絵姿 The Portrate of Dorian Gray [青空文庫]

著者 :
  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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感想・レビュー・書評

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  • まず、私がこの本を読んでみようと思った理由があります。それは、私がゲームをしているスマホアプリの中に、この『ドリアン・グレイの肖像』を原典とした楽曲がありました。この曲がとても好きだったので、原典を読んでみようと思いました。この本は、オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』の内容ではありますが、渡辺温さんによって抄訳された本です。実際に、本家である『ドリアン・グレイの肖像』を読みました。この本は原文の一部をところどころ抜き出して翻訳されたものですが、有名な言葉や場面が分かりやすく抜き取られていると思います。ですので、読みやすさは高いです。私は、ゲーム内の楽曲の歌詞とこの物語がどのようにマッチするのかを意識しながら読みました。『ドリアン・グレイの肖像』の主な物語の内容は、美青年であるドリアン・グレイは、歳を取ることで醜くなってしまうことを恐れていて、自分の肖像画に「代わりに肖像画が歳を取ってくれれば」と願いました。そして、その願いが現実となり、その肖像画は様々苦痛にあい、醜くなってしまいます。そして、物語が進んでいきます。私はこの物語の展開がとても面白く感じました。ヘンリイ卿は美青年であるドリアン・グレイを日光、春の日、月のように美しいと、とても褒めていました。そして、その褒め言葉と同時に「やがて、肉体は衰える」とも言います。ヘンリイ卿の言葉は、ドリアン・グレイの心に刺さったので、彼は肖像画に願ってしまったのですが、私は、初めにヘンリイ卿が彼にこのようなことを囁かなければ、この悲劇は起こることがなかったと思います。ですが、ヘンリイ卿の言葉があったからこそ、ドリアン・グレイは言われた通りの生き方を選び、良いことも経験することができたので、よい味を出していると感じました。抄訳版であるので、シンプルに簡潔されているのですが、抜き出された部分がどれも分かりやすく想像しやすいです。また、初めから終わりまで「美」を忘れさせないような取り上げ方がしてあるので、どれだけドリアン・グレイにとって「美しい」と言うことが大切であるのか、と考えることが止まりません。最初に紹介した、ゲーム内の楽曲でも「美」を中心としたドリアン・グレイをイメージしていたので、本家の『ドリアン・グレイの肖像』をもう一度読みたくなってきました。物語の初めから終わりまで、ドリアン・グレイの生涯がとても面白いです。特に、最後の場面、ドリアン・グレイの終わりにとても鳥肌が立ちました。印象に残るので、その後の物語を考えたくなるような終わり方でした。

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著者プロフィール

一九〇二年(明治三十五)、北海道生まれ。本名温(ゆたか)。推理作家渡辺啓助の実弟。慶應義塾高等部卒、博文館で雑誌『新青年』の編集者として横溝正史のもとで働くかたわら、推理小説、幻想小説を執筆した。博文館の映画プロットのコンテストに応募し、審査員だった谷崎潤一郎の目にとまり小説家デビュー。三〇年(昭和五)二月十日、谷崎のもとに原稿催促にいった帰り、タクシーが踏切で交通事故を起こし、死亡。享年二十七。

「2019年 『ポー傑作集 江戸川乱歩名義訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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