説話と真相』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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