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- / ISBN・EAN: 9784121023032
感想・レビュー・書評
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落合淳思"殷ー中国史最古の王朝"を読む。
立命館生え抜きで、学生時代から甲骨文を専門にしてきた著者による古代史の再整理。
従来、後代に成立した『史記』などの文献重視で語られてきた殷王朝について、同時代資料の甲骨文を用いて事実関係の整理を試みられております。
王朝が存続した期間に比して王の数が多いところから、従来、「殷は兄弟相続であった」などとされていましたが、著者はこれを否定。甲骨文に見られる祭祀のグループ分けを行い、王統の分立と、後世それが統合された可能性を示唆。
日本史でいうならば、南北朝時代が100年続いて、のちに両方の皇統を一つの系図にまとめたようなものなので、そりゃあ『史記』の記述にも矛盾が起きるってもんです。
74年生まれの著者は現在、立命館白川静東洋文化研究所客員研究員。まさに白川学の流れをくむ最後の弟子と言えましょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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